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#9 フランスパリ留学・滞在記_滞在許可証申請編-続
皆様、こんにちは。 いかがお過ごしでしょうか。
前回の続きを書いていこうと思います。 想像以上にいろいろあったので、せっかくなので違う項で話をまとめていこうと思います。
長らく更新できなくて申し訳ございませんでした。
1. 申請の結果!
前の項でも少し触れた通りですが、おさらいとして滞在許可証の申請から発行までの本来のプロセスを紹介します。
1. ネットでVISAの番号やらを入力して、滞在許可証の申請を行う。
2. 県庁?が申請を受け付けたときに申請用のアカウントが作成される。
3. 申請や書類に問題がなければ、レセピセと呼ばれる仮の滞在許可証が発行される。
4. 本物の滞在許可証が発行されて、県庁に取りに行く。
このような流れになります。 私の場合、原因が不明でしたが2. のプロセスが進まずに半年以上たっていたので、さすがに焦っていました。
年末に日本に一時帰国するにあたり、フランスに再入国するために必要な正式な証明も、このプロセスでの3.で取得できるものだったため、12月になっても返事がないのはかなり大きなトラブルでした。
一方で実は、帰国の2週間前にアカウントは無事に発行されました。 何が起因となったのかわかりませんが、毎日メールを送ったのと、市役所マダムがしつこく県庁に問い合わせてくれたおかげなのかと思います。
マダム曰く、申請システムのトラブルでアカウントが発行されていなかったらしい。 と教えてくれました。 (やっぱそういうことだったか。そりゃ自分たちのミスだから、担当部署に聞いてくれ。県庁に聞いてくれ。っていう感じで責任を擦り付け合うよね。 気持ちはわかるよ。)
まあ、何はともあれアカウントが発行されたのだから、レセピセが受け取れるのもすぐだろう。 と思っていました。
そして帰国5日前になって、「県庁からお知らせがある」という趣旨のメールを受け取りました。 時期的にもこれは確実にレセピセだろう。と思い、わくわくしながらアカウントにアクセスし、お知らせを開きました。
「あなたの申請は却下されました。理由は下記のとおりです。(以下空欄)」
解決しなくて、解決しそうになって、解決しない。 っていう上げて落とす。高度ないじめを受けましたよ。 しかも理由を明記してないって、どういう仕打ちよ。
この時はめちゃくちゃ落ち込みましたね。今でも覚えてますが、何にも考えられず、ただフランスの県庁のことを大嫌いになりました。
実際、担当部署に「理由すら書いてないのに、却下ってどういうことだよ!」 っていうメールを送ったら「あなたは間違った申請項目を選択していたようです。」 と却下理由が教えられました。
さかのぼること申請した時期。滞在許可証の申請方法がわからなかったから担当部署にメールでやり取りをして、どのようにすればいいかを聞いていました。一度だけ担当部署に「電話でやり取りしなきゃいけない!」といわれたので、英語での電話をしました。その時に教えられたとおりにやったはずなのに! と思っていますが、もしかしたら私の英語のリスニング問題が
あったのかもしれないです。
2.この後どうすればよいか
出国2日前に担当部署から言われた通りの方法ですぐに新たに申請をし直しました。がレセピセが発行されるまでに、ネットの情報を参考にすると少なくとも1か月はかかる感じです。私の場合、半年以上かかっても発行されなかったうえに、今回はすでにVISAが切れた状態での再申請。こんなにいっぱい問題があったら、もっと時間がかかるのではないかと、容易に想像できます。 私の予定している帰国期間は一か月もありません。
つまり、残された選択肢は2つ、
1. うまくいくかもわからない申請の進捗を待って、レセピセが発行されてからフランスへのフライトチケットを購入する。
2. 帰国してすぐに在日フランス大使館に出向いて、再度タレントビザを申請する。
もちろん、帰国しないでフランスで待っていればいい。という選択肢もあるかもしれないですが。
ずっと前に、在日フランス大使館に問い合わせメールを送った際に「違法滞在になってる。VISAを再申請しなおさなきゃいけない。」といわれましたし一身上の都合により一度帰国しなくてはいけませんでした。
上記に挙げた選択肢の内、どちらか一方のみという決まりはないのでもちろん両方の可能性をもって帰国しました。
在日フランス大使館での、VISAの申請は午前中に予約が取れたので、帰国して次の日に出向きました。(時差ぼけとか何にも考えずに帰国翌日の午前に予約していた自分の愚かさ・・・。しんどかった。)
在日フランス大使館では、申請が2回目であることを伝えたところ
「以前のVISAで滞在許可証が取れなかった理由の調査をしなくてはいけないから、初回の発行よりも時間がかかります。」
といわれました。
私はここで気づきました。初回の発行にかかった日数よりも、今回の帰国期間のほうが圧倒的に短い。 つまり、間に合わない。
こうなったら、再申請のプロセスが奇跡的に早く進むことを祈るしかない。
頼みの綱であった市役所マダムが弁護士と相談した結果「裁判とかを起こすと時間がかかるから、今は待った方が良い」 という結論に。。。
暫定ですが、1.2.ともに間に合わない ことがほぼ目に見えてる。
フライトチケットの変更がどれだけ高いものか。
所属ラボにどれだけ迷惑をかけるか。
申請システムのエラーのせいで、こんなに大きな影響が出てくるとは思ってもないし、県庁の職員も思っていないだろう。
このあたりから吹っ切れて、「間に合わなかったらしょうがない。いまはせっかくの日本を楽しもう。」という考えに代わりました。
3. 日本で楽しんだこと。
急にフランス滞在記から、日本での日記を書くのも意味不明だとは思いますが、せっかくなので8か月フランスに行った後に帰国して、日本のどういう良さに気づいたのかを生意気ながら述べようと思います。
カップラーメンの充実度
物価の安さ
温泉・岩盤浴
豊富な海鮮ネタ
パッと浮かぶのが、こういうことだったのですが、もっとあったでしょ。。。
正直なところ、友達が日本にいる間に飲みに行くのに付き合ってくれたのですが単純に居酒屋という分化は本当に素敵だなと感じました。フランスでもおしゃれにテラスでワインを飲む。 みたいなことはやると思うのですが、私としては、居酒屋のほうが性に合っていました。
居酒屋などで飲んだ後にカラオケに行く。っていうのは、本当にゴッドムーブですよ。 お酒で高まった気分を歌に変えられる。 すごい。
これに付き合ってくれる友達が未だにいてくれることに感謝したいと思います。
あとは、今まで気づかなかったのですが、居酒屋がある街並みってフランスではなかなか見られないので、そういう日本らしさも私のお気に入りでした。(私が吞兵衛だからかもしれないですが。)
フランスにも、もちろんいいところはありますよ! 私の経験上、スーツを着ている人をほぼ見ないのでなんとなくかっちりしていない雰囲気があり、仕事を第一にしているというよりも生活を楽しむために仕事をしている。というのをすごい感じました。(今回、こののんびりした雰囲気のせいで滞在許可証に問題ができたのだが)
日本では、ほぼ毎日スーツを着た方々を見かけたので、これも日本らしさがあり良さでもありますが、何とも複雑ですよね。
余談ですが、英語の辞書には過労死というのは「Karoshi」とあるらしいですね。つまり日本人くらいしか過労死という局面に立たないのかと思います。一時帰国でも感じましたが、日本人の仕事の丁寧さや迅速さは世界に誇れる日本の良さではありますが、それを提供している方々が無理しない程度に収まってほしいと思いました。
4. 新年あけました。
なんやかんやで温泉に行ったり海鮮を食べたり居酒屋に行ったり等、できる限りの日本を楽しんだ後、2024年も終わりを迎えました。だんだんと再出国の日程が近づいてきました。しかし県庁からもフランス大使館からも返事はなく、半ばあきらめていました。
しかし!、1月仕事始めの日にレターパックが届きまして、パスポートが返ってきました! この時点で、VISAの申請が却下されたか、承認されたかのどちらかです。 初回申請した期間よりも圧倒的に早く返ってきたので、却下されたのか・・・ と更なる絶望を感じましたが、奇跡的に再入国VISA というものが取得できました。
フランス大使館では、時間がかかるといわれていたので余計に驚きました。
もしかしたら、フランス大使館の方がプッシュしてくれたのかもしれないのですが理由は不明です。
さてさて、入国に関しての心配がなくなったので、いよいよ帰国の準備です。 最初のフランス滞在において、日本から持っていきたかったもの。 フランスでも買えるけど、日本から持って行った方が安いもの。 などなどをいろいろ購入したので、せっかくなのでまとめていこうと思います。
日本から持っていきたかったシリーズ!
筆記用具 → 愛用しているペンがジェットストリームなのですが、どうしてもフランスではリフィルが見つけられませんでした。これまでにフランスのペンも使っていますが、やはり書きやすさが違うような印象を受けました。ノートも持ってきた方がいいですね。 フランスでよく見かけるノートは方眼紙のようになっているので。。。
文具 → ハサミ、のり、ホッチキスなど職業柄使うことが多いこれらに関しては、クオリティーに関しては大差ないと思いますが、使い慣れたものがいいかなと思い持参。
便座シート → これが3つ目っていうのも意味が分からないかもですが、ご存じの通りフランスにはウォシュレットはなく、一般的な便座です。 私の家のトイレは窓際に位置しているせいか、いくらセントラルヒーティングがあれども、冬は便座がキンキンになります。 暖かい時期には気にならなかったのですが、12月くらいに寒くなってくると、あるといいな~と感じました。 これも結構探したのですが、ちょうどいいものは見つからなかったので100均で便座に直接貼れるものを複数購入しました。
100均でほかにも食器やらいっぱい買ってきましたね。 特にお箸が5組セットで100円ですから、大量購入しました。
日本で買う方が安いシリーズ!
そもそもな話、これに該当するのって食料が主ですよね。 実際にパリではKマートやACEというアジア物産展があちこちにありまして、醤油や味噌をはじめとした調味料から、カップラーメンやお菓子などが手に入ります。(種類は少ないですが・・・)
もちろん価格も日本と比較すると違いますね。 フランスの物価で考えるとこんなもんかなって思ってしまうのですが、日本円で確認してしまうと驚愕します。
例えば、ごま油 日本 700円, フランス 1200円くらい
カップラーメン 日本 200円前後?, フランス 500円前後(しかも種類は少ない)
醤油 日本 500円前後?, フランス 1000円くらい
とまあ物価が違うから当たり前なのですが、どうせなら持ってこられるものは日本から買ってきた方が何かと得なんです。
ということで、出汁だったり日本食の調理には欠かせないけど、そこまでかさばらないものだったり、日本でも珍しいようなちょっとした珍味をいくらか連れて帰ってきました。
個人的な野望としては、「フランスのスーパーで買える食材で作る日本食」を題材に動画でも作りたいと思っていますが、本職の研究に支障をきたさないレベルにとどめるように頑張ります。
5. 満を持して出国します!
前述した通り、再入国VISAも仮の滞在許可証(レセピセ?)もどちらも手に入ったので、正式にフランスに仕事をしに戻ってこれるようになりました。
前泊したのですが、最後の晩餐は回転寿司に行きました。今思い出せば、帰国した初日に最初に食べた日本食も回転寿司だったので、やっぱり自分は生粋の日本人なんだな。と痛感しましたね。
14時間のフライト、これまでに学会やらで割とあちこちの国に行くのですが、やはり2桁のフライトとなるとしんどいですね。 飛行機快適グッズをいろいろ持ち込んで、エコノミー症候群を恐れて、頻繁にトイレに行くようにし、ダウンロードしたYoutubeのみを味方に過ごしました。 体力があるというのと、無理に寝ようとしなくていいという点から、朝に乗る長期便のほうが、夜に乗る長期便よりも快適に過ごせる気がします。
さて、フランスに無事につきました。次に日本に帰るのはいつかな~ と思いながらもフランスはフランスでとても素敵な国です。 今年はヨーロッパの良さを学びつつ、自分の研究者としてのスキルを高めていきたいと思います。
入国審査的な列に並んでるときに、前に並んでいた若い男性二人組が
「入国目的はサイトシーイングでいいかな」
「そもそもフランス語で話したほうがいいのか」
などと会話をしてたのを覚えてます。(男二人旅inヨーロッパってかっこいいですね)
そんなこんなで、パスポートを渡しました。 何にも聞かれずに、あっさりスタンプを押されて無事に入国。私の見た感じでは、VISAの確認すらしていなかったと思います。(ちなみに前回もそうでしたが、抜き打ちでチェックしているのかもしれないです。日本人だからなのかは、もうよく分からないです。)
私が半年間悩み続けた、再入国への不安は何だったのか。
必死に準備した書類やらは、結論から言うと必要なかったように思えますが、フランスでの生活で一生忘れない面白エピソードを手に入れたことは間違いないですね。
6. 終わりに:海外に住むと、価値観が・・・
いままで生きてきて、海外に住むと価値観が変わるっていうのをよく耳にしていました。 いまのところ、これを実感した瞬間はまだないのですが、自分が思ったよりも、3.で言及したように日本で好きなところが多いんだなと感じました。
あとは友達や家族の大事さですよね。家族は言わずもがなですが、友人に関してはいくつになっても、年一回でもいいので会う機会を作って、お互いの進捗を報告し合える仲を維持したいと感じました。
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価値観っていうのは、何なのかにもよりますが海外での生活というのは、研究者としてだけでなく、生きていく力という面でも圧倒的なチャレンジになっていると思います。 今後、全てにおいて人生どうなるかわかりませんが、なるべく後悔の無いような生き方をしていこうと思います。
本当は日本に帰国している間にも、投稿したいと考えてましたが、時間的にいろいろ詰め込みすぎて、あっという間にフランスにもどってきました。
フランスにもどってからも、仕事のリズムの回復やらで投稿がかなり遅くなってしまって申し訳ないです。
今回のサムネは、フランスのジムに行く途中で見つけた梅?っぽい花です。今年の桜は日本では見られないので、どこかで花見をできればと思います。
今年の目標は、研究を進める。動画投稿をしてみる。フランス語の上達。ブログを続ける。ヨーロッパを楽しむ。