リスキリングを阻むもうひとつの原因 (2022/8/18)
記事の長さはおよそ1,700文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
大学入試での総合型・推薦型選抜が拡大する中、志望理由書の書き方講座などを提供する塾・予備校が急増した。
入試の変化に巧みに適応する塾。
学校と並行して塾に通う「ダブルスクール社会」はポスト偏差値の時代も変わらない。
高校の教室で予備校の講師が教える「校内予備校」が公立私立を問わず増加中。
リソー教育は子会社が82校に講師らを派遣。以前は中堅校が多かったが上位校の導入例も出始めた。
高校の進路指導は既に塾が提供する模擬試験や合否予想のデータなしには成り立たない。
日本の学習塾予備校市場は1兆円弱の規模を維持しているが少子化で将来は不透明。
進学情報、放課後補習などへの学校の需要は塾にとっても命綱で、営業攻勢を強める。
進路指導は生徒と日常的に接し、学力も性格も知る教員の仕事のはず。安易な外注化が進めば学校の必要性が揺らぐ。
連携協働の時代だからこそ、学校は自らが責任を負う範囲を主体的に決めなくてはならない。
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こんなふうに考えた
授業や進路指導への予備校の活用が進み、
学校の存在意義を問われるようになっています。
私は8/9の投稿で、
本当に不足しているのは「プロ人材」ではないかと問題提起しました。
8/9投稿へのリンク:
「プロ人材」という面からいえば、
学校の先生は何のプロなのでしょうか?
現在の学校の先生は、授業で教えるだけでなく、
進路指導や部活の顧問、果ては生活指導まで、
とても幅広い仕事を担当されています。
そのうちのどれに「プロ」とよべるスキルがあるのでしょうか。
いちばん中心となる「教える」ことに関しても、
「校内予備校」が進んでいることからもわかるように、
予備校の先生の方が「プロ」であることが多いように思います。
「プロ不在」は、教育現場に限ったことではなく、
日本全体に共通の課題だと思っています。
そして学校の先生が「教えるプロ」ではないことが、
大人になってからも悪影響を及ぼしているのではないか
と最近の体験を通じて感じるようになりました。
私は8月の初旬まで数回にわたってある研修を受けていたのですが、
多くの講師の方の教え方が、まるで昔の学校のようでした。
先生(講師)が一方的に話し、ほとんど質問も受け付けない。
ホワイトボード横の席で資料の説明をするだけ。
知識を伝えることが目的で話し方も単調。
皆さんも、1度や2度は同じような研修を受けたことがあるのではないでしょうか?
ある程度の知識も経験もある大人を対象にした研修として、
このやり方はどうなのかなと感じました。
ただよくよく考えてみると、講師の先生方もこれまでの人生の中で、
一方的で受身の授業しか受けたことがないので他の方法を知らない。
そして受ける方はこんな研修(授業)しか受けたことがないので、
研修(学び)=つまらないものという固定概念ができあがる。
そんな中で「リスキリング」の掛け声のもと、
突然新しい知識を学べといわれても、
研修を受ける方は、
楽しい研修、効果的な学びをしたことがないので、
積極的に学びたいと思わない。
受けさせる方(上司)も、
忙しい業務を離れてまで喜んで部下を研修に送り出す気になれない。
しかも終身雇用で学ばなくてもクビにはならないので、
できるだけ後回し、先送りしてやらずに済ませようとする。
学ばない原因は一義的には「学ぶ側」にあると思いますが、
学校時代から含めて、「学びは楽しい」という体験をしてもらう
工夫をしてこなかった「教える側」の責任も大きいように思います。
火の灯った人を増やさない限り、
リスキリングも進まない気がします。
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川
美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。