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【Blu-rayレコーダー】メーカー&他社不可の機器から復旧成功!│データ復旧エンジニアインタビュー②(デジタルデータリカバリー)

こんにちは、デジタルデータリカバリーです。

データ復旧やハードウェアについての情報を掲載しているこのnote。今回は、過去のデータ復旧事例についてエンジニアへ直撃インタビュー②を行いました。

前回のAndroidの記事はこちら

今回は、Blu-rayレコーダーを取りあげます。
それでは早速いきましょう!

1. メーカー&他社復旧不可の2009年製レコーダー

デジタルデータリカバリーでは、Blu-ray・DVDレコーダーのデータ復旧を多数行っています。Twitterにおいても事例としてご紹介したように、過去に様々なタイプのレコーダーからデータを復旧してきました。

特殊形式の保存データを復旧したり、

基板が破損したレコーダーの復旧も行います。

今回、数あるレコーダーの復旧事例のなかから紹介するのは、SONY製レコーダー「BDZ-A950」です。

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2009年製で、現在ではメーカーも修理用部品を保管していない機器になります。
このレコーダーは、メーカーの修理で過去にHDD(ハードディスク)を交換済みで、加えて他の復旧業者に依頼して復旧不可になった機器でした。
2度にわたって人の手が加わっているこの状態からどのようにデータ復旧を行ったのでしょうか。復旧を担当した論理エンジニアの新名さんを直撃しました。

2. データ復旧を担当した論理エンジニアの新名さん

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新名さん(以下、新名):
今回は、メーカーで過去に修理(HDD交換)済み、かつ他の復旧業者不可という非常に難易度の高いケースでした。メーカーの修理でHDDを交換したことで、ファームウェアの情報も書き換わっていました。

聞き手:
ということは、新しいHDDが入ったオリジナルの機器と、交換済みの古いHDDの両方を用いての復旧作業になりますね。

新名:
そうです。古いHDDはお客様が手元で保管していたとのことでした。

聞き手:
今回復旧したSONY製のレコーダーというのは、前々から研究は行っていたのでしょうか?

新名:
はい、行っていました。過去に一度検証用の機器で復旧に成功していましたが、お客様から直接ご依頼いただいて復旧できたのは今回が初めてです。

聞き手:
それは嬉しいですね! 復旧成功に至った決め手は何でしょうか?

新名:
どこを作業すれば復旧できそうか、作業箇所の特定をしっかり行えていたことです。レコーダーは機器ごとに独自の暗号化がされており、データの保存形式も異なります。エンジニアの視点で考えると、何がどこに書いてあるのかは分からない状態なんですね。今回のケースは検証機で復旧を成功させていたこともあり、着手する前にある程度は作業箇所の特定ができていました。

聞き手:
日頃の研究の賜物ですね。作業箇所の特定を行うためには、検証を何度も繰り返すことが必要になりますよね?

新名:
そうですね。作業を行って、機器に組み込み、挙動の確認を何回も繰り返して検証します。AをやるとBになる…といった機器ごとのパターンを読み取っていきます。長いと半月くらいの間、ずっと1つの機器に向かい合ってやっていますね
レコーダーの場合、出てくるエラーの表現もあいまいなものが多いので、通常のHDDと比較しても、エラーメッセージだけではどこのデータに異常があるのか分かりにくいんです。この点も復旧難易度が高い理由になります。

聞き手:
今回の事例では、メーカーと他社復旧業者が復旧不可ということですが、何か変わった点はありましたか。

新名:
実はこの機器は入庫時の登録も私が行ったのですが、中の状態に何も変わったところがなかったんです。機器の開封などもされていないようでした。もしかすると、依頼を引き受けたはいいものの、復旧難易度が高く何も作業せずに返却した可能性もあるのかなと。

聞き手:
なるほど・・・。復旧に成功したときは、どういう気持ちでしたか?

新名:
もちろん嬉しい気持ちもありましたが、何よりほっとしましたね。お問合せいただいた段階で「復旧させます」と豪語していたので(笑)
実際にお客様の期待にお応えすることができて、ほっとしました。

2. エンジニア以外の職種で見えたこと

聞き手:
新名さんはエンジニア以外の職種も経験していますよね。

新名:
はい。元々エンジニアをしていたのですが、途中でカスタマーサポートのほか複数部署異動しました。他の部署にいたときに「復旧の過程でもっとこうすればサービスを改善できるのではないか」と気づいたことがたくさんあって、それをエンジニアに戻った今1つ1つ実行しています。

聞き手:
レコーダーの復旧もその一つと。

新名:
そうです。お客様からご相談を多数いただいていたので、社内でより対応領域を広げていったほうがいいのではないかと思いました。

9_社内風景

(ワンフロア体制の復旧ラボで、エンジニアと他部署の情報交換をスムーズに行っている)

聞き手:
論理的な復旧を担当するロジカルチームのなかでも、今では新名さんがレコーダー復旧の技術開発の先頭を走っていますよね。

新名:
やりたいと思ったことをやらせてもらっているので有難いですね。レコーダーの復旧に関しては、自分で検証機を購入して、休日に家で検証したりもしています。結構買いましたね(笑)その分、今となっては対応領域が広がって復旧できるデータ量も増えています。

3. メーカー修理とデータ復旧は別物!

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聞き手:
レコーダーのデータを安全に復旧するために、ユーザーに伝えたいことはありますか?

新名:
何より、データの復旧をしたい場合はメーカーに機器をいじってもらわないでほしいということです。メーカーのサポート窓口で修理の提案をうけて、HDDを抜き取って処分されたり、基板を交換された事例が多数あります。データ復旧を行いたいのであれば、できるだけ障害が発生したそのままの状態で持ってきてもらえると助かりますね。
また、バックアップをとることも大切です。ホームビデオはレコーダーのみに保存するのではなく、パソコンなど複数の箇所にバックアップをとることですね。

聞き手:
データ復旧と修理は別物ですからね。探求心を持って技術開発に取り組んでいる新名さんですが、今後目指しているエンジニア像はありますか?

新名:
暗号化などのために、データはあるのに復旧できない案件をゼロにしたいと思っています。もちろんセキュリティの観点も重要ですが、データを失って困っている方が世の中にこれだけいるのもまた事実なので。
レコーダーの他には、特殊なファイルシステムや、監視カメラ、ドライブレコーダーなどもありますね。直せるのは自分しかいないという気持ちで日々取り組んでいます。

聞き手:
力強い意気込みですね。本日はありがとうございました!


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