ミータソのマザーズ企業分析【HENNGE 】2020年Q4
こんにちはー、ミータソです。
年末年始は実家に帰省しましたが、2020年の疲れを癒やすべくほぼほぼ寝正月でした。
外は雪だったので、ネットフリックスとアマゾンプライムで闇金ウシジマくん、カイジ、そしてM-1グランプリの過去分と今年分のアナザーストーリーみてました。
独立してからスマホが手放せない、いわば365日オンの毎日でしたが、久々に2~3日携帯見ない完全オフの生活をつくりました。たまには頭の中空っぽにするのもいいですね。(LINE・連絡返せてない皆さんごめんなさいmm)
2021年1発目はクラウドセキュティのHENNGEを取り上げます!この会社を取り上げる理由としては、2019年10月の上場で既に時価総額が1,000億円を超え、マザーズ時価総額TOP20、いわばBtoB SaaSの代表格だからです。
1. 会社概要・ビジネスモデル
HENNGEは従業員数が181名、設立は1996年と古い会社なんですが、2011年サービスローンチしたクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」が当たり、全売上の約80%超を占めます。
このHENNGE Oneサービスが生まれた背景として、近年業務で使用するクラウドサービスが増えてきたことが挙げられます。
使用するクラウドサービスが増えるほど、管理者が管理するID・パスワードも増え「管理が面倒だ・・」と悩んでいる方も、少なくないのではないでしょうか? 要はこれらを一つにまとめるサービスです。
ただこのビジネスモデルまたはサービスは正直ちょっと分かりづらいので、興味ある人は以下の詳細を参照ください。
【HENNGEのビジネスモデル】
HENNGE Oneは、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して、ワンクリックでクラウドサービスやアプリの利用が可能なシングルサインオンのSaaS認証基盤サービスです。
シングルサインオンとは、PCやipad等端末の区別なく、複数のアプリケーションを単一のID、パスワードで安心・安全にログインすることが可能となるテクノロジーです。
具体的には各種クラウドサービスごとにアクセス制限できる機能を搭載し、Office 365やGoogle Workspace, Box, LINE WORKS, カオナビその他2019年9月現在100以上のサービス連携が可能です。
2. 定量分析
通期売上高は前年同期比21.2%増の41.5億円、メインのHENNGE Oneが前年同期比24.1%増なのが好調の要因です。導入社数1,667社、契約ユーザ数194.8万人、1社あたりユーザ1170人と大手導入が進んでますね。
月次チャーンレートも0.16%と低い水準を維持しています。一般的に月次1%をきれば年次で10%前後といい水準であるといえ、例えば対象領域は異なりますが同じくBtoBのSmartHRは0.5~0.7%程度の水準で推移してますが、それ以上によい水準だと考えられます。
オフラインイベントの中止等が重なり、広告宣伝費の減少に伴う営業利益率の改善が見込まれる一方で、HENNGE One事業をグロースするための仕込みが出来ない時期の売上増加予想が不透明です。
それに対して、HENNGEはクラウドサインやCybertrustその他バックオフィス系BtoB SaaS企業とセミナーその他提携を進めることで、売上のアップセルを見込んでいます。
3. 事業投資と新規事業開発
事業投資についてもここ数年、当社グループの事業とシナジーの高い独自の要素や技術を有しているB2Bスタートアップ企業(上場済のrakumo、DIGGLE、シタテル、any)に投資したりと積極的です。
新規事業開発については既存事業の研究開発とは別に、自ら変化、挑戦を続けて、テクノロジーで世の中をよいものにしていきたいという理念に基づき、定期的に部門横断的な新規事業アイディアの創造活動「Inspire Matsuri」を行っています。
主に社員が業務で得た知見や、業務で直面した課題を解決するソリューションを、事業化を視野に市場調査からプロトタイプの開発まで行って、コンテスト形式で競い合うというものです。
このように研究開発と並行して、事業投資や新規事業開発の両軸で現行事業に隣接した事業分野についても継続的なアプローチを進めるとのことです。
4. ミータソの着眼点
株価について2019年10月上場時初値が300億円、今年11月16日に1,100億円、12月30日に1,331億円、4.4倍と順調にのびています。PSRも2020年12月末で約28倍とchatworkやsansanと比べても高いことから市場の期待が高いことが伺えます。
また、まだまだ日本は全産業通じてクラウドの割合が低く、導入余地が全ソフトウェアの80%超残され、コロナ禍テレワークが推進される中長期トレンドには乗っかってます。
更にコンシューマー市場で利用が拡がるWindows HelloやTouch ID、そしてFace IDなどのクライアントベースの生体認証と連携することにより脱パスワードが狙えます。更にHENNGEのサービスの利便性が向上することでますます競争優位が生まれるでしょう。
一方でこのシングルサインオンサービスのみでトップラインを100億円、200億円とのばし、3,000億円、6,000億円と時価総額を目指すというよりは、
既にIR等で公表しており、ここでもとりあげてますが、他社とのAPI連携や周辺領域のBtoBスタートアップに対する出資やM&Aで事業拡大することが、
セキュリティとITの世界で法人営業を20数年間積み上げてきたHENNGEの実績と相まって、ビジネスモデルを踏まえた持続的な成長を生み出すと考えます。
5. ミータソのスタートアップファイナンス情報発信について
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