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日本の葬儀業の市場状況は転換点に達している

DeathTech、葬Techのハブ的位置づけを占める葬儀業界。ハブを知らずして周辺市場を調べるなかれということで、年間の葬儀件数、平均葬儀費用を経済産業省が発表している「特定サービス業動態統計調査」からデータを調べてみました。なお、元データは四半期ごとなど細かく発表されていますが、わかりやすさを優先して、5年単位の推移グラフを作成して共有します。

一見右肩上がりな年間葬儀件数

まず、年間の葬儀件数です。さすがに高齢者が増えていることもあり、件数は右肩上がりに伸びています。なお、参加までにCAGR(年平均成長率)を算出すると、4.7%となります。このように葬儀業界は右肩上がりの成長を描いているように見えます。

しかしながら、直近5年間を見てみると、実は2017年をピークに葬儀件数が減少していることがわかります。2020年については新型コロナの影響により葬儀件数の下落はさらに拍車がかかったとも言われています。

DeathTech(葬Tech)の中心的な位置づけを占める葬儀そのものは、直近の件数推移だけに限定して評価するならば、転換点にあると言えます。

一気に下落した葬儀費用

では、葬儀1件当たりの費用推移はいかがでしょうか。2000年から2015年までは約150万円を推移していた葬儀費用ですが、2020年に限ると大幅にその費用は下落し、120万円弱にとどまっています。
大幅に費用が下落した原因として、コロナをきっかけとして人が集まることが難しくなり、身内だけの葬儀を行わざるを得なくなったなどの理由が考えられます。

転換点にある葬儀業界

高齢化が進展して業界としては追い風にあるように見える葬儀業界ですが、葬儀業界を取り巻く状況はコロナをきっかけに実際は縮小するなど大きな転換点を迎えていることがわかります。
葬儀業界が縮小しているから、DeathTechも成長は見込めないのでは?という意見はあるでしょう。確かに、ハブとなる葬儀業界は今後も縮小するかもしれませんが、テクノロジーを使って葬儀業界に外部から参入するプレイヤーがいることは否めません。
業界が縮小もしくは成熟する流れの中で異業種の参入により業界のルールやプレイヤーが入れ替わるのは、これまでにも様々な業界で見られた現象です。

転換点にあるDeathTech界隈は、ビジネスとして非常に面白い状況にあると個人的には考えています。転換点にある業界に参入する異業種企業や斬新なサービスを今後紹介していきます。

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