幻想って救済


幻想

尾崎匠海くんが作詞作曲した楽曲が投稿された。
感じた衝撃が強すぎて正直いまだに受け止めきれていないけど、この嵐のような気持ちをあえて忘れないように、ぐちゃぐちゃなままでも残しておきたくて書く。整ってしまう前に書く。
(読みやすさのかけらもないし好き勝手な想像ばかりになってしまった)


21:05ごろ、公開から少し遅れてTVを付けてYoutubeを開いてまず曲の長さに驚いた。少し長いと思った。深呼吸をして動画を再生した。
ティーザーからも感じられたけど邦画のような質感の映像で匠海くんが好んで観る映像作品の雰囲気を感じて動悸がした。題しか知らずに開いた動画だったけど、きっと匠海くんが作った楽曲なんだろうと察していたからこの人の世界を覗くんだという緊張で動悸がした。


1回目の再生中に感じた気持ちは「苦しい」だった。匠海くんの声、表情、仕草、切り取られた景色、楽器の音、メロディ、無音の時間、全部から色んなことが伝わってきて処理し切れなくて苦しかった。それと、匠海くんが作った楽曲だと察していたから歌詞のひとつひとつを溢さないように必死に食らいついているのに匠海くんの顔があまりにも綺麗で気が散って敵わなかったので(ごめん)1番の途中くらいから目を瞑って聴いた。
テレビの前に座っていただけなのに息が切れて苦しかった。


それ以降は目を瞑って歌声だけに集中したり、逆に映像の全部を見落とさないように画面にかぶりついたり、歌詞の文字起こしをして読んだり、インストにだけ耳を凝らしたりして何度も再生した。匠海くんがくれたものをできるだけ全部感じ取りたかった。

(ここからの歌詞は自分が聴き取ったものを文字に起こして載せているので間違っていたらすみません。何かあればしれっと直します)


今日もひと息 いつの間にかを繰り返し
楽しいことさえも気づかないうちに

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想

0:00
イントロがなくカランとグラスの氷が鳴り、液体が注がれるような音とともに歌い出したのが、1杯のドリンクをお供に語り出すようだと思った。匠海くんがわたしたちに伝えようとしてくれている言葉が始まった、と思った。

ベッドに横たわって窓の外をぼうっと眺めている匠海くん。表情は横顔しか見えないけど瞼と頬の脱力感から心がここにないことが伝わって苦しい。
「繰り返し」のような息を含んだような歌い方がこの曲の世界観を深くしていると感じた。
忙殺されて、心が躍ることもない日々のこと。



本音がどこにあるかも分からなくて
辛い感情をさよなら

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


0:13
自分自身の本当の気持ちや希望がわからないから、この辛いという気持ちもきっと本音じゃないんだろう、気のせいだろう、見ないふりしようということかな。

「本音がどこに」のリズムが何かが思考に引っかかったままで発している台詞のように感じた。「どこに」の裏声が柔らかくて少し間違えたら崩れてしまいそうな日常の繊細さを表しているようだった。「辛い感情」をつらいかんじょう、と発音しているのがまるで括弧で閉じた単語のようで自分自身と切り離している、切り離したいように感じた。



全て満たしたいわけではない
少しの優しさ 希望 それで十分で

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


0:25
ここの解釈って別れてくるところだと思うけど、匠海くん自身が満たされたいなんて欲張らないから少しの優しさや希望が欲しいだけ、もしくは匠海くんからMINIへ 自分にあなたの全てを満たす力があるとは思っていないけど少しでも優しさや希望を見出してくれたらそれでいい、のどちらかだと読み取る。(どちらも間違いではないと思う)

匠海くんの現実的な部分、多くのものを欲張らない謙虚さ、自分の実力を過大評価しないところ(むしろ過小評価してしまうところ)を感じる。
後者の解釈で進める。わたしからしたら匠海くんの存在や日々くれる言葉がどれだけ大きな糧になっているのか、わかっていないんだ!と思ってしまった。匠海くんの、起きたら二度寝はしないでご飯を作って食べて有意義な朝の時間を過ごして、仕事を終えたら自分の心が喜ぶ好きな食べ物を食べて、帰宅してキャンドルに火を灯してお気に入りのインテリアに囲まれてリラックスして、シャワーをして湯船に浸かったり浸からなかったりして、早めに眠るといった真っ直ぐでも気張らない生活にどれだけ律してもらってるか。匠海くんの存在や匠海くんに恥じないような人でありたいという気持ちから、言葉では表し切れない前向きな意識、希望をもらう日々なのに。


あなたと会えるこの瞬間は当たり前ではない
この光景を大切に心にしまっていたい
あなたにどんな事があっても僕は君の味方だから
今は一緒にいよう

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


0:38
あなた、ってMINIのことだ。そうよね。
「会う」という表現を使ってくれることに胸がいっぱいになった。アイドルでアーティストである匠海くんからわたしたち大勢に向かって「会う」という言葉が使われるなんて、現実的で線引きがはっきりしているように見える匠海くんからの言葉だなんて少し信じられない。
いつ何があるかわからない。この先の保証は一切ない。お互いにそうで、そんな中で出会えたわたしたちの姿をその宝箱に大切にしまってもらえて苦しい。
実際その価値があるからしまってくれるのか、そういう言葉がわたしたちを励ますと知っているから言ってくれたのか。前者とする。

部屋の一角やベッドの上で伏し目がちに、優しい歌声で歌われる1番のサビは、匠海くんの心の中からまだほんの少しだけ引き出した感情を見せてくれたように感じた。
この「今は」には現実的な期間としての線引きだけじゃなくて匠海くんからの謙虚さ臆病さみたいなのも込められていたりするんだろうか。

「あっても」の伸びが綺麗で心地良い。


素直になるのってこんなに難しかったのかな?
自分って本当は一体どんな人?

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想

1:27
匠海くんはプデュの時に自分を取り繕わないパフォーマンスを習得して、自分らしさをパフォーマンスに乗せて表現することができるようになったのかもしれない。けどINIになって、それ以外のプライベートと言われる瞬間の自分の好きなこと、本当にやりたいこと、自分らしさを表すことが必要(必要というか”INIは人生”と覚悟をした瞬間から少しづつそうやって生きていこと思ってくれたのかもしれない)で、いざそうしようと思っても肝心のそれがわからない。
必死に日々生き抜いてきて、どういう意見や振る舞いが求められているかを肌で感じながら無意識でもそうして過ごしてしまえるようになってしまって、そんな癖がついてしまったらもうどこからが自分の意見でどこまでがわがままでどこまでがダメなことなのかも分からなくなる。嫌われたくない、嫌な言葉を言われたくない、面倒を起こさずに事を終えたい、だからこうしたい、という思考による行動が「素直な自分の気持ち」だとは違うこともわかっていて、わかっているけどじゃあ本当の「素直な自分の気持ち」ってわがままなんじゃないの?苦しい。

シンクに貯めた水があまりにも冷たそうで心臓のあたりがグッと重くなった。この蛇口を捻る手もはっきりと見えていない足元も、きっとストーブを炊くくらいの寒い冬だからすごく冷えていそう。その痛いくらい冷たい水を見つめて意を決したように顔を浸ける。でもその瞬間に奥にある窓から光が射す。


少しずつでもいいと君がそう言ってくれるなら
どうしようも無くなっていた 失っていた心も
上を向いて一緒に前に進めるかな

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


1:38
少しずつでもいいという言葉の後からの転調や駆けていくようなピアノのリズムから、沈んでいた気持ちが少しずつ浮かんでくるような雰囲気を感じた。見失っていたものがまだはっきりしていなくてもいいから、分からないままでいいから匠海くんの心が少しでも上を向けたらいいなと思う。

全く関係ない話をするけど、作詞作曲に携わるメンバーが増えてきてデビュー公約に「グループの楽曲の作詞作曲」を掲げていた匠海くんへの強い期待がかかっていた時期があった。悪意なんて一切ない言葉でも急かされているような気がしたこともあったかもしれない。いろんな意見の人がいたのは前提として、匠MINIには「気長に待つ」「納得いくまで突き詰めて」という意見の人が多かったような気がしていた。それを見ていたわけではないだろうけど、例えばそんなようなことが匠海くんの気持ちを上に向けることができたりするのかなと思った。
上に向けるだけじゃなくて「一緒に進めるかな」と思ってくれたりするのかもしれない。

「少しでもいいと」から部屋に射す光が明るくなって、少しずつ晴れるような表現がされていると感じた。シンクから顔を上げて雫を滴らせながらまた水面を見つめる様子に「決心」「覚悟」「意志」みたいなものが表現されてるような気がした。

「進めるかな」の後の跳ねるように軽やかで優しいピアノのインストにも、進めるかな、進めるといいな、の希望を感じる。恐る恐る小さく、でも前向きな1歩を踏み出しているようだった。


あなたと会えるこの瞬間は当たり前ではない
この光景を大切に心にしまっていたい
あなたにどんな事があっても僕は君の味方だから
今は一緒にいよう

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


1:57
1番のサビよりもインストが明るく弾んだ音になっている。シャラシャラと星が瞬くような音も入っていて同じ歌詞が歌われていると思えない印象。扉を開いて外に出て風を感じてみたり、床に転がってレコーダーに向かいながらも歌い終えて微笑むのが、1番から感じた臆病さみたいなものを少しづつ克服しているように感じた。

サビ後の間奏も、目を瞑って録った音を聴いている姿に程よい脱力を感じて良い。


このまま続けばいいのに 雲がかる心晴れて
街中が彩り過去も未来も全てが変わる

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


3:06
匠海くんもこのまま続けばいいのにと思ってくれているのが嬉しい。こういう非現実的な理想というか、手放しな希望を口にしてくれるのが嬉しい。

匠海くんに出会ってから、心に霞がかかっていてもそれを突き抜けて照らしてくれるような力強さの太陽がいてくれる。街を、歩けばいろんなところにINIや匠海くんを思い出せるものや色がある。今まで必死に悩んで選択してきたことを肯定してもらえたり偏っていた価値観を修正してもらえたり、見えない未来について考える時間も1人じゃないと思えてこれからの人生はINIと一緒にいる景色しか見えない。全てを変えてくれたのは匠海くんのほうだけど、わたしたちも匠海くんにとってそれだけの存在ってことなのかな。

間奏から続く匠海くんの表情が少しずつ綻んで「全てが変わる」で穏やかな優しい表情になるのが嬉しい。ここまで葛藤を含んだような重たい表情だったから安心した。笑ってる匠海くんが良い。笑っていてほしい。
「未来も」の歌い方が好き。


あなたと会えるこの瞬間は当たり前ではない
この光景を今までの全てにありがとうを

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


3:30
ここまで何度か出てきた「あなたと会えるこの瞬間は当たり前ではない」を大切にそっと抱き締めるみたいに歌い上げる匠海くん。毎回違う表現の仕方で気持ちを乗せて伝えてくれる。綺麗な綺麗な柔らかい高音から「ありがとうを」に駆けて少しずつ力強い声になるのが、匠海くんの届けたいという想いが表されているような気がした。

匠海くんの「今までのことも無駄にしたくない」という気持ち。プデュから数年経った今このわたしたちがいる光景を見て改めて良い過去、無駄ではなかっただったと感じてくれている。でも、「過去も未来も全てを変える」ことができたのは匠海くんの真っ直ぐな想いと怠らない努力と実力だと思う。


あなたと会えるこの瞬間は当たり前ではない
この光景を大切に心にしまっていたい
あなたにどんな事があっても僕は君の味方だから
ずっと一緒にいよう

【INI STUDIO】TAKUMI-幻想


3:56
ここの転調とコーラスで涙腺が決壊してしまう。
高い青い空の下で太陽の光を浴びて、眩しそうに目を細めながら晴れやかな表情の匠海くん。ここまでかけて少しずつ自分を守るための殻を割っていって、心細さとか不安な気持ちを克服していって、最後の堂々した歌声と笑顔に救われた。

ここまで不安定さを見せながらもわたしたちには味方だと何度も歌い続けてくれた匠海くんのずっと変わらない軸にやっぱり敵わなくて。覚悟が決まったかのような「ずっと一緒にいよう」という言葉はここまでの日々があったから匠海くんの中に生まれたもので、その日々にわたしたちがいられたことが嬉しかった。たまには手放しな希望を語っても良いと安心させられるくらいに愛していることが伝わっていて嬉しかった。

何度も何度も、もう数も覚えていないくらい見返したのにまた新しく気づく。この朝日って、もしかしたら「あなた」なのかもしれない。わたしたちのことなのかもしれない。「あなたに会える」の瞬間に解き放たれたみたいに眩しく輝いた朝日に照らされて微笑む匠海くんの表情をみて突然RTP@京セラで見せてくれた切ないくらい晴れやかな笑顔を思い出してしまった。


4:36
曲はぷつっと切れるように終わる。突然外の晴れやかなシーンから部屋の中のシーンに戻って、ベルを鳴らしながら開いた扉の音とともに立ち上がる。
ここでタイトルの幻想を思い出す。このタイトルの解釈、どこに掛かっているのかとか、無限に考えられるしどれが正解で間違いかすらないとわかってるけどわたしの感じた物語を残しておく。

この人生(INI、アイドル)は永遠に続くものではないし実際にすぐ隣にいることもできない、実体がない幻みたいなものだけどそんな幻も日々の支えになりうるし人を救うことができるという希望なんじゃないか。そんな希望の存在を実感できる瞬間は当たり前じゃない、頻繁に確かめ合えるものじゃないから、いくら大切に大切にしまっていても思い返すと幻想みたいに思えてしまうかもしれない。けどそう例えたくなるくらいに輝いていて現実味のない夢みたいな宝物なんじゃないか。
部屋の中のシーンの匠海くんが何かを決めたように表情を変えて立ち上がるシーンは、落ちることもある日常の中でわたしたちと会えた幻想みたいにキラキラした瞬間のことを思い出して立ち上がって前に進もうと決めた瞬間だったらいいな。

少し(かなり)の理想をこめてしまったけど匠海くんがこの曲に込めた想いがそうであったら良いなと思った。し、わたしが勝手にそう解釈して勝手に救われることを許してくれそうな気がした。それくらい夢みたいな理想を安心して語れるくらいに匠海くんから愛されてる実感をもらっているから。



この最後のベルの音は、1/29に匠海くんがOpenするCafeの扉の音だったりするのかな。
わたしも行きたかった。今の匠海くんが表現する自分というものを、少しでも破った殻のその内側を、覗いてみたかった。こんなに気持ちのこもった招待状、いや 愛のお手紙をもらったのにそこにいられないことを脳が理解してくれない。
でもその悔しさと同じくらいにこれの開催を心の底から喜べる。この嬉しいって気持ちも間違いないから見失わないようにしたい。



この遠くで輝く一番星のような幻想を目印にして、生きていける。尾崎匠海くんのことを好きになって応援できていることがわたしの誇り。
2025.1.15 わたしの手のひらに握るお守りがまたひとつ増えた。



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