より多くの方々にSmartHRを使ってもらいたい ~アクセシビリティテスタープロジェクトが目指していること~

こんにちは。SmartHRの辻勝利です。 最近はとくに、今後アクセシビリティ業界で活躍していただく皆さんに向けた技術の継承というか、アクセシビリティについての考え方やスクリーン・リーダーの使い方などをお伝えするような活動をしています。 近い将来、有能な人たちに僕のこれまで取り組んできた仕事をバトンタッチしていけたらいいなと考えているところです。

ここ数ヶ月、じっくり記事の作成をおこなう時間がなかなか取れなかったのですが、今回は最近活動を開始したSmartHRのアクセシビリティテスタープロジェクトについてご紹介したいと思います。

SmartHRでは、昨年10月から「アクセシビリティテスタープロジェクト」を開始し、私たちが提供するSmartHRの機能がより多くの方に使っていただけるように検証作業をおこなっています。 開始して半年くらいのプロジェクトですが、メンバーから指摘してもらった内容をきっかけに、プロダクトのアクセシビリティの改善も始まっています。

なぜアクセシビリティテスタープロジェクトを始めたのか

最初にこのプロジェクトを始めるきっかけになったのは、これまで実施した障害者雇用についての情報交換会でした。

障害のある従業員向けに既存の仕事を切り出して作業してもらうのでなく、それぞれの障害特性を生かしてSmartHRの機能をテストしてもらい、問題点をフィードバックしてもらうことで製品のアクセシビリティ改善に繋げたいというのが発端でした。

これにより、私たちが提供するSmartHRが多様な特性の従業員の方々にとってより使いやすくなるだけでなく、テストに携わる皆さんにとって、自分たちが実施したテスト結果やそこで上げた改善要望が製品のアクセシビリティ向上に役立っていることを実感してもらい、誇りを持って仕事に取り組んでいただけるような取り組みをしたいと考えました。

そしてさらに、多様な障害者がSmartHRに在籍することで、会社が達成しなければならない法定雇用率を満たすことにも繋げていけたらという狙いもありました。

プロジェクトの概要

現在アクセシビリティテスタープロジェクトでは二つの取り組みをおこなっており、それぞれに複数のメンバーが活動しています。

アクセシビリティ関連ガイドラインに基づくテスト

昨年10月に開始したこのテストでは、主に沖縄にあるサテライトオフィスのメンバーが作業をおこなっています。

JIS X 8341-3:2016の基準に基づいたテストをおこなっており、これまでにキーボード操作のみでSmartHRの機能が利用できるかをテストして開発チームに問題点をフィードバックしました。

現在も新しいテストを準備しており、テストに参加しているメンバーからもこの仕事にやりがいを感じているとのフィードバックを受けています。

ユーザー特性に基づくテスト

このテストには現在、画面を拡大したりスクリーン・リーダーを使ったりしながらコンピューターを操作しているロービジョンのテスターと、トラックボールやAssistiveTouchなどの機能を使ってコンピューターやスマートフォンを使用している上肢障害のユーザーがSmartHRの機能をそれぞれの特性に応じた環境でチェックしています。

テストをおこなう際は操作中の画面を共有し、多のメンバーがそれを確認しながら聞き取った問題点などのコメントを記録しながら作業を進めています。

アクセシビリティテスタープロジェクトが目指していること

まだまだ手探りで活動を続けているアクセシビリティテスタープロジェクトですが、この取り組みを通じて以下のようなことを目指していきたいと考えています。

  1. SmartHRをより多くの方々にアクセシブルな状態で使っていただくこと

  2. 社内の開発者達がアクセシビリティの問題を解決する際により多くの特性を持つユーザーに相談できる環境を作ること

  3. 障害者の働き方として自社製品のアクセシビリティ向上に関わることのできる機会を継続すること

  4. 情報アクセシビリティ自己評価様式に基づいた資料を公開してSmartHRをアクセシビリティ面でも安心して導入していただけるようにすること

今後の私たちの取り組みにどうぞご期待ください。

アクセシビリティテスターのお仕事紹介イベントの予告

今回紹介したアクセシビリティテスターが普段どのように仕事を進めているかをご紹介するイベントを計画しています。

障害のある利用者の方には、SmartHRを様々な環境で使用している様子を知っていただけるきっかけとして、今後導入をご検討いただいている皆様には多くの従業員の方がSmartHRをアクセシブルな状態で使用できることを知っていただくきっかけとしてご覧いただけるようなセミナーを目指して準備を進めております。

詳細が決まりましたら改めて告知させていただきますので、今しばらくお待ちください。

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