慢性骨髄性白血病のTKI選択


チロシンキナーゼ阻害薬の選択方法について

CMLにおけるTKIの選択は基本的には多くの場合は第二世代TKI(ダサチニブ.ボスチニブ.ニロチニブ)から初療では選択し,副作用が出れば他の薬剤を選択する,といったことが多いです.イマチニブは金銭的な理由であったり,他の選択肢がない場合,ポナチニブは第二世代TKIでも奏功が得られない場合や,T315I変異などの遺伝子変異が出た時に2nd line以降で使用されることが主流でしょう.ただ2nd line以降の選択方法は新規治療薬もあり,まだ私見の域をでません.

TKI以外の治療はないの?

じつは新規治療薬としてSTAMP阻害薬というものがあるのですが,それは血液内科医だけが知っていればいいので,今回は省略します.
他にもインターフェロンを使用する場合もありますが,これはTKI誕生以前の治療法であり,現在TKIが使える場合はインターフェロンが使用されることはありません.(妊娠・出産などで一時的にTKIが使用できない場合はインターフェロンが使用されます)

何から使えばいいの??

造血器腫瘍ガイドラインでは上記のように記載されています.ただボスチニブの発売は2019年のためガイドラインには出現しておりません.
治療効果は前述の通り第二世代>>第一世代となっており,ダサチニブ.ボスチニブ.ニロチニブから選択します.第二世代TKIでの治療効果の差は現時点ではまだ明らかでないこともあり,患者背景から初療薬を選択するのが現実的です.

患者背景での推奨は??

Blood, 2020; 136(22):2507-2512.より

このように選択をおこなっていきますが,高齢者に多い疾患ということもあり,難渋することも多いです.フォローアップを欠かさず行いましょう

余談

一応,TKIに治療効果に差はないとされておりますが,治療抵抗性となった時にBCR-ABLの変異解析を行い,遺伝子変異が検出された場合に推奨されるものが以下になります.ただこれは専門医試験には出ないと思います.

Leukemia volume 34, pages966–984 (2020)より

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