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森林経営のSDGs

環境設計型の商品には、間伐材を素材として利用している商品もあります。

今回は間伐の現場を取材させていただきました。

取材を受け入れてくださったのは石川県の株式会社中野様。
株式会社中野様は製材工場と連絡をとりながら森林経営計画を立て、山主さんに還元できるように林業の会社と連携して取り組んでいます。



まず間伐材という言葉はよく耳にしますが、間伐には保育間伐と利用間伐があるということ。

保育間伐は育成不良の木を間伐することで日光を当て良い木材に成長させるための作業です。

利用間伐は間伐材の販売収益を得るための間伐ですが、林道を整備したり、間伐した周囲の木の成長を促し災害を起こしにくい環境に育つように計画し伐採します。年輪の数と太さを数えることで、周りの木をいつ間伐したかも分かるんだと教えていただきました。

間伐材はグレードが細かく設定されており、良い木材から順に造作材、ベニヤ材、バイオマス燃料、パルプ、土木と用途が変わり、私たちの生活に関わっているのです。

同じ面積に木が100本、植えてあった山林で光合成で吸収する二酸化炭素の量は、間伐すると吸収量が減るんじゃないの?と思うかもしれません。
成長を促し間伐することで残した木が成長することで良い木材として育ち森林土壌も良くなり、成長した木が間伐した木の分も二酸化炭素を吸収していくことになるのです。

良い木材に育てるために、間伐するだけでなく鉄砲虫が入って穴が開くと木材の価値が下がってしまいます。スミチオンを6-8月にまくという作業もあります。
虫の活動がおさまり、成長の遅くなる11月くらいの木材が含水率も低く製材に最も適した状態なんだそうです。1年を通して山林を適切に整備することがとても大事なんですね!

森林に対し、経営計画を立て成長を促し、伐採をする森林経営は二酸化炭素を吸収し、国土保全につながるだけでなく持続可能な産業としても、正しく利用されることで倫理的な消費にもなっているのだと改めて知ることができました。