ミータソの企業分析【ミンカブ・ジ・インフォノイド】2021年3Q
こんにちはー、最近買ったcoly株の上げ下げに一喜一憂しているミータソです。
サービスは腐女子・夢女子向けのゲーム開発、他とかぶらず毎年なんらかのゲームタイトルを当てており、IPO直前期までで3年平均2倍超の売上高成長、直前2020年1月期の売上高33.6億円と成長性はバツグン。
先週株価は下降気味で芳しくないですが、先週後半からマザーズ指数も持ち直し、今週16日には決算発表(21年1月期売上高予想61.9億円)を控え、引き続きワクワクが止まらないです。
今回は株式やFXなどのリアルタイム情報を提供するメディアを運営するミンカブ・ジ・インフォノイドを取り上げました。コロナ禍広告収入減少もなんのその、もう一つの金融機関向けの情報ソリューション事業の成長で過去最高益をたたき出し、絶好調のようです。今回は両事業のビジネスモデルを中心に話していきましょう!
1. 会社概要
※株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドの決算説明資料は無断転載禁止となっておりますので、事前に同社に掲載する旨を伝えております。
【基本情報】
ミンカブ・ジ・インフォノイドは2006年7月に創業、2019年3月に上場しました。上場時の時価総額は約131億円、IPOラウンドで33億円ほど新規調達しました。
IPO直前期の売上が16.8億円、最終利益が▲2.0億円と赤字上場だったんですよね。ちなみに前回取り上げたウェルスナビ(上場時15.5億円)と同じ売上規模です。ただしPSRは、
ミンカブ 7.8倍
ウェルスナビ 33.3倍
とIPO時の時価総額で4.2倍近い差があります。
当時ミンカブIPOも話題でしたが、メイン事業がよくある広告モデルだったので値が付きづらかったのでしょう。また、ウェルスナビのAI・ロボアドという新規性が市場に受け入れられたのかも。
【経営メンバー】
代表の瓜生さんはアメリカの大学を卒業後、上場直後のNTTドコモでIR業務に従事し、メリルリンチ、ゴールドマン・サックスでアナリストとして名を馳せました。
副社長の高田さんはスクウェア・エニックスのIR時代に、GSの担当だった瓜生さんとお仕事がきっかけで知り合い入社。伴さんはCSKで証券システムのエンジニア出身と金融絡みの役員が名を連ねます。
【創業のきっかけ】
代表の瓜生さんはアナリスト引退後、古巣のゴールドマンにアドバイザーとして関与していましたが「日本株の買い手を増やすべく、より投資家目線の金融情報サービスを提供したい」との想いから、株式会社みんかぶを設立したとのこと。IR、アナリスト、アドバイザーと様々な資本市場と対話してこられた中で、想いが芽生えたんでしょうね。
【株主の状況】
代表の瓜生さんが10.59%、主幹事でもあるSBIのVC(FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合)が8.01%のほか、ソネット、朝日新聞と事業連携先からの出資が続きます。登記簿みるとNTTデータやPR会社のベクトルからも出資受けてます。
ちなみに18年11月に社名変更がされて、今のミンカブ・ジ・インフォノイドとなっています。情報(information)と執着する者(noid)を組み合わせた情報に拘る者という意味の造語らしいです。
特徴的な名前でIPO当時は、「必殺技?」と話題になったそうで、いいPRになったと社長がIPO時の東証インタビューで話してましたね。
(やさしいIPOのはじめかたより拝借 https://www.ipokiso.com/index.html )
【事業概要】
ミンカブのコアテクノロジーは、AIを活用したコンテンツ自動生成技術や、クラウドインプットとよばれるユーザーの投稿や大規模閲覧データなどを活用したコンセンサス情報の生成技術です。
このコアテクをビッグデータとして金融・経済の分野に利用しており、C向けにメディアサービス(みんかぶ、株探)、B向けにはソリューションサービスとして配信しています。
2. 事業詳細とミータソの着眼点
【みんかぶ】
みんかぶローンチ以前、証券会社による投資家へ向けた情報は、大型株が多く、これが効率的でした。しかしみんかぶがAIで、東証に上場している大型株から小型株まで約3800社を網羅的に、かつ決算発表1分後に投資家に向け情報発信することを可能にしました。
今でこそ、例えば日経のニュースの中にはAIで自動生成された記事も珍しくありませんが、06年サービス当初、AIエンジンによる投資関連情報の自動生成は他になく、斬新だったと思います。
また月間UU数900万人、月間訪問ユーザーが2,600万人と投資家向け情報サイトとしては国内最大級のメディア事業、ここまで伸びた理由として、株の取引をエンタメとして再定義したことにあるのではないでしょうか。
私も監査法人で主に金融機関を担当していたのでわかるのですが、金融ってとかくエスタブリッシュで、特に若者にはとっつきづらいイメージがあったように思います。兜町、日経新聞、野菜、大和、オールバックにネクタイ、、、とかく最近の若者は近寄りがたい。
海外大卒で海外金融機関の中だけでなく、事業会社で情報発信し投資家と対話してこられた瓜生さんが、日本の感覚でないサービス作りをし、NewsPicksのように口コミミックスで東証その他硬かった投資家向け情報を「みんなの株式」としてマイルドに解説しエンタメ化したところに、価値があり新たなマーケットを作ったんだと思います。
株式取引に参加しているのは機関投資家と呼ばれる国内外のプロだけでなく、日本に延べ5,600万人いるとされる専業/兼業の個人投資家も日々の出来高を支えています。
近年ではネット証券やアプリの発達で、空き時間にサクッと売買できる環境が整っています。儲けを狙って続けている方ももちろんですが、ユーザーニーズの多様化、つまり株式投資のプロセス自体に面白さがないと続けられない人もいる、そういう人たちに刺さるサービスなのではないでしょうか。私もみんかぶを利用し株式投資が楽しくなった個人投資家の一人です。
楽天のようにECでたまったポイントを株の購入に当てられたり、日々の買い物のおつりで投資できるサービスもありますが、あくまで購入支援です。サイト内のユーザー同士がこの株は買いだ、いや売りだ、理由はこうだと思う、株の達人はこう言ってるぞ!と日々秒単位でやりとりがなされるユーザーエンゲージメントの高い口コミサイト、SNSに他社が参入するイメージはわかず、競争優位は続くものと考えています。
【ソリューション(B向け)】
ミンカブはメディア事業で得た顧客ビッグデータを元に、B向けの金融機関の営業支援ソリューション事業を展開しています。具体的にはSBI、DMM、楽天その他証券会社が金融商品を販売するためのテーマ銘柄を探すデータベースを構築しカスタマイズし提供しています。あとで説明しますが直近の決算だとC向けより、B向けのストック売上の上昇が際立っていますね。
3. 財務概要
21年3月期3Qの売上高が27.5億円、営業利益3.9億円と前年同期比で圧倒的な伸びを記録しています。
ミンカブの売上の中心は、
・広告枠(みんかぶなどのメディアの広告)
・月額課金(株探プレミアム、みんかぶプレミアム)
・システム提供(AIで集めたFinTechビッグデータの金融機関向け販売)
です。
セグメント別では、メディアがコロナで広告単価が軟調である一方、サブスクの課金収入が支えて前年同期比4.5%増の9.8億円、ソリューションがストック収入の伸びに加え、20年3月期第3四半期末に連結子会社化したProp Tech plusが寄与し同比127%増の17.8億円となりました。
4. 株価予想
コロナで個人投資家の株式参入もあり、株価は1年で4.5倍になりました!現状のPSRが20倍、ウェルスナビのPSRが約50倍なので、まだまだ株価が上昇する余地はあります。私も分析してるうちに魅力を感じ、思わず4,138円で株買っちゃいました笑
FX、不動産投資、保険とメディア事業が分散するだけでなく、ソリューション事業も多岐に渡り、コングロマリットだから評価されづらさもあると思います。
ただ、Q4以降6月に株探米国株の提供を開始するというホットトピックがあります。GAFAMに馴染みのある若年層の個人投資家の利用が加速するでしょう。
5. ミータソのスタートアップファイナンス情報発信について
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