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動物愛護法改正を前に、私たち自身を考える

来年、2025年は動物愛護法改正の年。
虐待防止や動物の権利に関する議論が活発になっています。  

しかし、法や制度だけで動物の虐待や福祉の問題は良くなっていくのでしょうか。
それを扱う私たち人間はどうあればよいのか、一緒に考えてみませんか。

SNSでは、動物愛護を語る人たちの間でも、攻撃的な言葉が目立つことがあります。
動物保護団体の会合で、法律の専門家と意見交換をした際も
「どうすれば動物の命を守れるか」と同じぐらい多く「どうすれば人を罰することができるのか」という質問が場に出ていたことを覚えています。
動物を愛している人ほど 、それを妨げる人への負の感情を抱いてしまうのかもしれません。

でも、動物愛護の本来の目的は、「動物を愛することで、私たち人間の心も豊かにし、平和な社会を作ることに貢献すること」のはず。

先日、参加したセミナーで学んだイギリスの動物福祉団体RSPCAの取り組みには大きなヒントがありました。
それは、RSPCAでは、動物を虐待している飼い主に対して、単に動物を引き離すのではなく、段階的なサポートを行っているということです。

・インスペクターが飼い主の家を訪問し、動物の飼育環境を詳しく調査する
・正しく飼養できている点はしっかりと認めた上で、あと少しこの点だけ改善しようと伝える
・改善点は明確にわかりやすく伝える
・改善にあたって困る点はないか確認し、解決方法を一緒に考える

RSPCAの調査によると、インスペクターによる指導を受けた飼い主の9割以上が、動物の飼育方法を改善しているという結果が出ています。 
これは、法律での罰則に頼るよりも、あとこれだけなんだから頑張ってみようと飼い主の心を動かすことが大切だということです。もちろん、積極的な虐待などには厳しく対処する必要がありますが、多くの場合は、飼い主が動物と上手く暮らせるようにサポートすることが重要なのです。

動物愛護法の改正は、動物を守るための第一歩です。
しかし、同じくらい、私たち一人ひとりが、人に対してもどのような態度で向きあっていくのか考えることも大切。

大きなテーマではありますが、こんなことを一緒に考えてくれる仲間がいると嬉しい。

そんなことを考えている岡本でした。


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