「優しさ」に満ちた「厳しい」世界 (2022/8/16)
記事の長さはおよそ1,500文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
新年を待たずに合格を決める「年内入試」が主流になり、受験生の3分の2が第一志望の大学に進む。
受験地獄といわれた入試環境が18歳人口の減少で激減し、偏差値で大学が序列化される時代が終わろうとしている。
大学が付属・系列校や指定校からの推薦などで入学者を年内に「囲い込む」動きが止まらない。その分、入学定員に占める一般入試の比率は減る。
教育情報サービスの大学通信によると22年春は早稲田大が56%で02年比16ポイント低下、慶応大も57%で同7ポイント下げた。
面接などで選考する総合型(旧AO)の増加も囲い込みを加速させる。
全国の大学でのAOと推薦による入学者は00年度に33.1%だったが、21年度は50.3%で初めて半数を超えた。私大は20ポイント増の約6割だ。
年内入試が主流になれば一般入試の難易度を示す偏差値は意味を失う。
明治維新後や敗戦後の「欧米に追いつけ追い越せ」だった時代は、必ずある正解に早く到達できる能力を競わせる一般入試が有効だった。
だが日本社会が成熟し、欧米のお手本に頼れない時代には、正解があるかどうかもわからない問題に取り組む力が重要になり、思考力や学習への意欲を多面的に評価する入試への転換が求められるようになった。
総合型の定着で状況は改善されたが、新たな課題も浮上した。
21年のベネッセ教育総合研究所の調べでは40%の学生は入学後に高校段階の補修を受けていた。
問われるのは入学後の教育。大学を標準年数で卒業する比率は17年で米国38%、フランス41%、英国72%、ドイツ80%。日本は93%で「卒業が簡単」と皮肉られてきた。
「社会や企業は求める人材像を明確に示し、大学は厳しい出口管理で学生を鍛えなければ日本の成長はない」
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こんなふうに考えた
「受験生の3分の2が第一志望の大学に進む」。
そんな時代になっているんですね。
私たちの時代は、第一志望を目指して深夜ラジオを聴きながら、
寝る間も惜しんで勉強!なんて時代でしたが。
学校を卒業して社会に出てからも、
いわゆる「働き方改革」で労働時間は短くなる一方です。
受験勉強もそこそこに、多くの人が志望校に入り、
社会に出てからも”ワークライフバランス”重視で
勤務時間はほどほど。
素晴らしい世界のようにも見えますね。
でも、本当にそうなんでしょうか?
私はどんなことでも、ある程度の知識や技術を身につけるには
「一定期間時間をかけて集中して取り組む」ことが必要だと考えています。
それをやらなければ、いつまでも未熟なままで
先行者に追いつけないばかりか、独り立ちもできません。
昔は学校でも会社でも、仕組みとして「やらさせる」時期がありました。
学校では受験の前とか、会社では若手の頃とか。
でも学校でも会社でも、
だんだんと「強制」されることは少なくなってきています。
もちろん体やメンタルを壊すほど「やらされる」のは論外ですが、
スキルを一定程度に引き上げるには、ある程度の時間がかかるのは
否定しようもない事実です。
私の場合は、受験勉強がイヤで時間をかけることができなかったので、
結果的にレベルアップせず、志望校には合格しませんでした(泣)。
「一定期間時間をかけて集中して取り組む」ことを強制されなくなった。
だからといって、成果を出さなくても良くなった訳ではありません。
成果主義が一般的になり、これまで以上に成果は求められます。
そんな状況のなかで成果を出せるのは、
生まれつき才能に溢れている人。
「やらされ」なくても、必要性を認識して自ら取り組む人。
だけになってしまう可能性があります。
社会の「優しさ」に身を任せて何もしなかった人は、
早晩「世界の現実」に直面する。
そんな今まで以上に「厳しい」世界になっていると感じます。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。