【vol.3 エレファントカシマシ】母、ビートルズは聴かない。
どうも。DEARGRAMです。
小春日和ですね。北海道なので雪もまだぱらっと降ったりしますが暖かくて晴れると実家に帰りたいなぁなんて思ったりして。
私、母が大好きなんですよ。
5年前くらいだったか、母が手術を受けることになって。実家を離れていたのと自分もまだ24歳くらいで「まぁ、お母さんのことだし大丈夫でしょ。」くらいに普通に仕事して。ただ、父と兄は母がいないと死んじゃうので、いつも連絡もよこさない兄もお見舞いにビートルズのCDを持って行ったりしたらしい。別に、母はビートルズは好きじゃない。
母は、専業主婦で父は18歳の頃から同じ会社で働いている。父の一目惚れだったらしい。学校から帰れば母は家にいるし毎晩美味しい晩御飯を食べた。
手術のためにぽっちゃり体型をホッソリ体型にすべく運動し、大好きだったビールもタバコも一時的にやめた。普段、そこそこ平和に暮らす母にとって一大事件だったと思う。手術の前に、いつものように家にいるときにふとテレビからこの曲が流れた。
CMソングで流れたこの曲を聴いて母は驚いた。「これって、あの髪くしゃくしゃしてる人が歌ってるの!?」
母の記憶では、HEY!HEY!HEY!とかに出てた頃のミヤジをうっすら知ってるレベルで、なんか不気味〜という印象だったのにこの素晴らしい曲を聴いて本当に感動したみたいで、それからの母は狂ったようにエレファントカシマシのCDを買い全曲聴き通し、手術に挑んだ。
私と、エレファントカシマシの出会いはちょうど実家を出るときで高校を卒業して札幌へ移り、新生活が始まる。自動車学校へ泣きながら通っていた。とにかく、教官が怖くて怖くてぬるく学校生活を送っていた私には到底耐えられるものではなく「なんでできないんだ!」「こんなんじゃ、事故る!」とか言われて・・・。長引く長引く。
このままでは、これから私は社会にでられない。
自分で自覚していた。今の今まで逃げ続けて生きてきたからがんばらなくちゃ!と。誕生日に買ってもらったipodで自動車学校に行く前に聴いてたのがこの曲だった。
不器用にこの日々をきっと戦っていることだろう
無事に免許もとれて、専門学校へ通い社会人になったとき。
ひたすら頑張っても頑張っても実らない自分の力にやるせなさを覚えるときはコレ。
俺もまた輝くだろう今宵の月のように
しみる。しみる。川のそばに住んでいたから、夏の夜ねビール片手に持って聴くんですよ。
母と私は、一緒に住んでいない間にエレファントカシマシによって支えられ頑張って生きている。今も。
そして、母のリクエストで自身の結婚式ではこの曲を流して誰よりも喜んでいた。お母さん。
出会った頃二人の胸を ときめかせたあの不思議なメロディー
ずっと、家族のためだけに尽くしてきたお母さん。自分は一体なんだろう?と自問自答を何度もしてきた。働ける私が羨ましいと今でも言う。
チケットなんかいらない行き先は自由
結婚をして、まだ子供は授かってはないけれど母と同じ「主婦」の立場になったことでより一層、母のことが大好きになった。
私は、今年30歳で母は56歳。もうお互い、くだらねぇとつぶやいて俺もまだやれるなんてひたってる時期は終わった。
神様俺は今人生のどのあたり