夢の中でキムタクに塩対応された話
中学生の頃からずっと、この世で一番かっこいいのはキムタクだと思って生きてきた。中学生の当時、夕方に再放送されていたドラマ「HERO」のキムタクには特に影響され、映画版HEROの法廷シーンで、タモリの首根っこを押さえつけて「調子乗んなよ」と囁くキムタクと同じ事を、そのまんまクラスのガキ大将に対してやってしまった黒歴史まで存在する。
1年前、そんな憧れのキムタクに夢の中でお会いすることができた。場所は駅のホームで、言い争いをしているおっさん達がいた。そこに颯爽と現れ、仲裁役を買って出るキムタク。「リアルでもHEROじゃん!か、かっけー!」と思い、おれもキムタクに続いて参戦した。おれの加勢により、その場から立ち去るおっさん達。おれとキムタクの雄姿に歓声を上げるギャラリー。街中でキムタクを見かけても恐れ多くて声などかけられないが、共にピンチを乗り越えた今ならイケる!と思い、勇気を出して声をかけた。
おれ「あ、あの!握手させてもらってもいいですか?」
キム「いや、今はプライベート中なんで」
キムタクはおれに一瞥もくれずその場を立ち去った。夢の中ですら無下にされる自分が悲しかった。しかし、それでこそキムタクだ。キムタクはおれの相手などしない。生まれ変わったら、おれもキムタクになりたい。