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君の好きな音楽はなんだい?

本当に好きなものとはなんだろうか?趣味や嗜好の話である。例えばJ-POP全般が好きで音楽を意識的に聴くようになった自分はいまテクノやハウスを通過してアンビエントとか現行ジャズとかを聴いている。
それらは好きには違いないけど最初の頃聴いてたJ-POPとは感動の部類がまるで違ってて感心というか憧れに近い。最初背伸びして聴いていたものが聴き込んでるうちに身の丈に合ってくるというか手放せないものに変化していく。いや、自分の耳や感受性が音に合わせて変化するというのが正しいか。そういうのも音楽を聴く醍醐味の一つだ。
そうやって聴く音楽のスタイルや聴き方も幾度となく変遷してきた。最初苦手だった食べ物の美味しさに気付いて好物に変わっていくのと同じような過程を辿る。だからと言ってカレーライスやラーメンやハンバーグが嫌いになる訳じゃない。そして評論家でもないから食べ物を体系的に捉えたりグルメに走る必要もない。
それって好きだから聴いているのか?なんとなく美味そうなものが目の前にあるから惰性で食べている。そういう贅沢が許されるのはサブスクのおかげだったりする。幸い音楽は超レア盤でもない限り良い音楽もそうじゃない音楽も原理上は等価値だ。誰もが自ら築き上げてきた指針に従って同じ時間を費やし音楽を選り好みして聴くだけである。
聴く音楽のカテゴリーやスタイル、時代が広がれば広がるほど網羅的に、好みという狭い範疇から集合的無意識に接近し、音楽と分け隔てない関係性を結ぶことができるのではないだろうか。

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