フォーマルウエアって?
「フォーマルウェア」って聞いて、何を思い浮かべますか?
「あのデパートで販売されてる服?」
「あー、お母さんがもってたなあ・・・。」
なんて。イージーウェアやスポーツウエアが中心となった今では、フォーマルなシーンでもカジュアル化してますし、そもそも若い世代の方々にとっては「なんじゃい、それ?」って感じでしょう。実際、デパートの販売面積も少しずつ狭くなっています。
フォーマルウエアとは、冠婚葬祭などの改まった席で着る衣服のことです。
そもそも、何でこんな衣服があるのかというと、「格」の統一の為です。「格」とは、身分や等級を表し、「格式」とは、物事の流儀を表します。
改まった場所での「格式」と統一することで、服装によって礼を尽くしたり、敬意を表したりするのです。
つまり、他の参加者に不快感を与えず、会合を円滑に進めるためにあるわけです。確かに、大事な結婚式に招待客が短パンにノースリーブで参列したら、嫌な気分になります。
そうだと知ると、「堅苦しいから興味なかったけど、大事なことなんだね。」と思いますね。
フォーマルウェアの歴史
現在のフォーマルウエアの歴史は、19世紀中イギリスから始まりました。この頃は、産業革命の真っ最中。貴族や地主階級の富裕層の人々と産業革命により成り上がった人々が、ともに社交の場を共有することが増えました。
映画にもよく見られるシーンですが、お互いが不愉快を感じながら社交場を共にしていたわけです。そこで、ルールに沿った服装を着ることで、外見での差別を減らそうと生まれたのが、ドレスコードです。
このイギリスから始まったドレスコードが、全世界の共通語となった英語の様に、世界中に広まったわけです。
ただ、イギリスのドレスコードがそのまま日本で採用されたわけではありません。日本には着物の文化がありますし、昼夜と服装スタイルを変えるような生活様式がありません。よって、日本のドレスコードは独自の発展をしたのでした。
「礼服」の誕生
日本独自のスタイルの一つに「礼服」があります。
戦後の貧しい時代に、流行に無関係で、礼節を欠かない服として生み出されたようです。
かつては、みんなが必ず持っていた黒のスーツです。男性なら、ネクタイを入れ替えるだけで、結婚式からお葬式まで網羅する、大変コスパの良い服です。女性はもう少し華やいだ服装を好みますが、昭和の母はやはり「礼服1着」であちこち参列してました。
今だに量販店などではマストアイテムになっており、機能重視で、取り敢えず「これ着ればOK」という側面が支持されて、礼服はまだ根強いです。周りとの調和を重視する、日本人の特性によるものです。
しかし、グローバルな観点からは大変奇妙なスタイルです。制服の様にみんな同じの真っ黒けの服。
これからは「礼服でなければいけない」のではなく、そもそものドレスコードを知り、服を選んでいくということが大切なのではないでしょうか。
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