2NLと5NLで何が難しくなったのか、HMで成績の違いを分析してみた
どうも。プロポーカープレイヤーを目指して修行中のdeathです。
最近2NLを卒業して5NLをプレイしてるんですが、5NLには苦戦してます。
どちらも8万ハンドくらいで2NLは勝ってるけど5NLはトントンです。
この各8万ハンドのデータを使い、2NLの成績と5NLの成績を比べてどこが下がってるのかを調べればどこを改善すべきかがわかると思い、詳しく調査してみました。
基本自分用に分析したものですが、同じように5NL苦戦してる人の役に立つかもしれないので共有したいと思います。
目次
1. 2NLと5NLの成績比較
2. 成績が下がった原因分析
ポジション別の成績
①3betしてコールされたときの成績が下がった理由
②3betにコールしたときの成績が下がった理由
③プリフロレイズしたときの成績が下がった理由
3. 2NLと5NLの違い
4. 私が2NL勝ち組&5NLトントンから5NL勝ち組になるための課題
1. 2NLと5NLの成績比較
画像の見方はすべて左が2NL、右が5NLです。
ポジション別の成績
全体では2NLが6bb/100、5NLが0bb/100
ポジション別ではBB、UTG、COの成績が大きく下がってます。
プリフロレイズしたときの成績
2NLは109bb/100、5NLは71bb/100
実に-40bb/100程も下がってます。
プリフロコールしたときの成績
2NLは2.7bb/100、5NLは35.7bb/100
なぜかここはよくなってます。ただ一番コールすることが多いBBは下がってます。これはたぶん2NL時代が下手だっただけ。
3betしたときの成績
2NLは369bb/100、5NLは216bb/100
なんと-153bb/100とかなり大きく下がってます!
3betしてコールされたときの成績
2NLは526bb/100、5NLは221bb/100
その差、実に-300bb/100以上!
3betされたときの成績
2NLは-175bb/100、5NLは-183bb/100
ここはそれほど差がありません。
3betにコールしたときの成績
2NLは-81bb/100、5NLは-178bb/100
ここも-100bb/100近くとかなり大きく下がってますね。特にCOがやばい。
以上の成績の差をまとめると…
ポジション:UTG、CO、BBの成績が下落
プリフロレイズ時の成績:109bb/100→71bb/100と約-40bb/100の下落
プリフロコール時の成績:5NLの方がよくなってる
3betしたときの成績:369bb/100→216bb/100で-153bb/100の下落
3betしてコールされたときの成績:526bb/100→221bb/100で約-300bb/100の下落
3betされたときの成績:ほぼ変化なし
3betにコールしたときの成績:-81bb/10→-178bb/100で約-100bb/100の下落
やばい順に並べると
①3betしてコールされたとき
②3betしたとき
③3betにコールしたとき
④プリフロレイズしたとき
でした。
まぁ①と②はほぼ同じととらえていいとして
①3betしてコールされたとき
②3betにコールしたとき
③プリフロレイズしたとき
これに加えて、ポジション別の成績が下がった理由を分析してみたいと思います。
2. 成績が下がった原因分析
ポジション別の成績
・UTG、COの成績が下がった理由
UTG、COの成績が下がった理由はおそらく2NLと比べてIPから3betされる頻度が上がり、OOPから3betにコールしなくてはいけないパターンが多くなったからではないかと思います。
3betコール時の成績がそれぞれ
UTG:-135bb/100→-275bb/100(140bb/100ダウン)
CO:+337bb100→-404bb/100(741bb/100ダウン)
と特にCOで大きく下がってます。
5NLは2NLと比べてUTGに対してもライト3を打つ人&BTN vs COで高頻度に3betする人が増えた印象です。
OOPでの3betコールはプレイが非常に難しいので相手の3bet率が上がったことでここが下がるのはまぁ当然ですね。
しかしCOは下がりすぎな気が…。
ボタンの3betに対してはある程度4betで対抗する必要性を感じます。
・BBの成績が下がった理由
次にBB。
BBで3betしたときは上の画像にあり、423bb/100→159bb/100と大きく下がってます。
BB vs BTNの2betpotの成績
BB vs SBのブラインドヘッズの成績
3betしたとき:423bb/100→159bb/100(-264bb/100ダウン)
BB vs BTN(2betpot):-85bb/100→-49bb/100(+36bb/100アップ)
BB vs SB(2betpot):+27bb/100→-13bb/100(-40bb/100ダウン)
3betしたときの下がり幅が大きいですね。
原因としては、2NLと比べてボタンやSBに3betしたときにライト4ベットしてくる相手が増えたこと、3betにコールされたあとの33%CBにフロートやレイズで対抗してくる人が増えたことがあると思います。
またBB vs SBについては2NLと5NLでだいぶ差がある気がします。
2NLではSBがチェックしたときに適当にBMCB打ってるだけでも割と利益が出てたのに対し、5NLではBMCBにかなり頻繁にコールやレイズが返ってきます。
レンジがワイド対ワイドかつOOPであるSBから適当にCBを打つのがよくないことだと理解してチェックレンジを強くしてる人がだいぶ多くなった印象です。
①3betしてコールされたときの成績が下がった理由
次に3betをしてコールされたときの成績。
まず直感で3betしてコールされてCBを打ったときの相手の対応がうまくなったからではないかと予想しました。
ってことで3betに対するCBがコールされる頻度、レイズされる頻度を調べてみました。
結果…
3betしてCBを打ったときにコールされる頻度:
2NL:58%、5NL:58%で変わらず
3betしてCBを打ったときにレイズされる頻度:
2NL:11%、5NL:12%でほぼ変わらず
うーん。ここが原因ではないぽい。
じゃあ、ということでCBを打ったときと打たなかったときの成績を比べてみます。
3betしてCBを打ったときの成績
3betしてCBを打たなかったときの成績
CBを打った時の成績
2NL:542bb/100、5NL:503bb/100(39bb/100ダウン)
CBを打たなかった時の成績
2NL:512bb/100、5NL:21bb/100(491bb/100ダウン)
これだ!!
ちなみにCBの頻度自体は
2NL:IPで55%、OOPで56%
5NL:IPで58%、OOPで60%
と5NLの方が上がってます。
それでもこれだけ成績が落ちるほどCBチェックしたときの成績が相当悪いってことですね。
ってことでチェックした時の成績を詳しく見てみます。
フロップがチェックチェックで回ったとき
フロップで相手にドンクないしBMCBを打たれたとき
フロップがチェックチェックで回ったとき
2NL:837bb/100、5NL:157bb/100(680bb/100ダウン)
フロップで相手にドンクないしBMCBを打たれたとき
2NL:-120bb/100、5NL:-271bb/100(151bb/100ダウン)
どちらも結構下がってるので両方検証します。
・チェックチェックで回ったとき
これはおそらく5NLのプレイヤーが2NLのプレイヤーよりアグレッシブなのでチェックで回したときにショウダウンに行ける確率が下がってしまったのかなーと予想。実際に調べてみました。
ショウダウンまで行った確率
2NL:190/374=51%、5NL:156/382=41%(10%ダウン)
予想通りの結果でした。
実戦でも私はAKやAQでチェックで回してショウダウンを目指すことをよくやってたんですが、5NLではターンかリバーで大きめのベットを打たれて降ろされることが多いなと感じてました。
次にターンでベット(ディレイドCB)を打った時と打たなかったときの成績を2NLと5NLで比べてみました。
ディレイドCBを打ったときの成績
ディレイドCBを打たなかったときの成績
ディレイドCBを打ったときの成績
2NL:1452bb/100、5NL:778bb/100(674bb/100ダウン)
ディレイドCBを打たなかったときの成績
2NL:622bb/100、5NL:-107bb/100(729bb/100ダウン)
どっちも超下がってる!
これはおそらく2NLのプレイヤーがターン以降のプレイ下手なのに対し、5NLのプレイヤーはそこそこできる奴が増えてるからではないかと思います。
2NLのプレイヤーはチェックレンジが弱いので適当にディレイドCBを打てば簡単に降りてくれることが多いのに対し、5NLのプレイヤーはチェックレンジが強い人がそこそこいて簡単には降ろせないイメージです。
・フロップで相手にドンクベットやBMCBを打たれたとき
次にフロップで打たれたとき。
まずベットに対する自分の対応を調べてみました。
2NL
チェックフォールド:42%
コール:54%
レイズ:5%
5NL
チェックフォールド:49%
コール:46%
チェックレイズ:5%
5NLの方がコール率が10%も下がってます。これは5NLのプレイヤーにベットサイズでかい人が多いのである意味仕方ないんですが…。
5NLのプレイヤーの中には相手のフロップチェックに対してチェックした弱いレンジならポットベットはコールできないだろうと読んでブラフでポットベットを打つプレイヤーが一定数いる気がします。
現にこのポットベットをコールすると大体そこでシャットダウンする人が多いですね。
ただこのポットベットが普通に強いハンドのパターンもあるのでやっかいです。
②3betにコールしたときの成績が下がった理由
次に3betにコールした時の成績が下がってる原因を検討します。
3betにコールしてCBを打たれたとき
3betにコールしてCBを打たれなかったとき
3betにコールしてCBを打たれたとき
2NL:-164bb/100、5NL:-343bb/100(179bb/100ダウン)
3betにコールしてCBを打たれなかったとき
2NL:100bb/100、5NL:184bb/100(84bb/100アップ)
CBを打たれたときが問題ですね。
3betにコールしてCBを打たれたときの対応を2NLと5NLで比較してみました。
2NL
フォールド:47%
コール:48%
レイズ:5.6%
5NL
フォールド:45%
コール:47%
レイズ:7.5%
うーん。5NLで少しレイズを増やしたこと以外はほぼ変わらないですね。
もう少し詳しく見てみます。
レイズは母数が少なくて比較してもいいデータが得られないのでコールをIPでのコールとOOPでのコールで分けて見たところ…
IPでのコール
2NL:239bb/100、5NL:236bb/100(3bb/100ダウン)
OOPでのコール
2NL:164bb/100、5NL:-568bb/100(732bb/100ダウン)
完全にOOPでCBにコールしたときの成績が悪い!!
具体的には主にEPからオープンしてIPに3betされたとき&COでオープンしてボタンにコールされたときのCBに対するコールですね。
OOPでのチェックコールはなかなか利益が出しにくいプレイなのでなるべくチェックコール以外の選択肢を検討したいところですね。
③プリフロレイズしたときの成績が下がった理由
最後にプリフロレイズしたときの成績。主に2betpotですね。
プリフロレイズしたときの成績ですがまずはどのポジションが下がってるかを見てみます。
BB、CO、UTGの下がり幅が大きいですね。これはポジション別の成績と同じです。
すでに書いた通り5NLは2NLと比べてUTGに対してもライト3を打つ人&BTN vs COで3betする人が増えたために下がってしまったものと思います。
BBのPFRは主に3betですが、ここが大きく下がってる理由は、5NLでは2NLと比べてSBやBTNからBBの3betに対してライト4betなどで適切に対応してくる人が増えたからだと思います。
ここから3betpotの時にやったのと同じように各アクション別に2NLと5NLの成績の差を詳しく見てみます。
フロップでCBを打ったときの成績(2betpot)
フロップでCBを打たなかったときの成績(2betpot)
フロップでCBを打ったときの成績(2betpot)
2NL:176bb/100、5NL:189bb/100(13bb/100アップ)
フロップでCBを打たなかったときの成績(2betpot)
2NL:40bb/100、5NL:13bb/100(27bb/100ダウン)
3betにコールされたときの感じと同じ傾向ですね。
ここから画像省略。
フロップがチェックチェックで回ったときの成績(2betpot)
2NL:125bb/100、5NL:45bb/100(80bb/100ダウン)
フロップがチェックチェックで回ったときにショウダウンに行く確率
2NL:908/8769=10.3%、5NL:731/8268=8.8%(1.5%ダウン)
フロップでドンクベットやBMCBを打たれたときの成績(2betpot)
2NL:-130bb/100、5NL:-176bb/100(46bb/100ダウン)
ターンでディレイドCBを打ったときの成績
2NL:333bb/100、5NL:255bb/100(78bb/100ダウン)
ターンでディレイドCBを打たなかったときの成績
2NL:54bb/100、5NL:33bb/100(21bb/100ダウン)
ターンでベットされたときの成績
2NL:-38bb/100、5NL:-61bb/100(23bb/100ダウン)
どれも下がってますが、特に大きいのは
・フロップがチェックチェックで回ったときの成績(-80bb/100)
・ターンでディレイドCBを打ったときの成績(-78bb/100)
ですね。
この2つが大きく下がってる理由はずばり相手のチェックレンジが強くなってて適当にディレイドCBを打つだけじゃ利益が出にくくなってるからだと思います。
・EPやCO vs BTNなどOOPなら相手がフロップチェックバックしたとき
・BTN vs BBなどIPなら相手が2回チェックしたとき
2NLだったらこの場面でエニハンでベットしても利益が出るんじゃないかってぐらい打ち得だったような気がします。
それが5NLでは強いハンドをチェックしてる人がそこそこいて、下手に打つと反撃喰らいます。
相手によってはフロップのチェックによってこちらのレンジがキャップされてることを知っててディレイドCBにブラフレイズしてくる人もいます。
3. 2NLと5NLの違い
ここまでの分析結果&実戦での経験から2NLと5NLの違いを簡単にまとめてみます。
プリフロップ
・3betが増えた
・スクイーズがかなり増えた
・レイト周りでライト4betが増えた
ポストフロップ
・SB vs BBのプレイのレベルが大幅に向上
・CBに対するレイズの増加
・チェックレンジが弱くない人が増えた
・アグレッシブな人が増え、チェックしてショウダウンに行ける機会が減った
・チェックでこちらのレンジがキャップされたときにブラフでのポットベットやオーバーベットで攻撃してくる人が増えた
・ターン以降のブラフでの大きなベットやレイズが増えた
・強いアクションに対して適切にフォールドできる人が増えた
つまり、一言で簡単に言うと5NLのプレイヤーは2NLのプレイヤーと比べてポストフロップのスキルが上がってる。
5NLではこのレベルの上がった相手に対して自分もそれ以上にレベルアップしなければレーキ以上の利益を出すのは難しいと思います。
4. 私が2NL勝ち組&5NLトントンから5NL勝ち組になるための課題
以上の分析結果を元に私が5NL勝ち組になるためにやるべきことを考えてみました。
プリフロップ
・UTGとCOのレンジを少しタイトに調節
・相手はフィッシュかレギュラーか、相手の3bet率/4bet率/5bet率などを見てオープンレンジや3betレンジ、4betレンジを調整するようにする
ポストフロップ
・BB vs SBのプレイをスノウィーなどを使って学習する
・BBディフェンス時にCBに対するチェックレイズを増やす
・BBからBTNやSBの3betに対して4betを増やす
・COからオープンしてBTNやブラインドに3betされたときのプレイをスノウィーなどを使って学習する
・OOPから3betにコールしたときにCBに対してなるべくコールよりもレイズ or フォールドで対抗する
・2betpot、3betpot共にプリフロレイザーでCBを打たなかったときのプレイ(ディレイドCBやターンセミブラフなど)を学習する
・チェックしてショウダウンに行けることが少ないのでターン以降のプレイをなるべくアグレッシブにする
前にやろうと思ってたのに挫折してたBBとCOのスノトレ、絶対やった方がいいですね。
課題は多いですが頑張ります!