トラぺジウム
・かなり言いづらいがラストの「将来の彼女たち」のシーンらへん以外は私はかなり好みの作品である。
・フィクションの主人公ってわがままに言いたいこと言って全員巻き込んで政治して批判も受け止めて最後はうまくいったりいかなかったりする。今回私が気になってるのは明らかに「うまくいかなかったり」の側にこの主人公は立ったのに、「うまくいった」側への軌道修正が無理やりすぎるという点だけ。明らかにロボットの子なんかアイドル時代を良かった側に捉えられないでしょ。
・アイドルって何かに憧れたり、目的があったり、そういう動機でなるものだと思っていたけど、「アイドルになりたいからなる」という東ゆうのアイドルにおける最高のわがままが私に突き刺さりすぎる。
・みんなでアイドルになってやりたいことっていうのが全然明確じゃないから、周りに流されるままにアイドル生活を過ごすことになっちゃったし、メンバーをまとめることもできなかった。そりゃあアイドルのオーディションを受けて受かるわけない。アイドルになって何をしたいのか話すのがオーディションなんだから。
・そういう失敗も含めて私は愛せる。また始められるから、失敗から立ち直って。普通の人はできない。でも東ゆうは主人公だからできる。何かになりたいからアイドルになるじゃなくて、アイドルになりたいからなるを二回目もまたやるのかというわがままさが私を突き刺す。
・あくまでこの話は東ゆう視点のお話である。他の子の心情がどうとか、東ゆうにはどうでもよかったんだからそこらへんのフォローが欠けているのは当然なんじゃないかなと思っている。