サッカー界からの転職とその現実
実は去年の12月から転職活動をしていました。今まで日本で転職活動はおろか、就職をするに当たっての面接も人生初でした。そこから現職に決まるまでに感じた事をここで書く事で、誰かの参考になるのではないかと思ったので恥ずかしながら今までの経緯を書いていきます。
経歴
まずは簡単に私の経歴を紹介します。
22-29才 海外でサッカー選手
29−31才 海外でサッカー指導者
31才 日本帰国
31才 サッカースクール立ち上げ
32才 フットサル場勤務
22才で大学を卒業するまではずっと日本で暮らし、大学卒業と同時に海外へ。目的はプロサッカー選手になる為でした。その後、プロやセミプロサッカー選手として29才まで過ごし、そこから2年間さらにサッカー指導者として勉強する為に海外で生活をし、日本に戻った頃には31才になっていました。そこからサッカースクールを立ち上げ、1年後にはフットサル場で正社員として勤務する事になります。
転職活動開始
転職活動を始めた一番大きな理由は、前職での完全燃焼でした。フットサル場の売上を上げる為に試行錯誤を続けて、サッカーの指導ではない営業・営業企画やSNS戦略、イベント立案や進行、可能性がある事は何でも取り組み結果的に施設の経営を黒字転換する事が出来ました。
そして徐々に安定した収益を得られるようになってから暫くして、ある時期から大きな不安に苛まれました。「このままここにいて大丈夫なのか」「この結果は偶然が重なっただけなんじゃないか」。毎週同じ事を繰り返している日々にその不安は増大していき、新しい環境でチャレンジしたいという気持ちが芽生始めました。
このままサッカーしか知らない人生で40代以降本当に大丈夫なのか、と。
30代中盤という年齢
極めつけは何かで見た「転職は35歳まで」という言葉。(転職活動中に外資であれば40歳になって求人はガクッと減ると言われました。)
実際この年齢を過ぎると書類選考で落とされやすくなるのかは分かりません。が、実際に私も「年齢がネック」とエージェントの方に何度も言われました。この意味の根底にあるのは、「あなたの職務経歴は実績がゼロに等しい」という事でもあると思います。
良く面接前のZoom面談で企業の人事担当の方に言われたのが、「サッカーは頑張ってたんだね」でした。でもその裏には「サッカーだけだね」と言われている様に感じましたし、実際フットサル場で数字を出したとどれだけ詳しく職務経歴書に書いたとしても、巷にある一般企業が求めてる人材とは市場が解離しすぎていて、企業側も私をどう評価すれば良いのかわからないといった印象でした。
30代中盤ともなれば、年収アップを目指して転職をする人達の経歴は華やかですが、営業でこれだけの成績を残したとか、これだけの人数をマネージメントしてきたとか、やはり前職の規模感から残してきた数字、役職が重視され、即戦力としてすぐに会社の力になってくれる人材を探すのが普通でしょう。30代中盤までサッカー界にいた人間が、いきなり他の業界で雇ってくれる所は「経験不問」と書かれた業種、さらに給与は新卒と変わらない額の提示が多かったです。
英語力
では英語力を生かせばどうか。私自身も最初は英語力を生かせれば仕事は見つかるんじゃないかと思っていました。でも現実は書類選考もなかなか進めない。
理由は「年齢」と「英語を使った実務経験のなさ」でした。今やTOEICで800点や900点を持っている人もゴロゴロいる時代です。30代と20代で英語を使った実績のない人材がいれば後者を選ぶでしょう。「英語を話せれば仕事が見つかる」のは20代までではないでしょうか。(新卒はそれだけで有利)
とにかく転職でキャリアアップを目指すには、当たり前ですが前職での実績が必要です。それを生かして同じ様な業界、または似た様な業種で勝負していくのがセオリーだと思います。そこに+αで英語も話せるとなればさらに可能性は広がりますが、やはり今までの社会人生活で残して来た実績が一番問われます。
外資企業でキャリアを重ねている知人に言われたのは、「もし自分が働きたい企業、例えばナイキやアディダスでマーケティングをやりたいなら、まずはマーケティングが学べる小さな規模の会社からキャリアを始めて転職しながらその目標に近づいていけば良いじゃない」と。いきなりJリーグからビッククラブは無理だから、同じジャンルで結果出して行けよというメッセージ。勿論簡単ではないですが、自分のモチベーションを上げるには十分なアドバイスでした。
サッカースクールとの兼業
そしてサッカースクールとの兼業も選択肢をかなり狭めてしまいました。私は3年前からサッカースクールを経営しているので、そことの兼業可能な企業を探していました。私の条件は、土曜休み+平日2日間は16時には退勤出来る事。
今ではコロナ禍で副業・兼業が時代の流れになりつつありますが、日系企業で新入社員からそれを許してくれる企業はそう多くはありません。「まず自分の仕事を覚えて、結果を出してから」が現実です。途中まで話が上手く進んでも、兼業の話を出すと断られる事が多くありました。最初は日系・外資を満遍なく見ていましたが、転職活動を数週間してからは外資企業メインに切り替えました。
ちなみに今回使っていた転職エージェント企業は以下です。
ー リクルート(とにかく求人が多く色んな企業を紹介してくれる・日系が多い印象)
ー ビズリーチ(キャリアアップを目指す経歴のある人には最適、外資も多い)
ー Robert Walters(外資専門・経歴/実績がない人は相手にされない)
ー エンワールド(外資専門・経歴/実績がない人は相手にされない)
特にビズリーチはスカウト機能があり、企業の方から直接私の経歴を見てアプローチして来てくれるので、書類選考がなくいきなり相手が興味を持った状態で面接に望めるので嬉しい機能だと感じました。
とにかく色んな求人が見たくて質より量を望む方はリクルートが良いのかなと思います。
外資専門エージェントは英語が話せて当たり前からスタートするので、それプラスどんな経歴があるかで対応は雲泥の差になってきます。登録しても一向に紹介してくれない事もよくあると聞きますし、その辺りは外資らしく線引きされてて私は好きでしたが、逆に紹介してくれた場合は高確率で最終面接まで残れる印象で、内定率も高いと思います。
ポジティブな要素
と、ここまでネガティブな事が多くなってしまいましたが、書類選考でバンバン落とされるのはそこまで珍しくないので、実際そこまで気にしていませんでした。
そして私にとって良かったのは「海外でサッカー選手をしていた」という他の人にはない経歴が企業にとっては「この人の話を聞いてみたい」という興味の対象になった事が大きかったです。実際、ビズリーチに登録してから1ヶ月で5社程面接のオファーが来て、その全てで最終面接まで行く事が出来ました。幸いな事に、転職活動の早い段階で第一希望だった外資企業に2度の面談を経て内定が出たので、その他の最終面接は受けませんでしたが、企業からオファーを受ける事で自分が必要とされている分野が分かったのも大きかったですし、又今回の転職活動で今後どういったステップを踏めば目標としている企業やポジションに辿り着けるのかが明確化されたのが収穫でした。
内定が決まって、知り合いの外資企業に勤めている方に言われたのが、「外資は40歳までが勝負、それまでに実績つけてステップアップ出来る様に次の会社で結果出せ」。
今回の転職活動で、北米やヨーロッパは短い期間でなぜ転職を繰り返してキャリアアップをしていくのかが理解出来ました。日本はまだまだ終身雇用が根強いですが、数年で転職をしてキャリアアップさせていく方が仕事に対してのモチベーションが作りやすいので自分には向いているのかなと感じています。
Castelli
すでに今月から働き始めている新しい職場は「Castelli(カステリ )」。イタリア産自転車ウェアを北米・ヨーロッパを中心に展開しているアパレルブランドです。
自転車の事は全く知りません。笑
クロスバイクは持ってますが、本格的なロードバイクは持ってないし、ましてや自転車ウェアのブランドは一つも知りませんでした。が、今猛烈に勉強しています。
決め手は英語が仕事で使える事、兼業がOKであった事、そして何より仕事内容がこの会社の経営路線の転換期だった事もあり、その新しい事業に前職での経験値が生かせる要素があった事、さらに仕事の裁量を個人にある程度任せて貰えるものだった事と、このブランドの商品と他ブランドを比較した時に明らかに好きになれた事が出来たのが大きかったです。
前職のフットサル場勤務も、そのフットサル施設に明らかな強みがあり、その施設を好きになれたからこそ、自信を持ってそこをアピールし、最大限ウリにして売上を伸ばす事が出来たので、今回もその感覚は仕事を決める上で大事にしていた要素でした。
サッカースクール経営とサラリーマン
どちらかが副業という訳ではなく、どちらも本業として本気で取り組んでいきます。新しい仕事が始まったから指導の質が落ちたと言われる事は絶対いけないし、その逆も然り。この感覚を持ち続けてそれぞれの仕事に良い影響になる様、時間の使い方を考えながら成長を続けていきます。
あまり自分の様なキャリアは個人的にリスクもあるのでオススメしませんが、誰かの役に立つ情報が少しでもここにあれば幸いです。
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よろしくお願いします。
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