【暗い話】TRPGコンベンションで「虚無」になった話

  • これは愚痴です。

  • 全てのTRPGコンベンションについて言ってるわけではないです。

  • というかそんなにコンベンション行かないので知らないです。

かなり時間が経ったので、勝手に時効と信じて書き出します。
ただなんとなく感情の向くままに書きなぐっただけの乱文なので、陰キャオタクの妄言であると考えて欲しいです。

・会場入り

もうずいぶん前。

某市で、TRPGの作製に関わった作家がGMとして参加するというTRPGコンベンションが開催されるというので参加した時のことだった。

ようやくの思いで会場にたどり着き、大して安くもない入場費を支払うと、なんか注意事項的な紙ぺらを一枚渡される。

そして、なにをすればいいのかわからない。

どこに出しても恥ずかしくないキョロ充の誕生である。

・卓分け

ブースがいくつかある中、既に座っている人も多いが、立って他の参加者と談笑している人もいる。

勝手に座っていいのか?それとも立つべきなのか?

そして、暑さのせいなのか、すげえ臭いだった。

既にちょっと不安な気持ちだった。

まあ臭いはともかくとして、紙ぺら一枚渡してハイ終わりって、運営としてどうなの?
渡された紙には会場での注意事項しか書かれてなくて、普通に何の役にも立たなかったです。

慣れてる人はそりゃいいでしょうけど、私のような初参加の人間のこと本当に想定されてます?

それともTRPGコンベンションっていうのは、こういうもんなの?

結局立ち尽くしたまま、ゲーム開始時間を迎えた。

当日のGMは4、5人でそのうち作家は一人。あとは一般の人っぽかった。

作家卓への希望者は全体の半分ほどで、私も当然、そのうちの一人だった。

ちなみにPL参加者は全体で20人ちょっとぐらいだったと思うので、そこそこの倍率だった。

くじ引きで作家卓への参加権を手に入れた時などは、「おお、最高にツイてる!」などと舞い上がったものだ。


地獄はここからはじまるとも知らずに…………


・卓開始!そして地獄へ……

参加者の卓分けが完了し、それぞれのブースに分かれ、テーブル席に向かう。

自分と同じような陰キャどもが集っているのだろう。

私がブースに行った時は、既に隅を占領されており、仕方なくテーブルの中間席に座る。

この席配置も、今にして思えば運が無かった。

さてこのセッションは、新刊のサプリメントを使ってセッションするよ、という説明から開始。

それは事前の告知で知っている事だった。

暗雲が立ち込めたのは、次の瞬間だ。

「じゃあ最初は、あー……サプリの説明からしますか?」

サプリの説明?
そんなんセッション中に、流れの中ですればよくね?
ていうかいる?

という思いもあったが、周囲はさすがに大人ばかりで「お願いします」と皆が返事。

そこから作家先生は、1ページ目から順にサプリメントを読む機械と化した。

いやそのまま読むんじゃなくて、かいつまんで概要だけ言うとか、ウリになる部分だけを言うとか、そういうのじゃないの?

作家先生が読む機械なら、私たちは単なる置物だった。
そう思えるほど、ただ無為な時間が流れていく。

なんだこの時間。

そういう疑問が5分ごとに湧き出てくる、だけど誰も何も言わない。

針のむしろとは、こういう状況なのだろうか。

作家先生がようやく説明(?)を終えたらしい頃には、1時間が経過していた。

すでに変な疲労感に包まれているが、不安感の方が大きかった。


いや、セッションに入ればきっと楽しいはずだ……奇跡のように楽しいはずだ……。


そう自分を奮い立たせるしかなかった。

どう考えても負けフラグでしかなかったが、藁にも縋る気持ちとはまさにこれだ。

でもこの卓、1時間経過してるのにキャラメイク進捗ゼロ。

これからキャラを1から作らなきゃいけない。

時間は無限ではない。
しかも我々は公共の場をお借りして、遊ばせてもらっている身なのだ。

会場が昼休憩に入るまでの時間はもう30分も無いという状況で、昼からセッションを開始したいとのことで、大急ぎでキャラメイクに突入した。

ここでもし、私がTRPGのシステムにさえ初心者だったら、目も当てられなかったかもしれない。

とはいえ慌てていたこともあり、結局のところなんか微妙な感じのキャラを作成し、昼に突入した。

・昼休憩

昼ごはんは会場を使わせてもらえるので、最寄りのコンビニで昼食とお菓子を買い、会場のブース内で食わせてもらう。

その時間は、不思議なぐらい和やかだった。


「ここ来るの初めてなんですよー」

「僕もですー。あ、よかったらこのお菓子、みなさんもどうぞ」

「お、きのこ派っすか?戦争ですねぇ」

「やめてくださいよーw」


私たちは、あの変な時間を共に乗り越えたことで、既に戦友となっていたのかもしれない。

ブース内には一言も喋ろうとしない作家先生も昼飯をいただいていたので、ちょっと気まずいのだが。


・地獄編(セッション)開始

まあともかく、和やかなお昼も過ぎて、昼前に大急ぎで作ったキャラクターを簡単に紹介し、キャラクター名がホワイトボードに記載され、共有された。

そしてついにセッションが開始される。

変わったギミックを入れたかったのだろう。

ダンジョンの構造を、カードの配置で表しており、それがマップとなっていた。

放射状にカードを配置していき、PCの現在位置はカード上のコマで示すというわけだ。

そういう発想は良いと思う。

でも面白いとかそれ以前の話がある。

私のキャラシにカードをかぶせて置くな。

使うカード枚数が多すぎて、大きなテーブルの上に十分な余裕をもって置かれていたキャラクターシートにまでスペースを占有しはじめ、侵略されてしまった。

おかげで自分の能力値がよくわからない上、リソースを減らす時とてつもなく邪魔。

消しゴムで紙を揺さぶるとカードがズレるせいで余計な気を遣わなきゃいけない。

事ここに至って、私はようやく確信した。

この人、作家だけどTRPGには慣れてない。

クソ長くて何が言いたいのか分からない説明といい、人のキャラシーの上に平然とモノを置くことといい、まったく配慮ができてない。

自分がやりたいことをやるものの、他者への配慮は不可能なタイプ。

しかもカードスペース被害にあってるのは私だけであった。
これは被害妄想とかではなく物質的な事実なので、マジでこの席ハズレだなって思いましたね。

他の人のキャラシーの上に行かないよう配慮はされているらしかった。

この辺りで、本気でここに来たことを後悔しはじめる。

シナリオについてはあんまり覚えてない。
ていうか忘れたい。

GMとして、ゲームの処理がおざなりだったことは覚えている。

戦闘になったときに駒を配置するのをめんどくさがって、ホワイトボードにペンで簡略化した表記だけで誤魔化してて、どうにも気持ちが乗らない。

テーブル上に広げられたカードのせいで、紙への記入もやりづらい。

そして、一切PCの名前を言わない。

最初にホワイトボードへ記載し、全員PC名を共有しているのに。

敵の攻撃対象を決める時など、「じゃあ……(ダイスを振る)そこに攻撃」などと言って、人に指をさしてくる。

人を指さすな。

個人的にここがかなりひっかかった。
はっきりと不快だった。

なんのために、最初にPC名を申告させ、ホワイトボードに書いた?

一応、途中で積極的にPC名を呼ぶようにすることで皆にもPC名で呼び合うように働きかけたが、全く功を奏さなかった。

もちろん、表面上は楽しんでますよという顔はするし、積極的に攻略の提案も行う。

大人として。

でも、セッションの間ぐらい、空気を読む大人ではなく、ゲームキャラクターでありたかった。

クリアした部屋はカードとして取得したうえで、特定の場所でアイテムに引き換えられると言われたので、次々に消化。

これは単純に嬉しかった。

キャラシの上にあったカードがようやく取り除かれる。

なぁんだ後半に行くにつれてちゃんときれいになるのね、さすが先生だと思った矢先。

「あ、やっぱカードそのまま配置しなおして」

なんでも、どこにどういう部屋があったのか、そもそもどの部屋を攻略したのかを覚えておく必要があったらしい。

もう一回私のキャラシの上に置かれるカードを、虚無の感情で見つめる私。

しかもどの部屋を攻略したとか、どういう順番で攻略したかまでは結局のところ覚えておらず、記録も記憶もしてなかったらしい。

フラグ管理もガバガバだし、PLに対する配慮がごっそり抜けてるのはどういうことなんですかね?

セッション中に何度か成長したり買い物したり、入手した宝物を使ったりでボス撃破。

PL陣は、初心者が1人と、あとはベテラン勢って感じだったので、特に問題は無かった。

初心者を置いていくってことはなかったし、雰囲気的にも終始和やかだし、活発な議論があったと思う。

ただ。

ずっと私のキャラシにカードが被ってる。

ずっと「そいつ」とか「それ」とか言われ、指さされ続ける。

私の心が狭いのか?

作家先生がやることだから仕方ないのか?
疑問が渦を巻く。

澱んだ闇と燃え盛る怒りを胸に抱いたまま、セッションは終わった。


・セッション終了

セッション終了後、運営の人がやってきてアンケート用紙を渡された。

このあと作家先生様のトークショーがあるとかで、すぐにでも書かなければならない。

セッションの時間ギリギリだったの、この卓だけ。

最初から最後まで、作家先生によってかき乱され続ける私たち。

他の卓は数十分前に終わってて、エンディングトークやら感想戦に入っているらしかった。

私は、あの時聞こえた周囲の笑い声を生涯忘れないだろう。
悪い意味で。

アンケートに書きたいことは多くあるはずだが、もうめんどくさかったのでテキトーで終わらせる。

この時の感情は、疲労と怒りと失望がいっぱいで、とにかく総括すると「早く帰ろう」とだけ思った。

セッションの終了が「やっと終わってくれた」と思ったのは初めてだった。

作家先生がGMをやるから盲目的になっていたのは否めない。

でも、多少の期待をしたっていいはずだ。

その結果、楽しいとかそれ以前に不快という最悪の結果になってしまった。

楽しいに違いないと期待して、貴重な休日を潰した結果がこれだ。

トークショーとやらはいつの間にか始まっていて、そこまで離れていない席で喋る作家大先生様を、私は虚無の眼でぼんやり見つめていた。

時間をおいて冷静になった、今だから言う。

二度とコンベンションは行かねえ。

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