吹奏楽講座(8)音楽の三要素から演奏を見つめなおす
はじめに
コンクールまであと1か月。毎日毎日同じ曲と向き合い、深く掘り下げて演奏を極めていく。これだけ真摯に曲と向き合っていくのはコンクールならではであり、達成感や充実感は何物にも代えがたく、得難い経験となります。
そんなコンクールにむけての練習ですが、練習を進めながら時々不安な気持ちになる時があります。昨日よりは今日、明日よりは明後日、確かに進歩しているはずなのですが、この方向性で合ってるのか?このまま進めていて間に合うのか?上手くなったり下手になったり同じ場所を堂々巡りしているのではないか?などです。確かな手ごたえを感じないまま本番を迎えることになっていると感じる団体のために、何らかのヒントになればと思います。
それ、少しやばいです
「そこはフォルテだからもっと大きく演奏しよう」「フォルテとピアノの差をもう少しつけよう」「ピアノだからもう少し小さく」「アクセントがついているのでしっかりつけよう」など、曲を曲らしく表現しようと指揮者が演奏者に要求する言葉です。ありがちな言葉ですが、少し危険です。
危険な理由ですが、ある日は弱く聞こえたのでもっと大きくと指示しましたが、しばらく日にちが経つとうるさすぎると感じてもっと柔らかくと指示してしまいます。弱いから強く、強すぎるから弱く、同じ場所を行ったり来たりしていて、もったいない練習だと思います。それに、強弱は音楽表現の一部ですが、それだけが重要な要素ではないと思います。一番良くないのは行き当たりばったりの練習になってしまって、最後には上手くなっているのかどうかも分からなくなってしまって、迷走の中、本番を迎えてしまうことです。
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