R6予備経済法 再現答案
第1 設問(2)
1:X社の令和6年9月1日以降の行為(以下「本件行為2」)は、再販売価格拘束(独占禁止法2条9項4号イ)にあたり、同法3条に違反しないか
(1)「拘束」とはなんらかの経済的不利益によって担保されていることを言う。X社は販売業者が小売価格通りに販売しないのであれば当該販売業者に対してX社製甲製品の出荷を停止することを販売業者に通知している。他方、X社製甲製品を取り扱うことは販売業者にとって営業上必要不可欠となっている。そのため、かかる出荷停止、すなわちX社製甲製品という重要な商品を取り扱うことが出来なくなるという経済的不利益によって、販売業者は小売価格で販売せざるを得なくなっていると言える。故に特定の経済的利益により担保されていると言える。
(2)販売業者は甲社にとって「自己の…相手方」(同号柱書)にあたり、販売業者に対して小売価格で甲製品を販売するよう求めており「販売する…維持させる」(同号イ)に当たる(これ書いたかちょっと怪しいんだよなぁ)
(3)「正当な理由なく」とは、公正競争阻害性を言い、自由競争減殺の観点から判断される。そして再販売価格拘束の場合、それが実効性を以て行われることで価格維持効果が生じ、市場全体に影響が出ることにその本質があるのだから、実効性を以て行われていると認められるのであれば公正競争阻害性が肯定され、市場の確定は不要であると解する
ア:X社とは甲製品の販売分野において35%のシェア率を占め、国内シェア1位の有力事業者であった。また、X社製甲製品は消費者にとって人気であり、販売業者にとってX社製甲製品の取り扱いは営業上必須となっていた。そうだとすれば、甲製品の製造販売競争は製造者間でもともと不活発であったと考えられるし、また、販売業者もX社製甲製品の価格が上昇したとしてもX社製甲製品の購入を継続していたと考えられる。
イ:したがってかかる状況下で上記拘束を以て小売価格で販売させることは実効性があると認められる。
ウ:尤も、市場状況等に照らし、当該行為につき競争政策上正当と認められるのであれば例外的に公正競争阻害性は認められないと解する。
本件行為の契機は店舗販売業者に対して消費者に甲製品の適切な説明を求め、そのための費用を甲製品の小売価格に上乗せしたところ売り上げが大幅に減少しこれ以上は説明販売を維持できないと苦情が入ったこと、つまりは自己の営業上の利益の失敗であるにすぎず、競争政策上正当とはいえない。
2:以上より本件行為2は再販売価格拘束にあたり独占禁止法3条に反する
第2 設問(1)
1:X社の令和6年6月1日以降の行為(以下「本件行為1」は、不当な差別的取扱い(一般指定4項)に該当し独占禁止法3条に反しないか
(1)まず、本件行為につき、X者は店舗販売業者とネット販売業者との間で差を設けていないことから、かかる行為による協力金提供は甲製品購入の対価とはいえず、不当な差別対価にはならない
(2)次に、本件行為により、店舗販売者はX社から協力金を得ることが出来るというで「有利…な取扱い」を店舗販売者に対してしているといえる。
(3)「不当に」とは公正競争阻害性を意味し、自由競争減殺の観点から判断される。そして、かかる判断のためには市場の確定が必要である
ア:市場の確定は、商品役務の範囲及び地理的範囲を需要の代替性及び供給の代替性を考慮してなされる
イ:本件における商品役務の範囲は甲製品であり、地理的範囲は日本である。(なんかこの後書いた気もしなくない)
(4)特定の相手方に対して有利に扱うことは、その者との垂直的取引関係を強化することが出来、これは私的自治の範囲内と言えるため、原則違法とはならない。尤も、市場における有力な事業者が当該行為を行うことで他の代替的取引先を容易に見出すことが出来なくなる場合には例外的に違法になると解する(ここまで書いたっけ…?時間的に書けたか怪しい)
以上