“大人の学び”での”先生”の役割「関係性」
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前回の振り返り
前回の投稿で”大人の学び”の”先生”について、
こんなお話しをしました。
主体的な学びがうまくいくようにサポートすることが役割
「自分でやるのが上手な人」より
「相手にうまくなってもらうことが上手な人」がいい
そして、「関係性」「やり方」の観点から
求められる特徴をリストアップしました。
前回のリンク:
今回は、リストアップした特徴の項目について詳しくみていきます。
【再掲】”大人の学び”での”先生”の特徴
関係性
まずは学ぶ側と伝える・教える側の関係性についてです。
◉ 「対等」な関係性
大切なことなので何度も繰り返しますが、
”大人の学び”は、幸せな人生を過ごすために
「答え」のないものを主体的に学ぶものであり、
その学びがうまくいくようにサポートするのが”先生”の役割です。
知らないこと教える役割ではないし、
やりたくないことを強制的にやらせる役割でもありません。
両者の間の年齢差も関係ありませんし、
実際に学ぼうとしていることについてどちらが上手かも関係ありません。
(野球の大谷選手とコーチの関係性と同じです)
あくまでも「学ぶ側」と「支援する側」という役割の違いなので、
「上下関係」ではなく「対等な関係性」になります。
上下の関係であれば、
仮に”先生”がおかしなことを言っていても指摘するのは憚られるでしょう。
でも対等な関係であれば、そんな遠慮は必要ありません。
お互いにとって学びがより良いものになるように、
双方でフィードバックし合える関係性が維持されていることが大切ですね。
◉ 「親しみやすさ」
”大人の学び”では、
対話から気づきを得ることが大切です。
対話を通じて他の人の経験を自分ごととして考え、
そこから学びを得るのです。
そのためには、”先生”には”学ぶ人”が疑問を感じたときに
遠慮なく質問・相談できる「親しみやすさ」が必要です。
”エラい先生”を装って威厳を保とうとすると、
学ぶ側と距離ができて気楽に相談できなくなります。
「質問されたときに、答えられなかったらどうしよう!」
と心配で質問を拒否する方もいます。
その気持ちもわかりますが、
そもそも”大人の学び”は「答え」のないことを学んでいるのですから、
”先生”だとしても知らないことがあっても当然です。
むしろ知らないことは知らないと正直に話すことで
「親しみ」も増すのではないでしょうか。
※あまりに知らないことばかりだと、
「信頼」を得られなくなりますが・・・。
◉ 「信頼」
信頼は対等な関係性の中で生まれます。
一方で「尊敬」は上下の関係性から生じるものです。
一方が他方を尊敬する。その逆はありません。
それに対して「信頼」は双方向のものです。
AがBを信頼し、BもAを信頼する。
対等な関係性が求められる”大人の学び”の”先生”には、
「あの人はすごいんだ」という「尊敬」を集めようとするのではなく、
「あの人は頼りになる」という信頼を得るように努めることが大切ですね。
今回のまとめ
”大人の学び”は、あくまでも学ぶ側が主役。
”先生”の役割は、主体的な学びがうまくいくように支援すること。
「上下」ではなく「対等」な関係性が築けるように、
「威厳より親しみやすさ」や「尊敬より信頼」を意識する。
次回のテーマ
次回は、”大人の学び”での”先生”の特徴のうち
「やり方」についてみていきます。
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ディアログ合同会社 小川剛司(つよし)
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」