前週からの動向
今週のビットコインは一時40,000ドルを割り込むまでの続落となった。
直近の安値圏で燻っていたBTC(ビットコイン)価格は、抵抗ラインとして意識されていた44,000ドルを上抜けかける上昇の動きもあったものの、週明けからは一転下落局面となり、40,000ドルを割り込むような弱い値動きとなっている。
1月に35,000ドルの安値を付けて以降は、下値を切り上げてはいるものの、テクニカル的には50日移動平均線と100日移動平均線とのデッドクロスが発生していることで、目先の反発の上値も限定的になる可能性がある。
ロシア勢による暗号資産での資産逃避を防ぐ狙いの、欧米諸国による追加制裁が発表されたことや、マイアミで開催されたイベント「ビットコイン2022」を経たことによる材料出尽くし感などが下落の要因と囁かれているが、最大の要因は米国の利上げ観測だろう。
市場概況
11日、シカゴ連銀総裁のエバンス氏が5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)にて0.5ポイントの利上げの可能性があることを示唆したことで、米長期金利が続伸。
米国債10年利回りは2.83%と、2018年末以来と3年以上ぶりの高水準となった。
国際利回りの上昇は、リスク資産からの資金流出につながり、暗号資産相場を押し下げる要因となっている。
米国の利上げ観測を背景に、ドル円は円安・ドル高がさらに進行しており、USD/JPYは一時125.77円と2015年6月以来の円安水準となった。この価格帯を抜けた場合、2002年以来の約20年ぶりの円安となる。強い円売り・ドル買いの流れから、ドル円の目標を130円とみるアナリストも増えてきたようだ。
本日12日発表のCPI(米消費者物価指数)を控え、暗号資産だけでなく日米ともに株式市場にもリスクオフムードが広がっており、軟調な展開が続いている。CPIの発表前後ではボラティリティが大きくなることが予想されるため、激しい値動きには注意したい。
筆者:齊藤成芳
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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