【毎日広告賞 最高賞 】のりたま
2013年、毎日広告賞で最高賞を受賞した広告。
何を言い得ているのか
「ご飯のお供」としての存在であるのりたまを訴求するために、「ご飯」を主役にするという広告の主従を入れ替え、通常のお弁当では魅力的でないおかずの全くない白米のみの弁当によって、「のりたまをかけることが最高のごちそうになる」ことを訴求している。
また、母・父・娘の3連のお弁当になっていることで、のりたまをよく使うであろう家族層に向けた表現になっていると思われる。
評価されているポイントは?
通常の広告であれば、白ご飯にのりたまを掛けたビジュアルで「ふりかけ」自体を訴求したり、白いごはんに黄色いのりたまをかけるというビジュアルそのもののしずる感を強調する広告になり得る。
しかし、このビジュアルはあえて「ふりかけを掛けない」という選択をしたことで、ビジュアルのカオスさが増し、目を惹く見せ方になっており、最初から「ふりかけ」を思わせる広告よりも、ひっかかりを与える構造になっている。
どういったロジックでこの表現に至ったのか?
※あくまでも想像です。
白米だけのお弁当というインパクトと、よっぽどの白米好きでない限り、全面が白米で敷き詰められたお弁当を「ごちそう」とは言えないものを、「のりたま」が添えてあるだけで「のりたまをご飯に掛けたあと」を想像させ、簡素な白ご飯のみのお弁当でさえもごちそうになるメッセージ性を端的に伝えようとする構成となっている。
また、風呂敷のデザインとお弁当箱の種類を分けるだけで家族の誰のお弁当かを想起させており、最小限の表現で人格を想像させている。