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「ちょっと死について考えてみたら怖くなかった」村田ますみさんの本で生と死について考える
「ちょっと死について考えてみたら怖くなかったよ」
ってホント?
と思わず聞き返したくなるような、このタイトル。
いやいやいや、やっぱ死ぬのは怖いですよ。
そうなの? じゃあチョット江東区森下までいらっしゃいよ。
ママといっしょに、あなたらしい生と死について考えましょうよ。
ってなことを言っちゃうのが、この本の著者・村田ますみさんです。
森下にあるのは「めめんともり」という、
1年前にオープンした、たぶん日本初の終活スナック。
「カラオケないけどカンオケあります」をキャッチフレーズに、
夜な夜な大人が集まって、一杯やりながら
「生きるとは?」「死ぬとは?」と語り合い、
それぞれの死生観を養っているところです。
「メメント・モリ(Memento Mori)」=ラテン語で「死を思え」。
年齢にかかわらず、君も僕も明日死んでしまうかもしれない。
その可能性を忘れずに、今を大事にして生きろ。
悔いがないよう、好きなことをやって生きろ。
そんなメッセージとともに、
最近、わりとよく耳にする言葉ではありませんか?
自分はどう生きるのか?=どう死ぬのか?
といった哲学的な思考を、世代を問わず、
みんながいっせいに始めたのかもしれません。
そうした時代の空気から終活スナック「めめんともり」は
生まれたわけですが、なんと、今月には早くも2号店が
沖縄・那覇にオープンしました。
村田さんはこの2つの終活スナックのオーナーで、
夜ごとお客さんの話を聞き、自分の考えをまとめながら、
この本を書いたようです。
内容概略(もくじ)は下記の通り。
第1章 なぜ終活スナック?めめんともり開業のルーツを辿る
第2章 あなたの理想の死は?
第3章 棺桶に入って生まれ変わる!?
第4章 自分らしい最期を大切に
第5章 多様な選択ができることで、死の捉え方がかわる
第6章 自分らしい最期を迎えるために必要なこと
とても楽しく読めるエッセイなので、
ぜひ手に取ってみてください。2月27日発売予定です。
ちなみに村田ますみさんは、
日本における海洋散骨のパイオニアでもあります。
以前、僕がテレビの情報番組の仕事に携わっていたころ、
多くの女性が「夫の家のお墓に入りたくない」
という声を上げ始めていました。
それから30年あまりがたち、娘世代になると、
こうした従来の葬儀供養のあり方に異を唱える女性が
ますます増えています。
そして、彼女らは単に不平を言うだけでなく、
勇気をもって自ら行動し、
これまでの葬儀供養にまつわる常識・社会通念を変えようとしています。
村田さんもその一人で、
彼女の言動に共感した多くのフォロワー事業者が現れ、
あれよあれよという間に、海洋散骨は、
すっかり葬送の選択肢の一つになった感があります。
時代が変われば、生き方も、死に方も、葬送も変わる。
終活スナック開業の背景から、理想の最期について考えるヒント、
入棺体験を通じた「生まれ変わり」のプロセス、
そして、終活の実践的なアドバイスまで、
いつか死を迎えるあなたや僕に向けて語りかけてきます。
死は恐れるものではなく、生き方を見つめ直すもの。
でも、ホントに怖くないですか、村田さん?
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