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「Stepped foot」の解説記事

閲覧ありがとうございます。
当記事は24/06/23 ISF12にて配布いたしました舞浜歩本「Stepped foot」の考察記事という体です。この本は各自の舞浜歩観から色々な視点や意見があっていいものだと思っていますし、そうあって欲しいのでこれは公式見解というよりは「キンモクセーという1ユーザーが思っていること」にすぎないのでもし本を読んで解釈がすれ違ったとしても、自分の意見に誇りや自信を持っていて欲しいと思っております。
あとがきにも記しましたが、この本を媒介して舞浜歩さんを掘り下げる意欲がこの世のどこかに生まれることこそが喜ばしいことすが、この記事の私の舞浜歩観で誰かの歩を見る目が固定されてしまったら不本意ですので「ほーんお前はそう思うんかー」程度の軽い気持ちで読んでいただけたら幸いです。

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ガッツリネタバレしますので読んだ上で当記事を読んでいただくことを推奨します。

  • 目次

  • ベーグルサンド

  • DW事務所のプロデューサーとAちゃん

  • 5ページ目のプロデューサーの感情

  • ロコ

  • 踏んでしまった足

  • すり減っていない靴底

  • 履き心地

  • 歌織さん

  • 靴紐

  • ダンスを続けることを宣言するAちゃん

・ベーグルサンド

クリームチーズはヘルシーと言えるのか…?

ベーグルサンドのくだりはプロット作りで2番目くらいに思いついたくらい、この話の根幹に関わるものです。
ちなみにバレンタインにクッキーを渡すと云々みたいにベーグルサンドに意味があるんじゃないか…?と思われた方、いらっしゃったら申し訳ありません。一切ないですm9(^Д^)プギャw
こういう食べ物に主観的な意味付けをする物語を描きたがるのは「マイ・ブルーベリー・ナイツ」という映画の影響が大きいです。
歩にとっても〇〇〇〇駅にヘルシーなベーグルサンドがあるんだリールで見たよ程度の認識です。まぁヘルシーは彼女にとってのキーワードなのでそこは意識したかも?程度です。

プロデューサー、その…

歩は自分のせいで胸ぐらを掴まれ大声を浴びせられてしまったプロデューサーに謝罪の言葉をかけようとしました。しかしプロデューサーはそれを遮りベーグルの話を持ち出しこの会話を終わりにします。きっと、それが俺の仕事なんだから気にするな、みたいな心情から。歩はそんなプロデューサーの心情を全てとは言わずともなんとなく察していると思います。
ベーコンエッグのベーグルサンドを口にした時のプロデューサーの思考回路は自分に対する献身的な気持ちで満たされていたであろうことも。

ラストシーンはそういう意味を込めました。

この本で歩はどういう成長をしたか、というと「また誰かの足を踏んでしまっても仲間に頼ることができるようになった」ことなのですが、今回は「プロデューサーの足は擦り減ってないから頼れないよ」という内心から相談できませんでした。次回もそう思わないとは限りません。でも、またそうなったらきっとベーコンエッグのベーグルサンドの味を思い出して、相談する勇気を振り絞るんです。
「またつまづいたらこの味を思い出そう」と咀嚼する姿は大切だと思いましたが締め方がこれ以上を思いつかなかったので裏表紙にて咀嚼するイラストを挿入しました。



・DW事務所のプロデューサーとAちゃん

以後Aちゃん呼びします

3ページ目で記したことや9〜11ページのBちゃんの説明が全てではあります。
ちょっと裏を付け足すとAちゃんは現在14〜15歳。小学生の頃からDW事務所に所属していて、事務所からも期待のルーキー扱いされていた子です。
DW事務所のプロデューサーは元々ダンサー志望でしたが途中で夢折れた人です。Aちゃんと2〜3年の付き合いで、ダンスで自分の代わりに様々なことを成し遂げるAちゃんの姿に愛着やら尊敬やら羨望やら様々な特別な感情を抱いていました。プロデュースに一生懸命な姿は他の担当アイドルであるBちゃんにも買われていて、だからこそ庇われています。

ヒューッ!人望の男!

DW事務所のプロデューサーは体育会系といえど喧嘩っ早い性格ではなく、きっと胸ぐら掴むなんで人生で片手で数えるくらいしかやったことありません。なのに手が出てしまうくらい、Aちゃんの足を踏まれ苦しむ姿に色々な思いを抱いていました。なんなら歩と765のプロデューサーよりも、AちゃんとDW事務所のプロデューサーの方がダンスに対する思いは大きかったかもしれません。(ただ、Aちゃんが足を踏まれて苦しむ気持ちと歩がそれを知って色々考える気持ち、この二つは比較対象であったり大小の差があったりするものではないと思っています。そこに優劣があってAちゃんの方が大きいとしたら、歩の葛藤は存在する理由がないものになってしまいますからね。)
暴力という二元的な悪を描写するのは憚られ他の選択肢を色々考えはしましたが、血の通った人間が全力で何かに挑んだからこそ生まれた行動としてこの形に落ち着きました。

ちなみにAちゃんの本名は「稲村杏」ちゃん、Bちゃんの本名は「飛鳥伶奈」ちゃんと一応考えておきましたが役に立つ場面が20ページ目くらいしかなかったのでここに載せておきます。

・5ページ目のプロデューサーの心

無言でカツカツと歩く姿は、胸ぐら掴まれた緊張や恐怖や動揺を胸に秘めています。プロデューサーも人間だからね…歩も歩で何かを感じ取っていることにまで思考が回ってませんが、話すうちにメンタル回復して歩を気遣えるようになるなんて、敏腕ネッ


・ロコ

努力したんだね!って言葉を劇場の仲間から歩に刻むシーンです。ここでロコにその役割を任せた理由は、うみみのスススのメインコミュの体動かすの楽しくない…ってなってるロコの姿が印象的だったからです。結果として他人をすぐ褒める人たらしの面とマッチして不自然ないシーンにできたなぁと思います。


・踏んでしまった足

GMS覚醒前より服装を引用しましたが多分パーカーの正面画違うよなぁ…と思いながら

自分も同じ挫折を味わったという経験を照らし合わせるため歩の回想挟んでます。本来は舞浜兄に足を踏まれた姿を描写したかったのですが、アメリカ留学時以下の年齢のビジュアルが明かされていないのでアメリカ留学時の挫折をものの例えとして出しました。(結果としてよりよかったかも…
あと歩の地毛の色戦争は歩Pの火薬庫なので安易に過去の姿を描く覚悟はありませんでした、まる
あとがきにも記しましたが、SFYGMSで「挫折した苦しさ」SFYユニビで「他人の挫折に寄り添える気持ち」が描写されたので「自分の努力が他人の挫折を作ったら歩は何を思うだろう」という問いかけを世に放つことがこの本が発刊された意義です。ダンサーにとって足は命なので挫折を「足を踏まれた」と例え、それに思いを馳せる歩の姿が重鎮なので「Stepped foot」というタイトルはかなり最初期に決まりました。が、「Stepped on foot」にしないと「踏まれた足」にならないことに気づいたのは原稿の終盤でした。時すでに引き返せませんでした。バカヤロー!
まぁこの先止まらないで歩み続けると決めた歩と歩を目標に歩き続けるAちゃんの新しい一歩として「踏み出された足」ともダブルミーニングにできたからこれでいいかなって…ハイ…

このシーンは「自分の努力があの絶望を誰かに与えてしまったんだ」という表情をどうしても入れたかったのですがセリフとミスマッチになってしまって、今から手を加えていいならここ修正したいな〜とさえ思っているシーンです

・すり減っていない靴底

自らの画力に泣きながら描いてた一枚

この新品のスニーカーの靴底をぺたりと触るシーンこそ、1番描写したかったシーンです。
私の舞浜歩観はDual Style Idolの「すり減った靴底 情熱の勲章」という歌詞がとても重い比重を締めているので、それに関するドラマはどうしても描きたい欲望がありました。
靴底がすり減っているから踏んでしまった足。靴底がすり減っているからかけられた賞賛の言葉。そしてすり減っていない、なんの罪も責任も悲しみも喜びも背負っていない新品の靴。これらが混ざり合ってマーブル状になる感情の機微を、どうしても世の中にに出したかった限りです。
当初はイヤホンからDual Style Idolが流れてきて咄嗟にヒステリックなまでにイヤホンを耳から剥がすシーンを描きたかったのですが、同人誌に歌詞を描くとお金を取られるらしいので代替案として新品のスニーカーのすり減ってない靴底に思いを馳せるシーンになりました。
なので今「すり減った靴底 情熱の勲章」というフレーズを無料で表に出せていることにとてもキモティーになっております、すり減った靴底すり減った靴底すり
靴底だけだと尺も余ったのでリストバンドも描写しました。


・履き心地

舞浜歩さんにとって、靴の履き心地ってなんだと思いますか。
私が公式の舞浜歩さんのシナリオライターを担当するとしたらこの問いかけをずっと翳し続けていたいなと思うくらい、歩を好きな人には一緒に考えていただきたいことです。
私も明確に答えは言語化できませんが、例えば誰かの足を自分の底がすり減った靴が踏んでしまったのなら、履き心地を恨めしく思うものだと思っています。そういった気持ちを込めてこの台詞を考えました。

ちなみにこの13ページ目の様々な人の靴を見る歩が「すり減っていない靴底」を意識しているか「この履き心地を誰も知らない」と思っているかどっちか、私に答えはありません。今後私が答えらしきものを提唱しても、それは後付けです。

アイドル人生の中でダンスシューズが変わることはあるかもしれないといえど、ずっと走り続ける歩にとって履き心地というものは無二の深い安心感を与えるものなのかもしれませんね。


・歌織さん

「ダンスが歩と張り合えるほど上手くない」「何かしらのスペックが高い(今回は歌唱力)」「歩に何かを教えて不自然がない」条件を満たしたのが歌織さんだったので歌織さんに登場していただきました。歌織さんに浅いのでこのシーンに解釈違い起こした歌織Pさんいらっしゃいましたら私が10悪いです。歌織さんはアイドルの世界にきたことで出会えた人達や新しい景色っていうのが命題かな〜という認識なので仲間を尊く思う彼女の口から出て不自然ない台詞で歩の閉ざされた心を解いていただきました。

コミカルに見えて何事にもおぼつかい様子が伺えるシリアスシーン

見開きページでこのシーンを打ち込めるようページ計算上手くいってお気に入りです


・靴紐

靴紐と一緒に気持ちを締める様を比喩しているのをいちいち説明するのは…野暮ですよね…

・ダンスを続けることを宣言するAちゃん

歩としてもずっと目に見えないけれど意識をし続けていた人間で、Aちゃんも今日に至るまでを忘れにようも忘れられない存在だったでしょう。
2人とも気持ちの整理がついてから念願の対面をしたことは少しご都合主義的かなぁと思ったり…
対面した直後は急すぎて互いに言葉が出てこず、無言で歩いていました。

きっとさっきこうやって声をかければよかったなと色々考えてる顔です、キットネ

「ずっと遠くで待ってるからさ」が初期案台詞でしたが、
歩き続けなきゃいけないので「いるからさ」になりました。

Aちゃんにとって追い越す目標として気高くいるというのが望みだと思うので、結果論的に歩がAちゃんのことを考えながら立ち止まった期間は、無いほうが良い存在だったのかもしれません。だからこそ、これから止まらないことこそAちゃんにとって、そして自分のことを見ている人たちにとっての誠意だと思います。


・空

空ってよほど科学的な文明を味方につけない限り変えられないじゃないですか。
誰が悲しんでも喜んでも日は上り沈む空と、誰かの足を踏もうがアイドルナンバーワンへの道を止まらず歩き続ける歩の比喩になっています。そのため要所要所空の景色を挿入しました。

歩の気分が晴れたシーンで快晴ではないのも、ひとっこ1人の気持ちに空は合わせてくれないねって思想を込めています。

ちなみにここの歩の背景も似たようなニュアンスを仕込みました。期間限定商品も、人の悲しみや喜びなんて気にかけてくれないじゃないですか。幸せな人が頼んでも絶望した人が頼んでも同じ数字。ベーグルも最初と最後では食べる歩の気持ちはまるで違うけれど、数字的には2つ売れただけ。そんなものをさりげなく描写したかったです。

整理するとこんな感じ


アウトプッターとして忘れてはいけないことは「天使のたまご」を作ってしまうことだと思っているのですが、こうやって解説記事で気づいてアピールすることはそれと似たことだと思っているのでもっと簡素にわかりやすく客観的に作品作りをしていきたいと志す限りです。でも、だからこそ純粋な創作意欲だけで構成されている本書は自分としては大切にしていきたいとも思います。

こんな感じですかね、漏れがあればそのうち追記します!改めましてこの記事を読んでくださりありがとうございました!レポを描くほど特筆することはありませんでしたが初めての即売会、いい経験になりました!
もし感じたことなどあれば一言から長文までご遠慮なくマシュマロはどうぞ!次回作の励みになるのでお気軽にお願いします→ https://marshmallow-qa.com/xux9jirctgqvksh?t=hwMKZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
良きプロデュースライフを!Have a good produce life!


おまんけ
原稿用bgm
MAKUAKE/増倉義将
MACHINE TORNADER/石原慎一
紙・心・ペン・心
スノースマイル/BUMP OF CHIKIN
オーバー!/いよわ
ウルトラトレーラー/マサラダ
さよならジャックポット/いよわ
八月、某、月明かり/ヨルシカ
note編集時bgm
ルバート/ヨルシカ
素敵なしゅうまつを!/キタニタツヤ
ミカクニンハスキー/sanetii
(内容に寄り添ったものではなく単に原稿やってる時聞きたい気分だった曲軍です

フランケンシュタイン症候群 キンモクセー

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