「すきまから」をきいてみて
円盤からヴァイナルで再発されたフリーボの「すきまから」をmolemusic
から通販で購入して2回聞いてみた
この音源は、フリーボが東芝に移籍する前のインディーズ時代に制作されたファーストアルバムである
サブスクリプションサービスには音源はなく、当時のCDも流通されていない状況で、円盤の田口さんさプロデューサーとなりヴァイナル仕様にマスタリングされジャケットも再構築し、ライナーノーツに松永さんを起用され再発売に至っている
購入するしかないとすぐに思ったが、どこで購入するか考えた私はmolemusicさんで購入することにした
molemusicさんには友人の紹介で知って、山形から奈良の町はずれの店舗までヴァイナルを購入しに行ったことがあった
店舗内にはストイックでありながら穏やか側面も併せ持つ、しかし厳選されたダンスミュージックを中心としたヴァイナルが販売されていた
その中に円盤のコーナーがあり商品がどっさりあった
ダンスミュージック中心でありながら、円盤のスピリットに共鳴されているであろうmolemusicの土地を越えた音楽のつながりに「押忍ですねー」と強く思ったものだった
そんなmolemusicさんから購入するのが筋だろうと思い、購入に至っていた
山形に届いヴァイナルを早速聞くべく、自宅のレコードプレイヤーの針を落とした
中温が抜けているような感覚のシンプルな音の中に、まぐれもなくその時代の彼らでしか出せないであろう「味噌とニンニクを一緒に食べるとめちゃくちゃニンニクの臭みが感じられず歯触りも程よいしゃくしゃく感でたまらない」ようになるような、とにかくマジックがかかったような音の世界があった
東芝に移籍されてからのいいスタジオでいい機材の環境では生まれない、これから出そうとして出せない、一度しかない「公園のジャングルジムから眺める春頃のサンセット」のような、キラキラしすぎない音世界が確かにあった
ライナーノーツにあなただけの「すきまから」の物語を作って下さいと記してあったわけだが、私は一回目のヴァイナルの聞き終わりに針を上げた際、針で盤面に激しく傷をつけてしまった「ぬぎゃーー」と声を出した私は放心したが、これが俺の物語だと落とし前をつけ、この文章のネタにしようとここまでに至った次第である