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映画備忘録: Away

なんとも形容し難い、アニメーションだった
映画としても、アニメーションとしても
久々に心が震えると言えば良いだろうか

この映画にはセリフはひとつも出てこない。
RPGのようなサントラと
主人公の少年の息遣いと、鳥の声
風の音や水の音自然の音しかない
なのに凄く表情豊かで。自分がその世界にいるような感覚になる。
写実的とは程遠いが、なんだろうあの
懐かしいような、どうみても2次元の世界なのにいつかどこかで見た絶景を思い出す。

美しい世界の一方で、
少年を追いかけてくる黒いヤツ。
あいつは一体なんだったのか
ゆっくりなのに確実に少年を飲み込もうと
派手なアクションシーンもないが、
そのスローペースがまたこちらをドキドキさせ
私の中のよくある、理由のない不安感を
連想させる。

その何か分からない黒いヤツを恐れて
禁断のオアシスに居続けて死んでいくのか
同じ死ぬでも、少しの希望にかけて死ぬのか
どちらの選択も多分間違いではない。
オアシスで見つけたリュック
マッチ、水筒、鉛筆、地図、望遠鏡とか
そこで出会う飛べないキイロイトリ
物語の途中出て合う、様々な動物
あれは何を意味するのだろう。
劇中1度だけ笑う少年の顔。
ほぼ、表情のない彼の顔だが何故にもこちらの
想像を膨らませ、入り込んでしまうのだろう。

冒険映画ではあるのだが
何だか一人の人の人生を観たような
そんな映画だった。

2日前にたまたま見つけて
木曜日に終わると知って
休みがあってほんとによかった。
詳細はあまり知らずに観に行くほうが
とても面白いと思う。

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