写真事業から葬Techへの展開を進めるアスカネットの紹介
葬Techで検索すると上位に表示される株式会社アスカネット。
同社は写真事業から事業を開始、写真の中の遺影に展開し、そこから葬Techへ参入しています。
同社HPに掲載されている沿革によると、古くは1993年に遺影写真の通信出力を始めるなど、既に30年近くの実績(もちろん、当時は葬Techという概念はなかった)を有しています。
フューネラル事業の業績推移
同社の2021年4月期(第26期)の事業報告書によると、フューネラル事業の年間売上高は24億9,200万円を計上しています。
なお、過去5年間の年間売上高推移を調べてみると、2020年4月期に最高の実績を記録したものの、2021年4月期は事業報告書によるとコロナの影響により苦戦した模様です(下期はほぼ正常化)。
フューネラル事業の内容
では、具体的にフューネラル事業とは何をやっているのでしょうか。
同社のフューネラル事業のページを確認すると大きく葬儀社向けと一般向けで分けられています。
葬儀社向け事業
総疑義社向け事業では10ものサービスを提供しています。
もっとも前面に打ち出しているのが、Tsunagoo。
スマホで送る訃報・香典サービスということで、1.訃報配信、2.弔電サービス、3.供物サービスの3つをすべてオンラインを介して提供しています。
また、特許を取得しているようで以下のように特許庁のサイトでも確認することができます。
日本マーケティングリサーチ機構が2021年9月に実施した訃報サービスに関するアンケート調査にて、葬儀現場スタッフが選ぶ、遺族に喜ばれるサービスNo.1を取得したように、葬儀現場からの評価が高いサービスであることが理解できます。
上記tsunagoo以外にも、遺影写真、電照額・パネル、遺影額・フォトフレーム、写真集、メモリアルサービス、メモリアルビデオ、デジタルサイネージ、アスカクラウド、システム機器など9つもの葬儀社向けサービスを提供しています。
一般向け事業
おうち供養Omokage、遺影バンク、遺影ラボと3つのサービスを提供しています。サービス内容が3つに留まっているように、葬儀社向け事業のほうが注力度合いが強い模様です。
フューネラル事業の今後の見通し
コロナの影響により会葬が難しくなったことは、葬儀社を大きな顧客対象とする同社にとっては手痛い中、IT技術を活用してリモートでの葬儀が定着していく文化に合わせてサービスを磨いていくことが大きな課題として挙げられます。
また、競合他社の参入も見られていることなどから、古くからの葬儀社との関係という大きな資産を活用した差別化を図った事業の構築が大きく求められるのではないでしょうか。
葬儀社の方が安心して、高い教育コストを割かずに導入できるサービスの継続的な提供。
葬儀に対する世の中の意識の変化に応えたサービスの早期構築・提供。
写真という同社の創業のきっかけとしたサービスを軸に、垂直方向にどのドメインまで拡大し差別化を図れるか。
これらが同社に求められる方向性なのではないかと考えられます。
※本エントリーのアイキャッチ画像は株式会社アスカネットのHPより