![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159562771/rectangle_large_type_2_d14e185bf6d01cc677b22d94f75b078e.png?width=1200)
長男誕生。助産師だって自分の出産は取り乱す③
こんにちは、助産師のぶきっちょです。①、②を読んで③を読まれると話がわかりやすいかと思います。
そこに前述の友人3名がやって来てくれた。不安感いっぱいの母と友人達がバトンタッチ。代わりに腰をさすってくれたが、当の私は産める自信を無くしかけていた。
ちょうど1ヶ月前に京都で開催された「第1回 正常出産カンファレンス」に参加して、「自然なお産」に憧れていた私だが、すでに2、3分おきとなった陣痛に気持ちが負けていた。
こんなに痛いのに内診はまだしないの?内診するほど進んでいないと判断されているのか?いやいや、一回内診してほしい。進んでないなら、帝王切開してほしいー💦
と、助産師さんに懇願して内診してもらう。
5センチ!🌸
やったー!すーすーんーでーるー!😭
その朗報とゴッドハンドを持つ女神3人のお陰で、私はようやく前向きになってきた。
そこから3時間、2分おきの陣痛はハカセが生まれるまで続き、その間、私は
サーフィンだ!そうだ!サーフィンだと思って乗り越えよう!あっ、来た!よーし呼吸だ、吸って吐いて、長く吐いて、ふーーーーぅ、また吸って…うわー、痛い、ダメだー負けそうだー、いやいや、ふーーーぅ。
忙しく一人で脳内会議を繰り返していた。
9センチ。
そろそろ点滴を、と助産師さんが腕を掴む。
えー、今?
「ちょ、待てよ」キムタクじゃないけど、点滴するための体勢を今取るのはしんどい。1分陣痛で痛くて、次の陣痛が来るまで1分も休み時間が無いのである。ポンコツ助産師の私でも、出産時にルート確保は必要と知っている。だが一応、全力で拒否ってみた。
はい、ダメー。ゴネる私に「規則だからダメです。点滴しますよー」と熟練の技でサササーと点滴を開始する助産師さん。やりとりを見ていた家族や友人が笑う。一瞬、場が和み、ふと緊張が解けた。それを見て私も笑う。
そっか、こんな時でも人って笑えるんだな、そして笑うとこんなにも力を抜くことができるんだな。と身をもって知る。
やっと子宮頸管が全開となったので、いきみを開始した。破水しているので膣の中をハカセの髪の毛が直接触れる。髪の毛がザリザリと行ったり来たりするのがわかる。
会陰が切れそうだから、切りますよ、と局所麻酔の注射器に手をかけながら産科医が言う。
「いいえ、切りません。」
なにせ自然な出産に憧れている私は会陰切開を拒否。
え!切らないの?切れちゃうよ?
と、産科医が問う。
「いいです。」
自然なお産にこだわり過ぎて、再び会陰切開を拒否。「あなたは怖がりだから切るのが怖いんでしょ。もぅビビリなんだから。」と母からツッコミが入る。
母にちょっとイラつく。
けど確かに…それもある。
この頃、助産師さんと産科医の会話から、帝王切開予定の妊婦さんが破水し、緊急手術の準備が始まったことがわかった。この人たち、きっと早く私のお産を終了させたいだろうな、と事情を忖度しながら、
でも私も私のお産の主役ですからー!
と、結局会陰切開はせず、時間はかかったが自力で産んだのだった。
仕事を早めに切り上げさせてもらってやっと到着した夫も含め、家族7名と友人3名。総勢10名に見守られて、待望の第一子ハカセはこうして生まれたのだった。
いいなと思ったら応援しよう!
![decoboco38ikuji](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161305768/profile_4aa7b477c18a32905b775ea9f5ff7751.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)