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雨が止まない街で書いたストーリー

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そこは1000年雨が止まない街。肺呼吸をする人間、エラ呼吸をする水人間、意思を持つロボットが共存している。
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#小説

雨の夜、無数のランタンと共に

1少年は祖父が大好きだった。 最初の思い出は折れた傘の骨を直してくれたこと。次の思い出は時…

香水

いらっしゃいませ。当店のご利用は初めてですか? 当店は記憶の質屋でございます。お客様の大…

最高に○○な彼女

「今日も最高に綺麗だね」 『いつもありがとう。貴方も最高の彼氏だよ』 「これから行く水族…

二つの勝利

第一章「蕾」10歳の春。少し暖かくなってきたが桜が咲くにはまだ早かった。 手をつないで下校…

小説っぽく大袈裟に書く「今日は日曜日」

朝起きて、仕事に遅れる!と思ったら日曜日だったってだけの話を大袈裟に書く。 ヴーン、ヴー…

COMING SOON「流星群の夜に」

その惑星メヌゥアはもう数百年、隣の惑星ガイアと戦争状態だった。もはや何がきっかけで戦いが…

テーブルの下の告白

僕と彼女は同い年の大学生で、演劇レッスンの同級生だった。 そのレッスンは社会人から学生まで色んな人が参加していたけど、みんな気のいい人ばかりでレッスン終わりにスタジオ近くのどんぶり屋で騒ぐのが習慣になっていた。 青臭い演劇論で盛り上がる僕達。いつものように彼女は端っこの席から話の輪に入っていた。 彼女の前に座っていた僕はそんな彼女の笑顔をぼーっと見ていた。彼女は先週、付き合いたてだったはずの彼氏と別れたのだ。 僕を通じて知り合った二人。僕が仲を取り持って付き合いだした二人

元カノの影響

元カノはティーバッグを干して2度淹れる人だった。 貧乏くさいと思ったけど、優しい元カノの…

だから僕は音楽を辞めた。だから、

ヨルシカの「だから僕は音楽を辞めた」って曲を彼女に聴かせたら現実に気付いたみたいで「いい…

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雨を食べるカエル

毎日、朝から晩まで働き詰めの少年が一枚のチラシを拾った。 《屋外に放置するだけ、エサやり…

相合傘

そこは雨が止まない街だった。薄暗くなり始めた夕方、街はずれに到着した長距離バスからは傘を…

AM4:12

もう朝か、、、もう朝か? 人も動物もまだ動き出しておらずロボットだけが淡々と動いている、…