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秘境 大杉谷渓谷を越えて蓮ノ空に会いに行こう!
蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん、こんにちは。
蓮ノ空2nd Live Tour 〜Blooming with ○○○〜、とても良いライブでしたね。私はシュガーメルトの「花帆が〜?」「大好き♡」で気を失いかけました。日野下花帆は恐ろしい女です。
兵庫公演に参加する際、以前から訪れてみたかった大杉谷渓谷を経由して行きました。その山行について書きたいと思います。
1 大杉谷渓谷について
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大杉谷渓谷は、三重県を流れる宮川の最上流部、多気郡大台町の奈良県との境に位置します。吉野熊野国立公園内にあり、日本三大渓谷のひとつにも数えられています。
渓谷に沿って奈良県の大台ヶ原まで登山道が整備されており、7つの滝と11の吊り橋、エメラルドグリーンの沢や苔むした深い森、屋久島と並ぶ日本屈指の降水量が作り出した渓谷美は、まさに”秘境”と呼ぶに相応しい神秘の地です。
2 大杉谷へのアクセス
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①自家用車
県道53号が登山口まで伸びているので、自家用車を利用して登山口まで直接アクセスすることができます。登山口脇に30台ほどの駐車場がありますが、ハイシーズンは混雑するようです。
②登山バス
エス・パール交通が道の駅 奥伊勢おおだいから登山口までのバスを運行しています。大台ヶ原まで通り抜るコースならこちらを利用するのが一般的でしょう。
道の駅 奥伊勢おおだいはJR三瀬谷駅から徒歩10分ほどです。
完全予約制で料金は片道4000円ですが、最小催行人数の10名を下回ると欠便となります。
③大台町コミュニティバス
JR三瀬谷駅から大杉バス停まで走っている町営のバスです。大杉バス停は登山口から約10km手前にあるので、登山口まで舗装路を2時間半ほど歩くことになります。料金は全区間一律300円。
①、②のいずれの方法も使えない場合や費用を抑えたい人向けの最終手段です。
3 計画作成
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東京を出発し三重県側から入山、大杉谷渓谷を遡り大台ヶ原を越えて奈良県へ抜け、蓮ノ空が待つ兵庫を目指します。
私が訪れた5/16は、早々に登山バスの欠便が決まっていたので、③の大台町コミュニティバスを利用することにしました。
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7:45三瀬谷駅発。名古屋からの始発でも間に合わないこのバスに、まして東京から乗り継ぎできる、そんな都合の良い乗り物なんてあるのでしょうか…?
あ る ん で す。
その名も西武バス 南紀勝浦線。
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5:17着の大台町というのが、三瀬谷駅から徒歩10分ほどにある降車場です。おそらく、東京方面から乗り継ぎできる唯一のルートではないでしょうか。
このルートを見つけ出した時は、梢センパイが初めて花帆ちゃんを呼び捨てにした時並の衝撃が走りました。
最大の難関である登山口までのアクセスを突破できたので、大杉谷渓谷〜大台ヶ原の計画はスタンダードなものです。エリア全域がテント泊禁止になっており、ルート半ばにある山小屋に宿泊する一泊2日の行程が一般的です。
鎖場の多い中級者向けの登山道であり、また日本最大の多雨地帯でもあるので、訪れる際は十分な準備をして臨んでください。
大台ヶ原からは橿原方面へ奈良交通バスが運行しています。
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4 いざ、大杉谷渓谷へ
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5/16 8:45 夜行バスと町営バスを乗り継ぎ、大杉バス停へ降り立ちました。すぐそばに大杉谷登山センターがあるので、ここで入山協力金1000円を支払います。
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センターの係員の方がとても親切で、登山口への道のりを丁寧に教えてくれました。雨予報も見事にはずれ、気持ちの良いスタートですね。
ここから登山口へは舗装路約10kmをひたすら歩きます。六十尋滝などちょっとした見どころはありました。
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11:02 登山口到着。ここから本格的に登山道に入って行きます。
鎖場と濡れた岩場の連続で、噂どおり気の抜けない山道でしたが、崖上から見下ろす川の水が本当に綺麗で、まさに”秘境“という趣きです。
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大杉谷歩きの醍醐味である滝は、初日は千尋滝とニコニコ滝を見ることができます。千尋滝は大杉谷最大の落差を誇るとても迫力のある滝でしたが、写真を撮り損ねてしまったようです…。
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吊り橋も数えきれないほど渡りました。
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初日最大の見どころ、シシ淵。そびえ立つ絶壁と合間を抜ける清流、その奥に佇む滝。光と影のコントラスト。まさに絶景です。
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15:06 この日の宿となる桃ノ木小屋に到着。
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峡谷沿いに建ち、室内まで川音が聞こえてくる風光明媚な山小屋です。まだ本格シーズン前のせいか大部屋の利用客は4人しかおらず、快適に過ごせました。
お風呂もあります。
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消灯までの時間潰しに、ひーちゃんがせーはすで紹介していた本を持っていきましたが、面白くて一気に読んでしまいました。
夜は気温が下がり、ライトダウンを着たまま就寝しました。
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5/17 6:15 桃ノ木小屋出発。
前日に続き渓谷沿いを進みます。2日目は七ツ釜滝、光滝、隠滝、与八郎滝、堂倉滝がお見えします。
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途中、2004年の台風が作り出した新しいスポット、崩壊地が風景を一変させます。大岩をよじ登っていくルートは、別の山にワープしたかのような感覚になりました。
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広い滝壺がダイナミックな絶景をつくる堂倉滝。ここが大杉谷渓谷の最上流部です。
楽しかった渓谷エリアが終わり、この先は山岳エリアへと入っていきます。
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景色が山中へと変わり、大台ヶ原へ向けてどんどん標高を上げて行きます。この辺りから大台山系の多種多様な花が見られるようになってきました。
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野生のキツネにも遭遇。
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11:45 大台ヶ原の最高峰、日出ヶ岳山頂に到着。
大台ヶ原は、日出ヶ山を含んだ台地状の山地の総称です。日出ヶ岳は日本百名山にも数えられており、開放的な山頂からの眺めは素晴らしいものでした。
駐車場から1時間ほどで登ることができる為、多くのハイキング客で賑わっていました。
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13:20 大台ヶ原バス停到着。
予定よりも早い下山となり、もう少し大台ヶ原を散策できる時間はあったのですが、足がクタクタだったので隣接するビジターセンターや土産物屋などを見てバスまでの時間を過ごしました。
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16:00 橿原方面行きのバスに乗り込み、2日間にわたる大杉谷渓谷〜大台ヶ原登山終了です。
大和八木駅で降車し、そこから神戸に向かっても夜までには到着することができますが、大和八木で安い宿を見つけたのでそのまま宿泊しました。
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翌日、少しだけ奈良観光を楽しみ、ゴールとなる神戸へ向かいました。
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大杉谷渓谷は前々から行きたかった場所でしたが、そのアクセス難易度の高さからなかなか実行に移せずにいました。今回、蓮ノ空の関西ライブに便乗する形で思い切って訪れることができ、想像していた以上に素晴らしい所で、とても良い体験になりました。
また、大杉谷は雨の多い山域ですが、当日は驚くような晴天で、踏み出すきっかけと最高のロケーションに巡り合わせてくれた蓮ノ空に、改めて感謝したいです。
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