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発達カフェ"Book Cafe Co-Necco"訪問記…みんなで守り育む居場所

先日、ようやく、「Book Cafe Co-Necco(こねっこ)」を訪問することが叶いました。

Co-Neccoは、発達障害のある人たちの居場所づくりをめざしているカフェです。就労継続支援B型として、当事者が働く場所でもあります。ASDの私にとっても、ほっと肩の荷を下せる場所でした。

なぜ、こんなにも心地いいんだろう?と考えたとき、ひとつの答えが胸に込み上げてきました。

店主の上口さんはもちろん、店員さんや常連のお客さまも、この心地よさを守り育もうとしているんですね。かけがえない居場所を、みなさんで作り上げてきたことが伝わってきました。

遠い関東から名古屋まで、足を運んだ甲斐がありました。どうもありがとうございます。以下、長くなりますが訪問した感想です。


Co-Neccoを訪問したきっかけ

なぜ私が約300㎞の距離を越えて、Co-Neccoへ向かったのか。自著をお店に贈呈したのがきっかけです。私は今年の6月に、発達障害とコミュニケーションをテーマにした本をKindleにて出版しました。多くの当事者に読んでいただきたく、上口さんにコンタクトをとり、自著のペーパーバック版をお店に置いていただく運びとなりました。(発達障害のある人向けのブックカフェは、全国的にも貴重です)

「土曜日の夕方は当事者のみなさんで賑わっているんですよ。機会があれば、ぜひお店に遊びに来てくださいね」

上口さんからお誘いの言葉をいただいていたので、いつかは……と念願していました。そんな矢先、思わぬビックニュースが! 「発達障害当事者会フォーラム2023in名古屋」が、10月9日(祝)に開催されることを知りました。このフォーラムは、行政・医療・福祉分野の支援者と当事者が、一堂に集まる大会です。ぜひみなさんのお話しを聞きたいと思い、Co-Neccoとフォーラムに行くことを決意しました。

温かく受け入れられた、ありがたさ

10月7日(土)の早朝、東京駅から高速バスに乗って、意気揚々と向かいました。ところが、この日は3連休初日。東名高速道路が渋滞したため、なんと予定より2時間も遅れて名古屋駅に到着する羽目に! 延々と7時間もバスに揺られて、下車したときにはすっかりヘロヘロでした。聴覚過敏があるため、バスの走行音には耐えられません。視覚過敏もあるせいか、見慣れない大都会の景色にもクラクラします。

「こんなグッタリした状態で、Co-Neccoに行けるんだろうか……」

やっとの思いで地下鉄に乗り、八事(やごと)駅へ。駅から徒歩3分のところに、Co-Neccoはあります。発達障害のある人のなかには、地図が苦手な方もいるため、駅チカはかなりポイント高いです。

そして、いざCo-Neccoの中へ。

Co-Necco・外観。木の温もりで包まれています。

上口さんをはじめ、店員さんもお客さまも、温かい笑顔で迎えてくださりました。初めて訪れる場所なのに、旧友の家に久々にお邪魔した気分。さっきまでの移動の疲れも、ふっ飛びました。

なかには私の来店を心待ちにしていた方も。上口さんがX(旧Twitter)で、私の来店を告知してくださっていたんですね! 後から聞いてびっくりしましたが、とても嬉しかったです!

「お会いできてよかったです!」
「この本には大事なことが書かれていますね!」

自著を読んでくださった方から直に感想をいただいて、感激もひとしおでした。自分を受け入れられることって、こんなにもありがたいことなんですね。

デザートセット。とても美味しかったです!

発達カフェが居心地いい理由

CoーNeccoをはじめとした、いわゆる「発達カフェ」に来店する当事者のなかには、やっとの思いで辿り着いた方も多いでしょう。

私と同じように感覚過敏があり、外出するだけでも大変な人。家族に障害を理解してもらえず、安らげる場所がない人。職場で息苦しさを感じながら、深呼吸できる場所を探し求めている人。それぞれの人が、さまざまな事情を背負って来ています。

でも、「発達カフェ」に来てみたら、背中の重荷も不思議と軽くなりやすいんですよね。

「私もうるさい音が苦手だよ!」
「親から理解してもらえないのは辛いよね」
「働くのって確かに、しんどい……」

こんな風にお店で共感しあえる仲間がいるだけで、自分ひとりではないんだと、孤独から解放されます。

自発的に守り育む居場所

Co-Neccoのすごいところは、みなさんで受け入れ合う温かさがあること。お客さまに恵まれているカフェだと思いました。もちろん、上口さんのお人柄に惹かれてのことでしょう。

初めてのお客さまである私も、快く迎え入れてくれたこと。顔なじみのお客さまが来店するたびに、みなさんで和やかに挨拶しあっていること。そのことからも、受け入れ合う空気が感じられます。

常連のお客さまと話していたら、みなさんCo-Neccoが大好きなんだ……ということが伝わってきました。大好きだから、売上にも貢献するし、他の人にも勧めるし、まるでスタッフかサポーターのよう。この居場所を、自発的に守り育んでいきたいと思える何かがあるのでしょうね。

そういえば、前述の「発達障害当事者会フォーラム2023in名古屋」において、Co-Neccoに貢献したくて当事者会を立ち上げたと発言されていた方がいました。「にじいろ名古屋」という当事者会です!

Co-Neccoの居心地のよさは、一朝一夕で作れるものではないと思います。みなさんで時間をかけて成長させてきたこの場所に、一瞬でも身を置くことができてよかったです。またぜひ、みなさんにお会いしたいです!


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