「つながりにくい」世界 (2022/7/15)
記事の長さはおよそ1,600文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
はじまりは「日常」の風景だった。
東京・多摩丘陵の一角にあるKDDI多摩第4ネットワークセンターで2日未明、通信機器の定期交換作業が進んでいた。日々、千件以上実施する定期的なメンテナンスの一環だ。
午前1時35分、監視センターの大画面モニターに異常を示すアラートが表示された。普段なら利用者に影響が及ぶ前に自動で正常化することが多い。だが今回は違う。通話の断絶が15分間続いた。
マニュアル通り交換前のルーターに戻して復旧を試みた。そこからトラブルが連鎖した。
通話断絶中に「待ち」状態になったスマホからの接続要求が殺到。交換機の処理が追いつかない輻輳が発生した。
致命的だったのは「障害が短期的にデーターベースに波及した」ことだ。
最初に輻輳が生じた交換機の他にも信号を過剰に発信していた交換機が複数あった。その交換機を通信網から切り離して「完全復旧」したのは5日午後3時36分。障害発生から86時間が過ぎていた。
影響を与えた恐れのある回線は最大で3915万回線。2021年にNTTドコモが起こした通信障害の約3倍に相当する。08年度以降で最大最長の通信障害となった可能性がある。影響は社会の隅々まで広がった。
「登山中に足を負傷した男性が助けを呼べない」「車のコネクテッドサービスが使えない」「バスの運行掲示板が表示されない」。暮らしや経済の現場が立ち往生した。
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「まる3日以上、携帯が使いづらい」
私はauユーザーではないので、実際に影響を受けることはありませんでしたが、困った方も多かったのではないでしょうか。
今回の件に接して、これまで「つながるのが当たり前」と思っていたものが、当たり前でなくなってきている状況が増えているな、という印象を強くしました。
◆「人」のつながり
コロナ禍以降、会社や学校の同僚や仲間はもちろんのこと、友人・知人であっても物理的につながることは難しくなりました。みなさんもご経験の通りですね。
◆「社会」のつながり
SNSで一般人でも自由に発言できる場ができたことにより、(根拠のあやしい)一方的な主張を連呼する人が増え、その主張に共感する人と反発する人でグループができてきています。
それぞれのグループ内でのつながりは強いものの、グループ外とのつながりはなく断絶している。
2021年にアメリカで起こった「合衆国議会議事堂襲撃事件」は象徴的ですね。
SNS(Social Networking Servise:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)という名称のサービスですが、結果的に社会全体のネットワーキングを弱めている可能性もありますね。
さらに、かつては「一億総中流」といわれた日本でも、経済格差が広がったことによって社会のつながりは弱まってきているように感じます。
◆「国」のつながり
コロナ禍に加え、米中の対立やウクライナ問題などによって世界の国同士のつながりが弱まっています。
安全保障上のリスクが高まったり、グローバルなサプライチェーン(供給網)に悪影響が出てインフレが強まったりしていますね。
1991年のソビエト連邦崩壊や90年代後半からのインターネットの普及などにより、世界は
「いつでも・どこでも・誰とでも、気軽に、安くつながるのが当たり前」
を前提として仕組みが構築されてきました。
ところが、ここに来てその前提の一部にほころびが見え始めています。
将来的につながりがさらに弱まっていく可能性もありますし、
逆につながりが再度強まる可能性もあるでしょう。
みなさんはどんな方向性を考えますか?
それにどのように対処しますか?
追伸
あなたの主張も一方的では?と言われれば、まったくその通りです(笑)
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川