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東京都青梅市の御岳山に登ってみませんか【エッセイ】

御嶽山入り口

新宿から2時間弱電車に乗り、御岳山の山麓に立つと、都会の喧騒が遠のいていく。ケーブルカーに揺られながら、心は既に山の空気に浸されていた。赤、緑、オレンジ、青と色とりどり車体は、まるで山の四季を映し出すかのよう。

ケーブルカー御岳山駅


山頂に降り立つと、荘厳な御嶽神社が私たちを迎え、参拝を済ませる。今回は神社の写真を撮り忘れてしまったので、大変忍びないが、ぜひご自身で登って参拝していただきたい。

山頂から右手に行った、長尾平の手前


山頂を背に右手に歩を進め、少し窪んだ地形を抜けると、思いがけない絶景に出会う。屋根付きベンチのある長尾平という展望エリアからは、遠くまで緑に覆われた山々を見渡せた。

長尾平

空には白い雲が浮かび、まるで手が届きそうな近さだ。ベンチに仰向けになり、その立体感に圧倒される。雲は動き、地上に近づいてくるものもある。この眺めの中で、友人とのおしゃべりが弾む。


「ここにいると、なんだか普段言えないことも話せそうだな」

その通りだった。山の空気が私たちの心を開放的にし、新鮮な対話を生み出す。ふざけた話も真面目な話も、すべてが新鮮に感じられる。時に悪ふざけになることもあるが、それもまた山での思い出だ。

武蔵御嶽神社周辺鳥瞰図

山道を進むと、樹齢数百年の「天狗の腰掛け杉」に出会う。その圧倒的な存在感に、時の流れの悠久さを感じずにはいられない。

天狗の腰掛け杉


御岳山は、東京にいながらにして、まるで別世界に迷い込んだかのような体験ができる特別な場所だ。都会の喧騒から逃れ、自然と向き合い、そして自分自身と向き合う。そんな貴重な時間を与えてくれる御岳山は、まさに都会のオアシスと言えるだろう。


下山の途中、ふと空を見上げると、また雲が動いているのが見えた。まるで御岳山での体験を包み込むように、ゆっくりと流れていく。


「また来よう。」

友人とそう約束し合った。御岳山は、これからも私たちを温かく迎えてくれるだろう。そして、新たな発見と感動を与え続けてくれるに違いない。次はどんな魅力に出会えるのか、今から心が躍る。御岳山は、まだまだ私たちに語りかけてくれるはずだ。​​​​​​​​​​​​​​​​

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