塩野義製薬 手代木社長のお話

経営者の決断と実行が、企業の未来を創る。

塩野義製薬の手代木社長のお話を拝聴。

社長就任時のこと。
80年代の製薬御三家と言われた時代の栄光を知るベテラン社員と。
業界中位になって、そこそこでいいと思って入社してきた若手社員と。
彼らに危機感を持ってもらうための創意工夫とは。

全員に同じメッセージを同時に発すること。
粘り強く対話の機会を作ること。
創業理念に立ち返ること。
こうして、一体感を作り上げた。

製薬業界は、特許が切れてジュネリック医薬品になると、売上が95%ダウンする厳しい事業。
常に次世代のヒット商品を出し続けなければいけない。
リスクを取らないと、事業が成り立たない。
売上の急減に、どう対処するのか?
経営者の強い思いがなければ、指示待ち部下は動かない。

部下には「これやって」と指示を出したら、「これはあとでいいから」と優先順位を明確にしてあげること。
あれもこれもやらないといけない!と思うと、仕事のクオリティが下がる。
時間や能力などの経営資源は、そう簡単には増えないからだ。

コアな事業が強くないと、パートナー契約には至らない。
変化が激しい時代は、他社と組まないと生き残れない。
だからと言って、手を広げるだけでは相手にされない。
「この分野だったら、ぜひアナタに」と言ってもらえないと、弱者連合になってしまう。

そのためには、コア事業以外を売却した。
切り離される事業の従業員に、「本体の再生を信じている。株価が10倍になることを期待しているので、持株は売らない」と言われた。
この想いに応えたいと、心に刻んだ。

経営者は、厳しいだけではダメだ。
裁判官になるのは、意外と簡単。
冷徹な決断は、数字を読むことができればできる。
でも、事業の裏には人がいる。
従業員、取引先、株主、お客様。
天使の要素が多くなければ、ステークホルダーを真に満足させられない。
ステークホルダーとの時間は、4つを平等にするようにスケジューリングしている。
どこかに片寄ると、経営はおかしくなるそうだ。

経営者は、結果責任。
結果を出せる経営者は、深く考えて決断し、行動していた。

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決断力 高島 徹
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