真鍋大度 ∽ ライゾマティクスリサーチ展に行ってきました。
国内の美術館では初の真鍋大度さんの個展、鹿児島県の霧島アートの森で開催の「真鍋大度 ∽ ライゾマティクスリサーチ展」の開催初日に観に行ってきました。
展示内容
discrete figures installation
四角い部屋の内側全面がスクリーンとなって、そこに AI によって生成されたダンサーのダンスが投影される作品。
ダンスパフォーマンス "discrete figures" のインスタレーションバージョンとのこと。
これは見てて単純に楽しい。
今回の展示はほとんどが写真撮影 OK ということで、少し撮ってきました。
クリエイティブ・コーディング目線で、ダンサーの動きに合わせてパーティクルやラインが生成されるところに気を引かれました。
Light Field Theater
特殊なメガネなどを使わず、肉眼で立体像を観察できる Light Field 技術を使った 4つのミニシアター。
「現実の光と、光線の結像によって生成される光で構成された作品」ということなのですが、私にはどれが現実の光で、どれが生成された光かわからず(全部現実に見える!)、残念ながらあまりピンときませんでした。
同じ技術を使った作品 "phosphere" は、光線の結像で光のダンサーを作り出すというものすごい作品です。
今回の作品はさらに進んだ新たな表現とのこと。美術館館長の河口先生もすごく褒めてらっしゃいました。
これがピンとこないとは私の眼もまだまだですね。あまりに凄すぎて私の理解を超えてんだと思います。残念!
うまく撮れなくて、これは写真ありません。
ごめんなさい。
phenomena
こちらはヘッドフォンから流れる音楽と、ドーム状のスクリーンに投影される映像を鑑賞する作品。
ドームの下辺はこんな感じ
音に合わせて映像が動くものかな?と思って観ていたのですが、なんかちょっと違う感じがしました。
後で説明を読んだら、いろんなアルゴリズムを使ってデータを生成し、そのデータを音と映像に変換してるんだそうです!
そっち!?
よくある音に合わせて映像が動くものだと音の後に映像がちょっと遅れて動いたり、ビートのところだけに大きく反応したりが多いと思います。
これはそれとは違う感じで、音に合わせて映像が動いてるというより、なんだか映像の動きが音を作ってる、演奏してるような感じを受けました。
dissonant imaginary
これはさっぱりわからなかったけど、一番興味を惹かれた作品でした。
変な音が鳴っていて、スクリーン上でわけわからん画像がパシャパシャパシャと切り替わっています。
わかりません。
「キモい!(←褒めている)」というのが正直な第一印象。
最初はいろんな写真が素早く切り替わっているのかな? と思いました。
わからないです。
しかし、見ているとどうも幹というか主題というような画像があって、枝葉の部分が変化していっている?
しかも、その変化している部分は単に切り替わっているというより、モーフィング的な変化をしてる?
変化しながら最終的にある形に収束していく?
というもの… だったような… わかる気がしません。
説明を読むと、機械学習を用いて脳信号を解読する「ブレイン・コーディング」法を応用したもので、音を聴くことで変化する脳活動のデータを用いて映像を生成する試みということで、あぁなるほど! やっぱりわかりません!
これは私には何が in で何が out かも、その間の変換がどういう考えで出来てるのかも、全く、想像さえつきませんでした。
だからこそこれは本当に面白かったです!
この作品のコラボレーターである神谷之康さんと真鍋さんのトークイベントが 11/17(土) に行われるそうで、これは聴きたいなぁ〜
アーティストトーク
アーティストトークは 30分ぐらいのものなのかな?と思っていましたが、ゆうに一時間を超える内容!
時間だけでなく中身も濃く、予定になかったスタッフの方も途中で参加してお話しを聞かせてくださいました。
スタッフのお一人のことを「建築関係から芸大に行った珍しいキャリアの持ち主」と紹介されてましたが、学生時にニューヨークでラッパーのバックで DJ して、そのままヨーロッパをツアーで廻って、その後大学の数学科卒業して会社員となった後に IAMAS に行った真鍋さんも大概だと思う。
展示作品だけではなく、今までに発表してきた作品もいろいろと説明してくださいました。
どの作品もとても興味深くて面白いものです。お話を聞いていて、その発想は過去の事例や他者の作品、論文などの膨大な量の調査や地道な勉強によって支えられているんだなと思いました。
アウトプットも発想も一流の人は、インプットも一流なんですね。
真鍋さんはもっとトンガッたタイプの人かな?と思っていましたが、すごい実績の持ち主なのに気取った感じや威張ったところもなく、トークが終わった後の質疑応答にも丁寧に回答してくださっていて、とても好感の持てる方でした。
好きになっちゃうかも…(ポッ♥
あと、声も渋かったです。
戦利品
ここまでいろいろ楽しめて、それで観覧料がたったの 800円!
私は前売りで 600円! 安い! 安すぎる!
ということで、浮いたお金で買っちゃいました。
美術手帖のライゾマティクス特集号
これは CG の世界的権威であり、霧島アートの森美術館の館長である河口 洋一郎大先生の本。
オープニングセレモニーで挨拶をされていました。
ご尊顔を拝見できて幸せ!
しかし先生、派手!
ライゾマティクス・パーカー
そしてコレ!
真鍋さんも着てるライゾマティクス・パーカー!
L サイズが無くてしくしく泣いてたところ、見かねた店員さんがライゾマティクスのスタッフの方を呼んでくださいました。
スタッフの方が「展示のものでよろしければ…」と、展示用の最後の一着を譲ってくださいました!
ライゾマティクスの方、店員の方、親切! 丁寧!
ありがとうございます(泣!
ライゾマティクスの「ライ」って雷のことだったのね(違。
開催ありがとうございます!
都市圏と違い、鹿児島という場所ではなかなかこういう展示を見ることはできません。
今回展覧会を開いてくださって、真鍋さん、ライゾマティクスさん、関係者の方々、ありがとうございました!
また、やってね♥
追記:アーティストトークメモ
ヤニス・クセナキス
ギリシャ系フランス人の現代音楽作曲家、数学で音楽を作曲。
ステラーク
オーストラリアのアーティスト
PING BODY
ツールは openFrameworks を主に使用。
今回作品の設営をしながら、新しいアイデアを試したくなってきたそうで、会期中に 2,3回ぐらい違う作品に変化すると思うとのこと。
また観に行こう!
真鍋大度 ∽ ライゾマティクスリサーチ Daito Manabe ∽ Rhizomatiks Research
追記:主催テレビ局の紹介ニュース
私映ってる(笑!