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#27 20241004 「あんしん火葬」(ゲスト:株式会社Mシステムズ代表取締役社長 増井康高さん)

2024年4月からスタートしている「渋谷でDeathラジオ」。放送の詳細やオンエアに載せきれなかったこぼれ話などをご紹介していきます。

#27 20241004 「あんしん火葬」(ゲスト:株式会社Mシステムズ代表取締役社長 増井康高さん)

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オープニング雑談 2人トーク

・ビッグイベント、リビングラボ from Death=デスラボ キックオフ無事終了!死を起点に創造的な社会をつくるための場。スタッフ含め80名くらいと、沢山のご参加、ありがとうございました!
・次回は12月9日(月)19時からの予定です

ゲスト:「あんしん火葬」の増井さんより自己紹介

増井さんとの接点は、クラファンにご支援いただいたこと。初めてお会いしたのは、終活スナックめめんともりにいらしてくださったこと!

・セレモニーをしないお別れを全国で提供している。
・30年弱葬儀屋につとめたり経営したり、葬儀にとどまらず様々な支援をしてきた。
・生前にお葬式を準備するのは縁起でもないので、終活分野にも取り組んでいる。

■前半

・そもそも「死」や「お葬式」に興味をもったきっかけは?
父が築地の魚河岸の中の魚屋。子どものころからずっと魚屋になりたくて、大学も水産系に進学したのに、お父さんが配達をやめて管理をするようなっ魚屋と形が変わってしまって絶望‥‥
その時祖母が他界し、ぽっかりと心に穴が開いてしまったときに、葬儀に目が向き、「変わったイベントをやっている」というとらえ方で、就職先として探し始めた。
今は葬儀以外も沢山しているけれど、いろんな形で亡くなった後にお別れすることを色々な切り口でやり始めた。とくにコロナ以降。葬儀以外にも広がってきている。


・「あんしん火葬」について。一般的な葬儀との違い、具体的なサービスの流れについておしえてください。
日本では80%くらいがお葬式を、多くは宗教儀礼として行っているけれど、そういった儀式を行わず、火葬場にお連れすることをサービスとして提供。望まれている一番ミニマムなものが、ご移動だと考えている。
宗教儀礼が全くない。セレモニーをしない方、もしくは、セレモニーを自分でやる方向けのサービス。

・誕生のきっかけは?
宗教儀礼で行っている理由は、本来は宗教に入っているからそうしているはず(詳しくは割愛)でも、どれだけその宗教を意識されているのか?
人口動態を考えると、支える人が少ない。いろんな人生があるのに、ほとんど同じロールモデルで行っている。LGBTとか含め、いろんな家族のいろんなお別れの形が対応できていない。その中から、一番最小限に頼めるものを考えたいと思った。

→支える人(若手)が少ない、
→お葬式の最適化

・どんな方が利用されているのか?
多いのは、おひとりさまやおふたりさまが法律家の先生に相談してだったり。
今寿命が延びていて、75才から高齢者住宅に入って95でなくなるとしたら20年ある。そのあいだでご家族や後見の方もどうなるのか分からない。介護施設の方がかなり困る状況に陥ってしまう。そういう方たちが、生前のうちからお話をしたり、しっかり契約をしておいてもらえれば、安心してサービスを受けてもらえる。

4月から正式に始まったばかりで事例は少ないけれど、家族がいらっしゃらない方や、疎遠である方が多いのかな?という感覚はあるけれどデータとしてはまとまっていない。

・家として、あたりまえのように引き継いでいけばいい、今まで通りでいいという方たちばかりではないということですね。
自分が守ってきたものをどう引き継いでいくのか。いろんなつながりの方がいるけれど、法的なものだけではそういう人たちが困ってしまう。生前から、困らないように備えて欲しい。

■曲のリクエスト

ムーン・リバー/アンディ・ウィリアムズ

<選曲理由>
・生まれて初めてラジオに出たときにもかけていただいた曲で、同年代の方にも響くのでは。
・お二人の声のトーンにもあっているのでは。

■後半|これからやりたいこと

・増井さんの視点、業界を俯瞰してみると、「あんしん火葬」はどういったサービスなのか?
が生まれた背景~葬送業界の構造上の課題に対して

年間150万人以上なくなっている社会だけど、大学卒業して「葬儀屋になる!」とはなかなか思いにくい。人出不足が解消しにくい。
24時間営業で緊急性も高く、なかなか過酷な現場。
そこをある程度緩和して働きやすい環境にととのえる。しっかり分業して、電話の専門部隊をつくったり、お迎えして火葬場にお連れする専門部隊をつくるとか。この2つを分業して専門部隊を創ることで、緊急性への対応はできるし、セレモニーに集中すべき人たちが集中できる。

セレモニーをしないということは決して悪いことではない、ということをしっかり仕組みづくりをすることで理解できる
お葬式される人が、生前自分が考えて自分でやれば、火葬場におつれしてすむ。お互いにうまくいくようになっていくのでは。
生前から考えておくことで、最適化されていくのではないか。

今いきている、生き方が変わっていく。自分がいなくなった後の世界はなかなか考えにくいと思うけれど、生きているうちに準備しておいてほしい

・お葬式は、自分でできない、葬儀社さんにまるごと依頼するものと思っていたけれど‥。その方がやれることもあると思うけれど、私たち側にできることがもう少しありそう。

もっともっと情報を知ることが大切ですね。

財産がとか相続がとかお墓が、、とか考えるよりも、自分の葬儀のことをあれこれ考える方が絶対楽しくなると思っている。残された人たちが「こういう人だったんだ」ということが伝わると、もうちょっと深みが出てきて、協力できることが増えていくかもしれない。

・今後やりたいことは?
血縁の方以外になにか手続きをしてもらうためには、生前契約しないといけないんだけれど、とても煩雑。日本の契約書は生きている人たち同士でしかできない。だから死後事務委任をする。法律が煩雑で仕組みも大変。これらを何とかしたい。

また、ご自宅で亡くなる人が増えていく社会構造なので、自治体の方々と連携して相談が受けられるようなシステムをつくるとか、楽しい話を含めて、生前どう準備をしていくか。「縁起でもない」けれど、余生をいかに幸せに過ごしていただくか、ここに集中していきたい。

・コメント
最近は「お墓を持ちたくない」人が増えているけれど、それは息子や娘など子どもたちに負担をかけたくないから選ばれる。お墓だけじゃなく、色々なことを自分で決めて準備していくっていうことにつながりますね。

暮らしの近いところで、最後見送られること。親族が葬儀を取り仕切るのがあたりまえとおもっていたけど、親族と疎遠な方もいるし、親族が仲良かったとしても、今まで慣れ親しんだところから引き取られて、なじみのない所で亡くなるとか…。コミュニティや、普段の暮らしのその中で、つながりの中でみんなが送っていけるようなシステムになったらいいなとも思います。それは幸せなことだと思うので。家族とか、伝統的な家制度の中でやるだけじゃない形も、いいと思います。

もう血縁とかだけじゃない。そうなっていく引き金は、長生きだから。長生きなことは素晴らしいことだけど、それを私たち社会がうまく受け入れて、いろんなことを実現していく。それに仕組みが追い付いていけば長寿しても幸せで居続けられる人が増える。それに挑戦できることは幸せなことだと思うし、そこを頑張りたい。色々な方にご協力いただきたいです。

■お知らせ

・10月15日(火)は、終活スナックめめんともりにて「Deathフェスナイト 1日ママ」やりますよー

みなさんのお酒代が、Deathフェスの応援になります!

・来週のゲストは、東京大学 大学院 情報学環 特任研究員 坂井裕紀先生です。


■番組へのお便り

こちらの記事をご参考にどうぞ。

https://note.com/deathfes/n/n930fe6d4a36d

★★すべてのアーカイブはこちら!

https://note.com/shiburadi/m/m458e51f0078b





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