「推しのため」の熱に浮かされたBuddiesの聖戦orお祭り

2024.6.26前後数日間、Buddiesにとって騒がしく忙しない期間が終わりました。
この戦いを遠巻きに見ていて思ったこと、ここで吐き出しておきます。

僕のスタンスとしては、連続1位などの記録に全く固執していません。気ままに楽しく好きでいたい派なので。
自分が今回櫻坂を1位にするためにした事は何もなくて、いつも通りCDを全形態1枚ずつ買っただけです。


グループの発売日が被り、ファンの競争心を煽られて始まったこの戦いはファンも疲弊するグロテスクな戦いだったと思います。

CDを10枚も50枚も100枚も買う…こんなのは外から見たら正気の沙汰ではありません。イベントの応募口数を増やしたいからという理由があるなら1000歩くらい譲るとして、ただ推しを1位にしたいからという理由だけならやっぱり狂ってる。
これをそんな狂気に満ちた戦いだと分かっていて参加したファンは良いと思うのです。誰かの手のひらの上だと知っていて割り切って踊らにゃ損々♪と楽しんだ人はいい。

でもSNSを見ているとそんな人ばかりだったとは思えません。
金欠の学生が何かを我慢してCDを買い足したとか、バイトで貯めたお金をこの為に使って積み増ししたなどという投稿も目にしました。もちろん想いは尊いと思うけれど、でも頑張って稼いだバイト代は推しのためではなく絶対自分のために使った方がいい。金欠なら尚更。

紅白出場やオリコン連続1位の重要性、誰かが発信した危機感を煽る情報や櫻坂46への恩返しetc...
そんな思いや言葉を信じてあるいは焚き付けられて、これを聖戦だと思って身の丈以上の戦い方をした純粋無垢なBuddiesたちが他にも沢山いたのではないかと。

呼びかけている人たちは無理はせずに楽しく、出来る範囲で、と必ず添えてはいました。
配慮しているのは分かるけれど、でも推しのためなら歯止めが効かなくなる。そして熱に浮かされたら無理も無茶も楽しいと思えてしまうのがファンというものなんじゃないかと思ったり。

確かに強制や同調圧力ではないけれど、色々な数字を出して危機感を煽るような発信もして、煽って煽って最後はあなたの判断に任せます、でも無理はしないでね。でも推しのために頑張りましょう!「あなたの1枚が大切なんです」と。
あわよくばファン全体を巻き込もうとしたこの戦いで、純粋なファンや新規のファンにまでその選択を自己責任で迫るのは、推しへの愛を試すようで酷な話だし優しくないなと思いながら眺めていました。

結果的に1位を逃しお金も大量に動いたこの一件を、ファンも頑張ったね!団結力すごいね!で終わらせるには、身を削った人たちや周りにかけた迷惑が大きい気がしています。


「一回の会計は3枚まで。」
こんな情報も良く見かけました。でも終わってみたら信憑性は分からないという話も目にしました。
みんながやってるからとか、お相手は3枚会計を徹底してるから勝ってるんだとか、店員の言うことを信じるなとか。
そんな情報に振り回され流されていく姿は、陰謀論にハマっていく人たちと重なって怖かったです。

「中学生の女の子がCDを買っているのを見かけて、この子も貢献したいんだと思って感動した…」みたいな投稿も。
もしSNSの盛り上がりを見て私も貢献しなきゃ!と買ったのだとしたら、それは美しい話ではなく、こんな札束の殴り合いに子供を巻き込むなんて!という悲しい話な気もします。

この店が贔屓したとかあの店が戦いに水を差したとか、世間から見たらこんな戦い誰も興味ない。
メンバーのブログやトークの言葉を都合良く解釈して自分たちの行動を正当化したり、他グループのファンにまで呼びかけて疎ましがられたり。

CD購入の呼びかけを先導していた大手の垢が行き過ぎた呼びかけで叩かれた時、その垢を慕うファン達が、「心無い声に負けないで!」「こんなに櫻坂のことを思っている人が休止するなんておかしい!」とエールを送っていました。
彼らにとって自分たちと違う意見は心無い声なのかと。自分たちこそが櫻坂を一番に考えていると言わんばかりの態度に普通にムカつきました。

1位を逃しBuddies全体が悔しがっているような雰囲気とか、メンバーに申し訳ないなんて勝手に悲壮感を漂わすのはやめてほしい。これは誰に頼まれた訳でもない一部のBuddiesが勝手に始めたことなのだから。

良い時はファンの団結。その一方でモラルのない輩がいればそれは一部のファンの仕業。自分の価値観と違う人をファンと認めなかったり見下したり。この雰囲気に懐疑的な目を向けつつも口は出さず静観していたファンも、または冷めて疲れて静かに離れた人もいるかもしれない。

推しのためだと大義名分を掲げて、この一件は「Buddiesの団結はすごい!」で締め括られようとしています。

Buddiesの団結とは何なのか?このBuddiesとは一体どこまでの人を指すのでしょうか…?
こんなことを言ってしまう僕はその人たちにとってのBuddiesの団結の中に入っているのでしょうか…


貢献や応援、団結や推しのためなどなど。
この言葉自体が持つ甘美な響きに、人は使うだけで酔って気持ち良くなれる。一方で使われた方はその正義のニュアンスに疲れや後ろめたさを感じるんだと思います。

僕はこの盛り上がりをただのお祭りだと思っています。
一部の数字や記録に熱量の高い人たちが勝手に始め、参加したい人や祭り好き、祭囃子を聞きつけたファン以外の人も参加してくれて盛り上がった。
でもこれを聖戦だと思っている一部のファン、もしくは自分たちの行動に意味を持たせようとする人たちが、推しのため!団結!貢献!と高らかに謳い始め、このギャップが反発や疲弊を生む。
推しのために行動していると思うから態度も尊大になるし、迷惑行為も疲弊するファンも小さな犠牲は仕方ないと正当化して見て見ぬフリを出来てしまうのではないかと。(もしくは本当にそういう存在に気付いていないのか…)

ファンと一口に言っても様々な価値観の人がいて、そして推し活なんて楽しんでなんぼ。
だから、
「Buddiesの団結はすごい!」ではなく、
「Buddiesはお祭り好きが多い!」くらいの表現の方がファンという烏合の衆には合っていると思います。


大事なことなんて誰にも言っちゃダメなんだ
自分の心飛び出せば一瞬で腐る
どんなキレイな言葉を選んだとしても
悲しいくらい見苦しいものに変わる

櫻坂46「Cool」

推しを思い、真の意味でのファンの団結を目指すなら、推しのためになんて言葉を軽々しく使って欲しくない。こういうのは心の内に秘めて熱く静かに燃やすものです。
正義を掲げてそれに酔っている人の方が悪意を持った人たちよりよっぽどめんどくさいというのが今回の祭りの後の感想です。

この高まり過ぎた熱が今後運営やグループに牙を向いたり、他グループのファンにこれ以上迷惑を掛けないことを願うばかりです。

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