8つのアルバイトをした話〈前編〉

大学の4年間、様々なバイトをしてきた。

"なんでそんなにバイトするの?"とよく聞かれたけれど、"お金をもらって、面白い体験ができる"からに尽きる。そんな私のバイト歴にはちょっと珍しいのもあるので、紹介していきたい。

①塾講師(集団授業)
大学1年の春から始めた、初バイト。
そしてなんだかんだ4年続けた私の本業でもある。(本業は学生、というのは置いといて。)
しかし、バイトにしてはハードすぎた。

他に関しても言えるのは、
社員と同じ仕事内容のバイトはきついということ。
仕事内容自体というよりは、お客さんからの目線。
塾は塾でも、個別というと大学生が講師をしているイメージがあるけれど、集団授業にはあまりない。
(もちろん個別が楽って話ではない。)
私が働いていた所も、ほとんど正社員か常勤の先生。

保護者も基本的に大学生とは思っていない分
(時たまバレてたけど)、求めるものも大きい。
授業以外に家への電話がけもあるため、その時に「面談してほしい」なんて言われた時には青ざめていた。(話はごまかせても見た目は…)

その反面、やりがいも大きかった。自分の授業が何十人の成績に影響すること、保護者に頼りにされることとか。ハイリスク&ハイリターンってわけね。

②蕎麦屋のホール
大学2年夏から3年の冬までお世話になっていた。
新宿の雑踏にある、手打ちそば屋。夜は飲み会か、そのシメで来るお客さんで常に賑わっていた。
しかも、年末〜大晦日はびっくりするくらい混む。
外に置いてあるビールを取りに、割烹着で新宿の街に出て行くのは何となく新鮮だったな。

③カフェのホール
蕎麦屋と同じビル&オーナーが経営するお店。
元はと言えばこちらのカフェに応募したのだが、なぜか初め蕎麦屋に連れて行かれ。

蕎麦屋で少し修業を積んだ後、念願叶って働けるに。でも一瞬で蕎麦屋に戻りたくなった。
いわゆる暇地獄。忙しいのも辛いけれど、時計を見ても1分しか経ってない絶望感もなかなかのもの。

④球場の売り子
タダで野球を観たい、キラキラしたい!と始めたビールの売り子。
しかし私が売ったのはビールではなく、チューハイ。
新人のほとんどはチューハイで、ビールはよく売れる人が担当するといった感じ。
あまり売れない私でも、夏や交流戦は人気者になった気分になれて楽しかった。
雨の日、足を滑らせて樽ごとひっくり返ったのも、今となっては良い思い出。

⑤パン工場のバイト
某有名パンメーカーの短期バイト。
工場は和菓子部門・洋菓子部門・ドーナツ部門に分かれていて、その日によって仕事場が変わるという意味で面白かった。
初日の洋菓子部門では、ひたすらケーキの型に紙を敷き続ける部署に配属。職員のおじさんと仲良くなって、失敗したケーキをもらってお腹を満たしていた。

次に配属された和菓子部門では、団子の味付け係に。機械から次々と出てくる丸められた団子に、ひたすらきな粉をまぶしていく。
なにを評価されたのか、その作業のリーダー的扱いになり、"きな粉を綺麗にまぶす技"を他のバイトに伝授していた。

最後は、ドーナツ部門。「ドーナツは洋菓子じゃ無いんですか?」と思っていたが、実際に配属されて分かったのは「ドーナツ=揚げもの類」ということ。
ベルトコンベアーに流れてきたカレーパンの形を整えたり、フライヤーに挟まってしまった揚げパンを長い棒で救出したり。始まる前に「ドーナツ部門はベルトコンベアーが速い」と聞いていたけど、本当に早かった。何度か整え損ねたカレーパンを見送ったっけ。

このバイトをすれば、コンビニで少々変形したパンとか見ても許せるようになる。
ただ、単純作業が苦手な人は発狂しそう。








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