バリバリ仕事をしていた20代に絶望の淵へ
こんにちは。DECOSTEPです。
今回、私が参加しているコミュニティ『前田デザイン室』のアドベントカレンダーという企画に参加させて頂く事になりました。
いい機会を頂いたので、私が20代の頃の挫折経験を書きたいと思います。
以前、noteに書いた自己紹介。。
今読み返すとホントにざっくり(汗)なので、もう少し詳しく書きますね。
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20代の青春をかけたDirector
当時、Director(ディレクター)という、CD-ROMをオーサリングしたり、Webのミニゲーム、アーケードゲームなどインタラクティブなコンテンツを作れるソフトウェアがありました。
Directorの巨匠と呼ばれる方々がとっても楽しいコンテンツを作りまくっていて、私もこんな風になりたい!と憧れていました。
けれども、DirectorはLINGO(リンゴ)というスクリプトをマスターしなければ、コンテンツは作れません。当時20代の私には専門的なプログラミングでかなり難解。。
本だけでは到底理解できないので、メーリングリストで質問したり(※1)、北陸から幕張まで足を運びセミナーに参加してMDで録音したものを、家で何度も聞き返して(※2)学んでいきました。
そんなこんなで難しいLINGOをマスターし、
on GetAPropDescriptionList
という、ながーいハンドラ名だって覚えました。
ファクトリーから親子オブジェクト構造に仕様が変わった時も必死で覚えました。
LINGOを覚えると、CR-ROMや、web上のインタラクティブなコンテンツ(shockwave)を作る事ができます。
CD-ROMを知らない世代の方がいると思いますので簡単に説明すると、当時のインターネットの通信速度はISDNで64kbpsという低速なもので、1MBを超える画像をブラウザで読み込むのに十数秒かかってしまうような世界。。現在のwebのようにデータ量の大きな画像や動画をインターネット経由で見るには、まだまだ遠い世界でした。
そこでCD-ROMの出番です。
現在のホームページで載せるようなデータをCD-ROMに焼いて配る。というのが主流でした。
そしてwebではshockwave(ショックウェーブ)と言って、1MB以下で作るミニゲームが流行っていました。shockwaveを作る時は、容量を低くするためにドットで描き、色数を減らして30〜100kbyteほどで作ります。
困難ではありましたが、分かるようになると嬉しくて夢中で取り組んでいきました。
官公庁や企業のCD-ROM、ポケモンのアーケード型のネームプリント機の画面を作った事もあります。
LINGOを理解し、仕事も順調にこなせるようになっていくうちに、私はDirectorを使ってインタラクティブなコンテンツを作るのが楽しくて、
『私はこの仕事をずっと続けていこう!』と決意。
地元でDirectorを使いこなせる人は一握りだった事もあり、自信をつけていきました。
テクノロジーの進化の波にのまれる
インターネットの世界は日々変化しアップデートしていきます。
パソコンのシステム技術はどんどん進化し、インターネットの回線速度もISDN→ADSL→光回線へ。
動画や3DCGなど大容量なデータもサクサクと扱う事ができるようになりました。
テクノロジーの進化で、Directorが使えるお仕事は無くなってしまいました。
あんなに一生懸命覚えたDirectorはもう使えないのです。
私が作ったコンテンツは見ることすら出来なくなりました。(この記事のために必死で探してみたものの画像すら残っていませんでした。残っていたのはタイトル一覧だけ。。)
ーーー絶望
何もかもなくなってしまい、私はこの先何をしていけばいいのかも分からず、頭の中は真っ暗。仕事もないし、会社から見放されそうになっていました。
必死で探し続ける日々
何かしなきゃ。
そう思い焦ってみても、私にはもう何の能力もない。。
一日中パソコンに向かっているような人間で、かなりの人見知りなので営業なんてできません。。
何かしなきゃ。
必死にパソコンに向かってネット検索しているうちに『登竜門』というコンペのサイトを見つけました。
私ができそうなものを探して、応募しよう!
パソコンでイラストを描く事が得意なので、キャラクターデザインやロゴデザイン、パッケージデザインを中心に応募していきました。
そしてそして、やっと。
なんとか。
2つ、受賞することができました!
ひとつ目は、ラジオ局のキャラクター。
姫路のFM GENKI開局3周年を記念したイメージキャラクターです。
ふたつ目は、シナリオです。
MASCコンテスト アニメ原作部門 です。
小さな賞ではありますが、賞をいただいたお陰で会社の方々に認められようでした。
ここから再出発
私自身も、賞をとることで一歩踏み出せたような気がしました。
もう振り返っていても仕方ありません。
ここから、第2章の始まりです。
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ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
この先の話は、またいつか書きたいと思います。
最後に、この記事を書くきっかけをくれた きったーさん、ありがとうございました!