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成功の落とし穴 (2022/8/4)

記事の長さはおよそ1,400文字。2〜3分程度で読めます。


独ZF、日本でEV参入
小型商用車、設計から受託

2022/8/3(水)日本経済新聞朝刊


記事のポイント

  • 自動車部品世界3位の独ZFが2026年にも日本で商用の電気自動車に参入する。

  • ZFの日本法人がEV事業の主体となり、配達の配送車などに使う積載量1〜2トンの小型トラックやバンを生産する。

  • ZFが基幹部品である車台を開発し、物流会社など顧客からの要望を反映して車体を設計する。生産は国内にある車体の組み立て企業に委託する。

  • 車載電池はモーターなど部品の調達もZFが担い、設計から生産まで一環した供給網を国内に築く。

  • 商用車のEVシフトは欧米や中国勢が先行する。

  • スウェーデンのボルボは中大型のEVトラックを中心に30年までに欧州販売の半数をEVにする。

  • 中国でも東風汽車集団系や上海汽車集団系などがEVの商用バンを市場に投入している。

  • 日本車大手は商用EVで出遅れている。

  • 日本では20万台弱のトラック市場のうち、積載量2㌧クラスの小型車が半分程度を占める。

  • 現在販売されている大手メーカーの小型商用EVは1車種のみで販売実績はほぼない

  • 物流会社では中国製商用車を採用する動きが広がる。


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こんなふうに考えた


私は昨日の投稿で、
日本車は国内でのシェアはまだ高いものの、
ブランド力は相当に弱くなったとお話ししました。

8/2の投稿へのリンク:


商用EVに関していえば、供給すらしていないんですね。

「ブランド力」以前の問題として、
購入の選択肢にも入れない状態でした。。。


日本の自動車市場はメーカー数が多く、
供給過多といわれていたのに、
なぜ商用EVは1車種しか供給されない
そんな状態になってしまったんでしょう?


商用EV市場に参入しない意思決定をしたのであれば、
各社の経営判断は尊重されるべきでしょう。
(是非はともかく)

しかし、「成功の落とし穴」にはまってしまい、
結果的に供給できていないのだとしたら問題ですよね。


かつて日本車は、
燃費のいいガソリンエンジンで世界を席巻しました。

アメリカで日本車の輸入が激増して、
怒ったアメリカ自動車メーカーの労働者が
日本車をハンマーで叩き壊すニュース映像なども流れていました。

覚えている方も多いのではないでしょうか。


クレイトン・クリステンセン教授が提唱した理論に、
「イノベーションのジレンマ」があります。
 
簡単にいえば、
「既存顧客のニーズを満たすために自社製品の改善に注力した結果、
 顧客の別のニーズに気付けず、新興企業に敗北する現象」
 
アマゾンへのリンク:


既存ガソリンエンジンの更なる燃費向上や、
既存技術を流用できるHV(ハイブリッド)に注力した結果、
別のニーズであるEV自動車市場に気づけず(重視せず)
中国や欧米のメーカーに奪われてしまったのかもしれません。

同日の日経新聞朝刊に
2030年までにイギリスでHVの販売が全面禁止された場合、
トヨタがイギリスでの生産からの撤退を示唆している
との記事もありました。

かつては”エコ”の象徴だったHV車にも逆風が吹いています。


「成功の落とし穴」にハマるのは企業に限りません。

過去の成功に固執することは、個人でも起こりうることです。

・定期的に自分自身を客観的に見つめ直す
・第三者から率直なフィードバックをもらう

こんな機会を設けて「穴」に落ちないようにしたいですね。



本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。


「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川



美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。