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3.3 手話で学ぶアメリカン・ペアダンス(ふりかえり)

 こんにちは、デフダンスのNami♡です。2月は16日にダンサーの聖地のひとつとされる飛天の間でブラインド&デフダンスのエキシビションとしてワルツで出させていただきました。本格的なスポットライトにあたり、反射して真っ白なフロアの空間を踏み出すはかなり怖かったです。みなさんが私の名前を大きな声で呼んでくださっていたそうです。

 このことの実現のために、ブラインドのリーダーさんが長いこと駆け回ってくれていたこともあとになって知りました。そしてここをきっかけに、今後、デフダンスも開けていく場づくりがされていくかもしれません。人口の少ないデフダンスですが、デフリンピックムーブメントにあやかり、参加しやすい場が開けていくことを心から願ってやみません。

 この前置きを書いたのは、きょうのことにつながってます。3月3回ある活動のなか、きょうは1回目でした。小雨の降りしきる中、ヨシ先生を入れて8名の方が集まりました。

 デフダンス関西として、何か機会があるときには発表できる場に出ていけるようにと考え、ヨシ先生に相談していました。集まった人たちにはグループLINEで飛天でのダンスのことは伝えていたので、これから発表みたいな機会がいつかあれば、みんなダンス発表やってみたいと思う?と聞いてみました。

 今すぐでなく練習しておいおいなら…とか、やりたい人は…とか、そういうことがあってもいいのかなという雰囲気になってきました。応援だけしたい人はそれでもいいからね、というような感じにまとまり、じゃあ、始めようか!と、カウントを伝えるリーダーの役割を練習することから入りました。ところが、その「発表」うんぬんの導入がそのあとのぶつかりに発展してしまったのでした。

3.3 参加者記念撮影

 ウォーミングアップのストレッチから始まり、メレンゲのベーシックでのカウントの練習をしました。手でとんとんすることと、足の動きを合わせるのがたいへんでしたね。代表が不在だった間にカウントの練習などを進めてきていたようです。

 そしてルンバの練習に入りました。カウントをどう伝えるか?というところから入りました。私の経験をと思い「フォーワンと入るときに口で言ってくれれば…」「始まってしまえばトントンは要らない」「ときどきズレていくからフォーワンと言って戻してもらう」と伝えたところ、それはインターでアメリカンのカウントとはちがうそうです。アメリカンは6拍なのだそう。

ルンバのカウント練習 
  

 先生が突然、口の筋肉を動かす目的でアイウエオの口形をやるという取り組みを始めたので、ろう者メンバーは受け入れられずえっとなってしまいました。遮って「声は要らないね?(なぜそんなことをするの?)」と尋ねたろうメンバーの心の底にあった思いも、そのときはあまりよく伝わらなかったようです。

 よくよく聞けば、顔のシワを予防する、ほうれい線の下がるのを予防する目的で、筋肉の運動のためで声のためではないということがわかりました。

 終わってからの参加者ミーティングで、ろう者の口話訓練で嫌な思いをしてきた歴史や、教育の場で手話を禁じられてきた歴史、ろう者の不安や抑圧されてきた思いをもっと知ってほしいという意見が出ました。

 ろう者は、口を動かせと言われたら動かします。それは機械的に、そういうことをするトレーニングのように。そこを嫌だとすぐ言いにくい。でも、心の中ではいろんな思いがそれぞれにフラッシュバックして、たいへんなことになります。

 そうしたことを知ってもらいたいので、先生もダンスの指導のあとすぐ出ていかないで私たちの思いを聞いてほしい、みんなと話す時間がほしい、15分でいいとか、いや30分はほしい、とか率直な意見が出ましたね。

 ヨシ先生は私たちの活動が終わればすぐ大阪にブラインドのかたに教えに行かれるから、ゆっくり話す時間がないのです。

 それならダンスの時間のときに率直に言おう!嫌なことは嫌だと言おう!ということになりました。

スウィングのカウント練習 
 

 ルンバは口形問題でシ~ンとなったこともあり、じゃあつぎはスウィングで!と切り替えられました。

 パートナーチェンジで皆で踊っていくのですが、そこでデフペアになったとき、いやいやどちらかはきこえる人で…となり、デフペアどうしは今までもデフペアでやってきてたので、なぜデフペアがだめと言われるのかわからず、そこでまた意見が出ました。

「きこえる人が上できこえない人が下みたいなことは嫌です」とデフメンバーの発言がありました。発表目指していくんでしょ?カウントやリズムが合わないとどうするの?と話し合いタイムその2に突入しましたね。

 きこえるメンバーから「きこえないけどトントンとしてくれて踊れてると思います」、と意見があったのですが、ヨシ先生から「そうは思わない」と言われたので、なんでそんなこと言いはるんですか?というようなことに。

 発表を意識するならカウントを合わせないと!ということで、楽しみたいと思ってるデフメンバーどうしが踊れなくなるなら本末転倒なので、いったん、発表どうこうは見合わせようと思います。

 ブラインドダンスでは、ブラインドどうしも踊れる場があります。危険は周りがサポートします。デフダンスでも、カウントはみんなでサポートすればよいと思うんですね。

 そして、カウント至上主義になるのもよくないと私は思ってます。終了後に自然と始まったミーティングでは、メンバーから「きょうは楽しくなかった」「顔を見てお互い合わせようとすることは前からやってる」「先生から見たらカウントしてるのにズレてるとなるのかもしれないけどカウントを見るより相手の顔を見たい」「デフどうしも前から何回も組んでるし踊りたい」と意見がたくさん出ました。   

 それで私もショックだったことを振り返り、努力してカウントは取ろうとしているのにずれてる、みたいに言われたのかと思って悲しかったし腹を立てたことを話せました。

 結局そこは、発表をやるなら仕上がりを目指しカウントを合わせていこう、ということが本意なのだと思いますが、そこにどこまでこだわりたいかは、そのときのメンバーの合意で決めるのがよいと思います。代表としては、発表の機会を…と言い始めたこと、時期尚早だったかなと反省してます。

板書①
板書②

 きこえるきこえないは関係なく、リーダー役フォロー役どちらにもなれること。ペアもきこえには関係なく、カウントの取り方も先生の方法だけでなく、ペア同士が伝えやすい方々を工夫してやっていこうとまとまりました。

 副代表のコメント
「きこえない人が、やり方や工夫にアイデアを出して楽しむのがデフダンスなんだね!」

 デフメンバーのコメント
「社会ではきこえないためにがまんをたくさんしている。デフダンス関西の場では安心して参加できる場であってほしい!」

 うん、みんなありがとう。思いを実現できるよう、重ねて行きましょうね。

 3月はのこり2回、3/17と31です。新しいデフメンバーのご紹介もいただいてます。

アフターの女子会♡

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