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掌編小説 ある青春話

ある青春話

 僕は、高校を出て、東京の会社へ就職した。毎日忙しい。そして、一番苦しいのは、大学に進んだ、友人から、遊びの連絡が来た時に、仕事が忙しいからと断ることだった。
 そして、友人たちが遊んでいる時に、僕はせっせと働いた。 

 3年後僕は、独立して、営業をとっては、音楽家をやっていた。
 しして、当時の大学の友だちが、みんな就職したのだ。
 みんな、あくせく働いている。
 僕は、接待で、毎日、飲み会だった。 
たまに、大学の連中を飲みに誘ったが、皆仕事で忙しく、みんなには、お前が羨ましいとまで言われた。
 苦労した甲斐があったと思った。
 僕は、目立たない自分が、いつのまにか、青年実業家になっているのを誇らしく思った。 そして、25歳で結婚した。

       END

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