「チュートリアル燃え尽き症候群」からの脱却法
初めまして、まきまきです。
普段は機械設計の仕事してて、趣味で3DCGとか作ってます。
これはマエデ(前田デザイン室)のみんなでやっているアドベントカレンダーでの僕担当の記事になります。
まず「チュートリアル燃え尽き症候群」とは何だよと
こんな経験は無いだろうか?
「楽しそう!やってみたい!」と思って、ソフトをインストールして、チュートリアルをやって楽しい!次はこのチュートリアルやろう!今度はこのチュートリアル!…
次第にチュートリアルをやる事が手段ではなく、目的になっていき
いざ自分で好きなものを作ろうと思っても、上手くいかない
そのうちに最初に抱いていた
自分の中の「やってみたい!」という
初期衝動が燃え尽きてしまって
挫折してしまう現象を
「チュートリアル燃え尽き症候群」
と勝手に名付けました
もちろん僕も経験あります
僕はチュートリアルがやりたかっただけなのか?自分の好きなものが作りたかったのじゃないか?
先に誤解の無いように書いておくが
この記事はチュートリアルを否定したいわけではないです!全チュートリアル作成者の皆様、貴重なお時間を使い、わかりやすく動画にしてくださり、本当にありがとうございます!いつも勉強になります!
この記事では主に3DCGソフトBlenderを題材にするが、具体的な手法には触れず、持つべき意識と制作の流れを抽象的に書くので色んな物事に応用が利くと思う
この記事では
何かを学習する上で「やってみたい!」という初期衝動が燃え尽きる前に自走できるレベルまで到達する為のコツ
が伝わればいいなと思う
では
「チュートリアル症候群」からの脱却法
の解説を始める
1.そのソフトで何が作れるかを知る
そのソフトは何が得意で、他のソフトとの違いはなんだろうか、しかしソフトを触ってみないとよくわからない
なので、ここではSNSでチュートリアルやアドオンを紹介している人をフォローして、自分の好きな表現を片っ端からメモ、ブックマークする(英語のチュートリアルでも関係なく全て)
ここで重要なのは、まだチュートリアルをやらない事、世の中には一生かかっても終わらないほどのチュートリアルがあるので、自走できるようになる前に燃え尽きてしまう
ここでは、このチュートリアル、アドオンを使うとこんな事ができるのかという、アイデアの引き出しをひたすら増やす事が目的だ
2.自分の好きなものを洗い出す
何よりも大事なのは自分の中の初期衝動を具現化する対象「これが作りたい!」というものを決める
まずはチュートリアル以外でゼロから作るもの決める、初期段階での目標をまず先に決めるのだ、ちなみに僕はドラゴンが好きだ
自分が昔好きだったゲーム、アニメのキャラクター、モチーフ、シーンをできる限り洗い出す
ポイントは
・多方向から描かれたイラストや3Dモデル、公式の資料が多いものだと見本が多く作りやすい
・自分の記憶が濃いものだと、途中で造形の微妙な歪みに気付ける
・完成した時に自分のテンションが上がるもの
そう、僕はドラゴンが好きだ
3.ソフトをインストールする
ここで初めてソフトをインストールする
Blenderが無料なのは、とても素晴らしく感謝すべきだが、無料なのでコスト意識がゼロで気軽に始められることが、逆に学習の弊害になっていると思う
何かを学習する上で「やってみたい!」という初期衝動が燃え尽きる前に自走できるレベルまで到達する事が重要なので
ソフトをインストールして触った瞬間から、この初期衝動は燃え始め、カウントダウンが始まり、これがゼロになったら挫折してしまう
なので、「自分の好きな表現のチュートリアルを集めた説明書」と「これが作りたい!という目標」を持ってからインストールすることで、スタートダッシュできる
4.基本操作「だけ」覚える
こんな経験は無いだろうか?
まずはチュートリアルから始めて、何個か作ってみたら、とても楽しく、なんとなく基礎本操作はわかってきた
いざ「自分の好きなものを作ってみよう」となっても、ちょっとした操作がわからず、心が折れてしまう
「まだ早いのか、もっとチュートリアルをやらないと」
確かにそうだが、闇雲にオススメに出てきた動画やSNSで見た動画をやり続けていないか
自走できるようになるためにはできるだけ早く、初期衝動が燃え尽きる前に「自分の好きなもの」を完成させなければならない
この段階では5個くらいチュートリアルをやって、基本操作などがわかれば、それで大丈夫
5.自主制作のためのチュートリアルをやる
ここからは自分の好きなものを作っていく
ところが基本操作をある程度覚え、いざ自分の好きなものを作ろうとしても、細かい造形、表現をどう作ればいいかわからない
でも最初の章「そのソフトで何ができるかを知る」で引き出しにしまってきたチュートリアルという宝の山があるはずだ!
そこから使えそうなテクニックを探しまくる
なければ自分の作りたい造形、表現を因数分解して、直接的な言葉や世の中の似ているモノ、現象で日本語と英語で検索しまくる
英語のチュートリアルは最初とっつきにくいが、慣れてくれば画面で同じUIを触ってると意外とわかる
しかし翻訳機能の日本語字幕を目で全て追いながら作業をするのはとても疲れる
そこで「CaptionSpeaker」を使う
YouTubeを翻訳した字幕をリアルタイムで読み上げてくれるのだ!耳で聞きつつ作業できるのでめちゃくちゃ便利!
細かいコツはあるけど、オススメは読み上げは最速で、元の動画を0.75倍にすると、読み上げが追いつかず、ぶつ切りになることが少ない
とにかく、これで大体の英語のチュートリアルはいける、日本語チュートリアルはわかりやすくて便利だが
やはり英語圏のほうが圧倒的にチュートリアルの母数多いので苦手意識無しで検索しまくって欲しい
そして自主制作で使えそうなテクニックのチュートリアルを何個かやる
6.チュートリアルを改変し、自主制作を完成させる
そして何個の完成したチュートリアル作品群を
改変して、変形してガッチャンコしていき
ついに
ドドン! (光り輝く自主制作物)
(フルコンボだ、ドン)
本当にそれだけ!
足りなければ、さらに適したチュートリアルを探そう!
7.SNSで公開する
良いもの作れたら、やっぱり誰かに見て欲しいよね、わかる
でも僕はSNSが得意ではないので、得意な人に聞いてくれ
写真より動画のほうがいいとか、複数のハッシュタグは良くないとか、URL付きは良くないとか、もう知らん
これが俺の作品だ!ってUPするだけで誰かが見てくれる…はず
8.そして、これら繰り返した末に
こんな流れで繰り返して3つくらい自分の好きなものを作れるようになった頃には
ソフトの事も少しわかるようになっていると思う
そして、これから制作のブランクが半年〜1年あこうが以外と操作方法は覚えている
なぜなら、自分で何度も悩みながら作品を作ってきたから、自然とスキルが身についている
成功体験を重ねたことにより、三日坊主になった、挫折したなんて意識とはオサラバだ!
もうあなたは一人で走っていける!!
ところで、僕自身も3DCGのほんの一部しか扱えていない、やれる事が多すぎて、常に知らない知識との格闘だ
それとBlenderはただのモデリングソフトではなく、3DCGの統合型のソフトなので、本当に何でもできる(もちろん、他の特化型のソフトやゲームエンジンを組み合わせるとさらにできることは増える)
そして、世の中には無料のモデル、テクスチャ(金属、木、床など)、HDRI(背景みたいな)などの3Dアセットがたくさんあるので
それらを3D空間に配置して、ライティングして、カメラを使って、静止画を作るだけでめちゃくちゃ楽しいし、モデリングより簡単で満足度が高いのでオススメ(需要があれば、マエデでやろうかな)
ただ簡単だけど奥が深すぎるし、クオリティの振り幅がすごいので、沼ります…笑
そして、最後に
この記事を全部読んでくれたあなたの中の「やってみたい!」という初期衝動が燃え尽きる前に自走できるレベルまで到達する事ができたら光栄だ!健闘を祈る!
番外編1.作品群
せっかくなので、今まで作ったものの一部を公開するよ!
「もくもくしたダチョウのような鳥(名前はまだ未公開)」オリジナル
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ダチョウのような鳥の3DCGを
noteに埋め込んでみたので下のRunPenクリックして動かしてみて!マテリアルとライティングの情報いれる時間なかったのでテカテカだけど!笑
以下は動画!リンク先にキャプション(解説)あるよ!龍頭芋のキャプション個人的にお気に入りだよ!
やっぱりドラゴンが好き
番外編2.コミュニティに入り、作りまくれ
改めて紹介するが、この記事は僕が所属する
オンラインコミュニティ「マエデ」のアドベントカレンダーである
コミュニティ内では、常にプロジェクトが動いており、自主制作でなくても、やる事が無数にあるので
何やればいいか分からないと言わず
勝手にどんどん3DCGで作っていけば、経験にもなるし、反応ももらえて嬉しい!
ちなみにジャンル違いのコミュニティであればあるほど、競争率が低く、チャンスが多くオススメ!
マエデはグラフィックデザイナー、Webデザイナーの人が多いので、3DCGとか動画制作の人は少なく、実は穴場!
マエデに限らず、何かしらのオンラインコミュニティで作りまくることをオススメする!
てか普通にめちゃくちゃ楽しい!コミュニティ内の雰囲気は他の人の記事を見るとたぶんわかるよ!こちらです!
最後に次回のマエデ内のプロジェクトである
「サイコロステーキのサイコロ」
の3DCGを勝手に作ったので
(本当に誰にも言ってない)
それを公開して終わろうと思う!
ありがとうございました!!
※音あり
追記(独り言)
本当はマエボン3の幻のショートフィルム
「サイバーウンチ」
の解説記事にしようかと一瞬悩んだけど
まぁ資料揃える時間無いから、諦めたよね
だから、いつかメタバースにサイバーウンチのロケーション全部持ってって、みんなでVR空間内でスタジオツアーみたいの開催して解説しようと思うんだ
その時は来場者全員にサイバーウンチのARプレゼントするよ
あと勝手に作るシリーズの未公開作品で「ピマズンファンタジー(予告編)」もあるよ、未完成だから誰にも言ってないよ、そのうち作るよ
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