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雨が止まない街で書いたストーリー

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そこは1000年雨が止まない街。肺呼吸をする人間、エラ呼吸をする水人間、意思を持つロボットが共存している。
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#短編小説

香水

いらっしゃいませ。当店のご利用は初めてですか? 当店は記憶の質屋でございます。お客様の大…

二つの勝利

第一章「蕾」10歳の春。少し暖かくなってきたが桜が咲くにはまだ早かった。 手をつないで下校…

小説っぽく大袈裟に書く「今日は日曜日」

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だから僕は音楽を辞めた。だから、

ヨルシカの「だから僕は音楽を辞めた」って曲を彼女に聴かせたら現実に気付いたみたいで「いい…

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AM4:12

もう朝か、、、もう朝か? 人も動物もまだ動き出しておらずロボットだけが淡々と動いている、そんな夜とも朝ともつかない時間。仄暗い部屋の中でパソコンの画面だけが煌々と光っている。 ふう、と一息吐き出してマウスを持つ手を止める。一瞬しんとした後、雨の音を忘れるほどに考えてこんでいたことに気付く。 石の妖精が肩に乗っているかのような気だるさが身体に纏わりつくが、ゆっくりと腰を上げ、ゆっくりとカーテンを開けた。 夜が明けて街が起きる前に終わらせたい。再びパソコンに向かってアカウント