【毎日広告賞 最高賞 】ロゴス
2014年、毎日広告賞で最高賞を受賞したアウトドアブランド「ロゴス」の広告。
何を言い得ているのか
通常のデザインであれば、草花の写真や絵などを使って自然を感じさせるものが広告としては多いが、このグラフィックは、ビジュアルとコピーによって風の「音」、草の揺れる「音」、火が燃える「音」を想像させるビジュアルに落とし込んでいる点に面白さがある。
評価されているポイントは?
キャンプなどのアウトドアは、自然を五感で感じることができる機会である。このブランド広告では、グラフィックでそんな自然体験を最低限の要素で魅力的に感じさせているビジュアルである。
平面的で音や動きのないグラフィック表現において、自然を感じさせるために最も直感的かつ魅力的に魅せるのは「色」である。草木の緑、青い空、透き通るような川、太陽などは、色彩によって自然を感じさせるものである。
しかし、このビジュアルでは色を使わないモノトーンの表現で自然を表し、極力ビジュアル要素を削ぎ落とすことで、「グラフィックで音をどう感じさせるか」に挑戦しているように思われる。人のイラストを中心として、風であれば、風の粒が回りを囲み、コピーによって、風の音を感じている人物がざわざわとした風の音を感じていることを想像させる。
風の音は見る人一人ひとりの経験によって変わってくるので、最小限の表現によって、それぞれの自然の風景や自然の音を感じさせる面白さのある広告である。
また、コピーは自然の音を「おしゃべり」というワードに置き換えることで人間のように「自然も生きている」というメッセージ性を感じさせる。
どういったロジックでこの表現に至ったのか?
※あくまでも想像です。
ロゴスの「アウトドアを楽しむ」という考え方をどうオリジナリティのあるビジュアルに落とし込むかと思った時に、自然の絵ではなく、自然の「音」を描くことで、それぞれが五感で感じた自然を想像させ、「あの自然をまた感じたい」と思わせることをゴールにしたのではないかと思われる。