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幽玄の夜
つま先まで紺碧の幕が降りると
微かに一番星が輝き始めた
薄雲の向こうで
月が頬杖をついて
ぼんやりとこちらを見ている
![](https://assets.st-note.com/img/1722469970837-dsg6zSFEY6.jpg)
「いつも明るくなんて出来ないよね
こんな日があってもいいよね」
届くはずもないのに
何となく
手を伸ばし
月の頭をそっと撫でる
憂いを帯びた静かな夜の丘
![](https://assets.st-note.com/img/1722469639051-37x3Rrgh83.jpg)
透き通る風が
月光のベールを引き寄せると
目の前を小鹿が駆け抜けていった
夜空を飛ぶように
煌めく幻想のカケラを散りばめながら
幽玄の世界に居るような錯覚の中で
瞬間の残像を追い求める
![](https://assets.st-note.com/img/1722470142173-KRgmGT0hQu.jpg?width=1200)
ふと我に返ると
沈むような静けさの中で
月光に照らされた私は影となり
大地に横たわっていた
延びる影の頭のてっぺんから
地平線を越え
夜空を仰ぐと
さっきまでぼんやりしていた月が
ニッコリ微笑んでいた
![](https://assets.st-note.com/img/1722470188244-NBlW4N3SMc.jpg?width=1200)
なぐさめたつもりが
なぐさめられていた
宇宙は想像を越える形で
愛を与えてくれる
この世界には流星のように
奇跡が降り注いでいる
![](https://assets.st-note.com/img/1722470283684-eT12n4hjKe.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1722470331244-yKI4fEib7I.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1722470387381-iGJPDhJqQr.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722470432552-WjxEaOcrb9.jpg)
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