#26 20240927 「ダイヤモンド葬」(ゲスト:アルゴダンザ・ジャパン 市川岳さん)
2024年4月からスタートしている「渋谷でDeathラジオ」。放送の詳細やオンエアに載せきれなかったこぼれ話などをご紹介していきます。
#26 20240927 「ダイヤモンド葬」 ゲスト:アルゴダンザ・ジャパン 市川岳さん
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◆「アルゴダンザ・ジャパン」市川岳さんから自己紹介
アルゴダンザ・ジャパン
・「Deathフェスやるぞ!」となった時に最初にコンタクトしたDeath界隈の人が岳さん。
・身長が194センチ!(見つけやすいです)
・おばあちゃんの死をきっかけに死について興味が
・国際基督教大学に入学、在学中は死生学カフェをやったり、死について研究もし始める。
・新卒で葬儀のベンチャー「むすびす」に就職。
・2022年上智大学大学院へ進学。死生学という学問を修める。遺言をデジタル化するスタートアップにも参画。
・大学院修了後、スイスのアルゴダンザ・ジャパンに就職し、現在は静岡在住。
■前半|死についての職業
・中学2年の時のおばあちゃんの死がきっかけとお聞きしましたが?
みんな大好きなおばあちゃんが弱っていき、死にゆく中で、おばあちゃんだけに目を向けられない現実。相続とか色々考えないといけない。自分がぎゅっとおばあちゃんの手を握っていた。
色々決めないといけないこと、考えなくてはいけないことが沢山あって、おばあちゃんに気持ちを向けられない状況にもやもやしたことがつながっていった。
・大学での死をテーマにした場づくりをされていたけど、きっかけは?
「デスカフェ」が日本に導入され始めた頃、お医者さんと仲良くなって、一緒に場づくりをしよう!ということになった。
・死の研究者となる前に現場にでたのはなぜ?
大学出てすぐ大学院進学も考えたけれど、現場を知らずに研究だけしていくことに、自分は現場を知りつつアカデミックなことも考えられる人になりたいと思っていた。では死の現場はどこかと考えた。医療現場は専門性が高いけれど、お葬式は面白そう。魅力的な企業に出会えてそこにジョイン。
・葬儀社のベンチャー、どんな会社?
葬儀会社は100年とか長く続くところも多い中、10年、20年の若い会社だった。100人100通り、残された遺族が明日に向かうためにどうしたらいいか、ヒアリングして一緒に考えていく姿勢の会社だった。一緒にストーリーをつくって行くという死生観を持っていた。
・時間をかけて一緒に準備できるの?
葬儀は、限られた中で準備をしなくてはいけない。新しい局面に向かう儀礼という点では、結婚式とやることは似ているけれど、明らかに時間が短い。ご遺体も長く置けない。短い時間の中で、この家族にとって本当に必要なことは何かということを上司とともに考え抜ける会社だった
・印象に残っているエピソードは?
お父様が日本人でお母さまがイギリスの方。お父様がなくなり5人の兄弟姉妹が来日され、キリスト教圏の方々は、とりあえず火葬してくれればいい。遺体には魂は残っていなくて点に上っているからとおっしゃっていたけれど、体中震えながらお父様に寄り添おうとされていた。行っていることと体にギャップを感じ、都内でローズガーデンをやられていたお父様だったので、お父様が一番好きだった場所でお見送りしませんかと提案したら了承いただけた。既存の葬送の仕組みではなかったけれど、翌日行ったら棺が置いてあり、岳さんにやってもらえてよかったという声をいただけた。
■曲のリクエスト
竹原ピストル - 「サンサーラ」(番組テーマソング Ver.)
<選曲理由>
(オノリナも大好きな番組、フジテレビ『ザ・ノンフィクション』のテーマソング)
・安楽死に向かうご家族を密着した番組を見たときに、最後にこの曲が流れてすごいいいなと思って、それ以来ずっとリピートして聞いている。
サンサーラとは、輪廻転生という意味。いろんな死生観がある中で、今いきている自分たちが現(うつつ)にいるというのが、自分の死生観に近いと思った。
■後半|遺骨ダイヤモンドについて
・遺骨ダイヤモンドって?どうつくるの?
遺骨の中に残存する炭素を使ってダイヤモンドをつくる。天然のダイヤモンドができるプロセスと全く同じ。
・人それぞれ色が違うってほんと?
大事にしていることは、着色しない。その方らしいお色味で、100人いたら100通りの色でお届けしたい。ご遺骨の中に残存しているホウ素によって青が出る。その濃淡は違うし透明の方もいる。そういったところも魅力。工業的に色を出すことはできるし、そういうようにしているところもある。
・利用者は?
お墓に納骨はするけれど、手元に何か持っておきたいという想いの強い方が多かったけれど、昨今はお墓の代わりにすべてのご遺骨をお預けいただいてダイヤモンドにする方が増えている。墓じまいでご先祖含めてダイヤモンドにする方も今は増えている。
・必要なご遺骨の量は?
会社によって異なるので、あくまでも自分の会社はという前提だけれど、400グラム。だいたい成人男性のご遺骨の量が1.5~2キロなので1/3から1/4程度。(関東と関西は収骨する量が違うので、一概には言えない)
・お墓に入れたいし、一部は海洋散骨もしたいし、ダイヤにもしたいというような、複数のオプションを選ぶ方も増えているってこと?
そういう方も増えてきている。
・遺骨ダイヤモンドを選ばれる理由は?
常にそばにいられるということが一番大きい。ご遺骨のままアクセサリーに入れるものもあるけれど、「永遠の輝き」をもつダイヤモンドになるということの価値を感じていただいているので、それをお届けしたい。
・遺骨ダイヤモンドという選択肢はスイスではメジャー?
スイスでは結構多くて、先日ドイツでは土葬、火葬、ダイヤモンド葬というくらいポピュラーなオプションになっているらしいと聞きました。
・今後日本でどう広めていきたい?チャレンジしたいことは?
コロナでできなかった遺族会やスイスの工場ツアー。オンラインでの自助グループなど。ダイヤモンドをつくっておしまいではなく、大切な方を亡くされた悲しみ、グリーフをケアしていくことや、死生学が根幹にある会社。その一つとして提供しているのがダイヤモンド。将来的にはもっと色々なことを提供していきたいです。
★色々な知見を持っている岳さんだからこそ、広げられていけるものがありそうですね!
■お知らせ
・10月2日(水)は、リビングラボ from Death(通称Deathラボ)のキックオフです!産官学民で、死をきっかけに創造的な社会を考える場です!
ぜひぜひご参加くださいませ。
https://deathlab-01.peatix.com/
・来週のゲストは「あんしん火葬」増井康高さんです
■番組へのお便り
お便り、なかなか届きませんが!毎週お待ちしております!
こちらの記事をご参考にどうぞ。
https://note.com/deathfes/n/n930fe6d4a36d
★★すべてのアーカイブはこちら!
https://note.com/shiburadi/m/m458e51f0078b